第13話
ウサ耳女がシーク、格闘男がクロン、黒服男がニベス、回復して傷だらけになった女がロックという名で、冒険者という職業だと説明された。
クロンとロックは、もうすぐ結婚するらしく、クロンが大怪我した際に、激しくロックが動揺してしまい、回復がうまくいかなくなったようだった。
私の名前をシークから聞かれた。
私には、忍頭から付けられた名前があった。アトカが私の名だが、元は忍頭の娘の名であり、一族の女は娘の影の役割もあり、皆その名前となっていた。
だから、愛着もないし、そう呼ばれたくもないのが、本音だ。
私は、シークに「ナナシ」と名乗った。
ロックは魔力をすべて使ってしまい、体力も出血が多くしばらくは安静が必要な状態であるとダムが診断した。
体力が戻れば、魔力も回復し、自分で治癒できるようになるそうであり、私は安心してシークのウサ耳をガン見することにした。
シークが「ナナシは、魔狼を使役してるのね。めずらしいわ」と言ってきた。
すると、クロンが「おう、俺もロックと熊の間に魔狼が飛び込んで着たときは、もう御終いかと思った」と言う。
ニベスは、私が助太刀を申し入れたときに、銀とランバを見ていたが、魔狼の使役獣をあまり見たことがなく、ランバが暴れるのではないかと思い、助太刀にはすぐには応じられなかったと私に謝ってきた。
「うちの子たちの、躾けは万全だっ」と少し私はプリプリしてしまった。
「さ、さわってもいいかしら」とシークがウサ耳をみょんみょんさせながら、私に言ってきた。
うー、私はそのみょんみょんが、とっても触りたいがと、のど元まででかかったが、我慢して「いいぞ。お腹をさわると喜ぶぞ」と答えておいた。
しばらくすると「母上、たすけてー」とランバはお腹をわしゃわしゃされすぎて、念話で悲鳴を上げてきたが、「うさ耳、モフモフ。だから、がまん」と謎の念話をランバに返し、シークが堪能するまでわしゃわしゃさせた。




