第21話
我は、父さまが、大好きじゃ。
父さまは、お供の、せーめーも、かわいいというが、我のほうが、かわいいと思う。
大すきな父さまが、祓いをするのを、みせてやると、知らない屋敷に連れて行ってくれた。
祭壇に行くと、我は足が止まった。
無数の鬼が、祭壇のお供え物を、食べたり、投げたりして、遊んでいるのが、見えたからだ。
父さまも、見えているのか、祓いの準備をするという。
父さまは、印を結び、「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん」と唱え、浄化を終わらせた。
たくさんの鬼が、何かに吸い込まれて行くのが見えた。父さまは、すごいのだ。父さまの、おんもは、強いのだ。
興奮した我は、帰り道、鬼が見えたことを父さまに話した。
父さまは、驚き我に「見鬼の力」がある事を、教え喜んでくれた。
父さまの、お気に入りのせーめーにもない力だそうだ。
ふっふーん、参ったかせーめー。父さまは、我のものだ。
その夜、父さまは城に出かけた。
しばらくすると、寒気が体を襲い、我は身動き出来ないようになった。
屋敷に羅刹という鬼神が、きた。
父さまの弟子たちが、我を守ろうとしたが、皆千切れてしまった。
羅刹が、「見鬼の力を持つ者を、この世にとどめおくわけには行かぬ。童よ、遠き世に転じよ。」といい、我の足を掴み、黒い渦に引きずり込んだ。
我は、息もできず、体中に痛みが走り、気を失った
ここは、どこじゃ
誰か、おらぬか
「鬼神に、引き摺り込まれたか」
誰じゃ
「もう、戻れぬぞ。こちらで、使命をはたせ」
使命。使命ってなんじゃ。我は、剣もおんもも、未熟じゃ
「では、陰陽師の力を覚醒させてやろう。見鬼の力もそのままに。最後に、力なき童のために、従魔の力を陰陽に付加しよう」
「谷間の剣士を探し、頼るが良い」
谷間?
ん?谷に剣士がいるのか?




