表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が大好きな君へ  作者: シュット
18/25

18. 進

「月島?」

「野平くんって言った」

野平。野平蓮児。無難な選択だと思った。僕から見た彼は結構印象がいい。顔立ちがくっきりしていてイケてる部類には入るだろう。それに性格も大人しくて誠実だ。あまり男男していない中性的なところも彼の魅力の一つだ。月島さんは案外人をよく見ているのかもしれない。なんて考えていると自分の番がすぐに回ってきた。

「進は?」

「吉岡さんかな」

「私!」驚いた様子の南。しかしまんざらでもないような笑みを浮かべている。

「なんで?」その勢いで聞いた南と、にやにやしながら進むに顔を向ける雄哉が同時に聞いた。

「だって、なんか恋愛しそうだし」

「どういうこと?」

「恋愛しそうな人はするでしょ、恋愛」

「そうなかあ」

「気分なんだと思う。こういうの」

「へえ、じゃあ俺も恋愛しそうか?」

「雄哉はどうだろうね。僕と比べるとそうだね、しそうだ」

「紗恵は?」南がさりげない様子で、しかし興味を隠せていないのが声の感じで分かってしまった。

「僕と同じタイプかな。時期が来れば、する」

「だって!」南がすぐ隣にいる紗恵の方を向いた。彼女は少しうつむき加減で考えた後、何かを言おうと口を開いたのだが、それを遮るように雄哉がコメントをした。

「他の人に興味ないように見えて、案外観察してたんだな」

「その時期はいつ来るのかな?二人とも?」南はいじわるそうな眼差しだが頬は上がっている。

「全然わからない。一生来ない感じがする。でも、明日来るのかもしれない」

「何それ?はっきりしなよっ」怒気は感じられない。

紗枝はうなずくだけだった。静かな様子からは全く感じることができないが、その体の中は暖かい、そして幸せな空気が巡り始めている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ