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君が大好きな君へ  作者: シュット
19/25

19.進

あの日が終わってから、なんとなく僕たちは一緒にいるようになった。僕たちというのは勿論、雄哉と吉岡さん、月島さんと僕の4人の事だ。休み時間にもちょこちょこ話すようになったし、メールアドレスの交換もした。4人のグループトークができ、そこでもたわいのない話をするようになった。といっても、話の中心にいるのはいつも雄哉と吉岡さんで、僕と月島さんは話を聞いたり相槌を打ったりする役割だった。それ以外には普段の生活に大きく変わったことはなかったけど、のどかな高校生活の一枠をこのメンバーで埋めることができたのはとても幸せなことだったと、僕が知るようになるのは遠い、遠い未来のことだった。

「○○ちゃんは背の高い人がタイプなんだもんねー?」

クラスの女子は今日もこんな話題で盛り上がっている。人の名前を○○表示にしたのは、この発言が誰のものであれ、そこは重要でないからだ。

僕がなんとなく気になってしまうのは寧ろ「背の高い」という部分。女の子は背の高い人が好きな人が多い。一般的な理想像を描くならば、「背の高く、イケメンで、ユーモアがあり優しい人。あとは少しのリーダーシップがある人」だろう。実際、そんな人はこのクラスにもそうそういない。その中でも「背の高い」や「イケメン」というところはなんとも歯がゆいポイントだと僕は思う。人を見た目で判断してはいけないと昨今言われている世の中なのに、結局恋愛対象として選ぼうとしているのは見た目の部分じゃないか。

男子も同じ。可愛くて、できれば背の低い小柄なタイプ。尚且つ胸も大きいそんな女子が理想型だろう。

これも一種の差別なのだろうか。人種を区別してどうというものは、ネガティブな発想によるものだけど、恋愛で人を選ぶ際の区別というのは、ポジティブな希望に基づいている。「背の低い人に比べて背の高い人は好感がもてる」。こういった勝手なイメージというものは、人間の雌に太古の昔より植え付けられてきた本能だと僕は思う。体格の大きい雄の方が健康的に見えるのと同じ理由だ。じゃあその根源は決して悪いものではないのではないかと思ってしまうのは、僕がまだ高校生だからだろうか。考えがまとまらないけど、人を見た目で判断してしまうのは仕方がない部分があるにせよ、やる瀬のない気分になるのは確かだ。もうこの話はやめにしよう。


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