プロローグ
目が覚めるとそこには中世ヨーロッパの町を感じさせる景色が広がっていた。隣には、妹がいるが、今はあまり関係ない。目を開けた時から分かっていたし、みんなはお気づきだと思うが、ここは異世界であるしかも典型的な形のね。まあ、まずはこうなった経緯を説明しよう、妹のことも含めて。
俺の名前は工藤秋治県立高校に通う高校二年生である。妹のほうは、晴香といって、私立中学に通っている中学三年生。ここから分かるように、俺は運動神経、頭脳は平均的である。もちろん妹は、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群の漫画やアニメのキャラ並みのステータスであるが、極度のブラコンである。別に嫌ではないが、 限度というものを超えている気がする。例えば、俺が一日履いたパンツを洗濯機から取り出して自分の部屋に持って帰って飾っていたり、俺がちょっとクラスの女子と話していただけなのに、「あの女だれ? 彼女とかじゃないよね、秋兄は私のこと愛してるもんね。もし、浮気なんてしたらその女もろとも消すからね」と言われた。いつの間にかヤンデレ属性まで追加されていたしまつである。自己紹介もこれくらいにして本題に入ろう。
あれは学校の帰り道に、母親からお使いを頼まれ近くのスーパーに買い出しに行った時のことだ。妹はいつものように校門前で待ち伏せをしていてもちろん捕まった。昔に比べて晴香と帰るのは慣れたが腕を組んだりしてくるので恥ずかしい。断る待ち受けるのは死のみなので言うことをなるべく聞くようにしている。買い物を終えスーパーからの帰り道、歩道を歩いていると猫が飛び出してきた。ちょうどそこにトラックが突っ込んできた。たぶん猫が見えていなかったからだろうが、スピードを一切落とさず猫が轢かれそうになった時、晴香が猫をかばおうとして車道に飛び出していった。俺は気づいたときには体が動いていた。まとめると猫をかばう妹、をかばう兄である。ここで妹と猫を救えれば悔いなく成仏できたのだが、妹と俺は死亡、猫だけが助かったのである。俺はこの時、自分の不甲斐なさに反省し、せめて最後に妹の願いを叶えてやって欲しいと初めて神頼みをした結果その声が晴香にとどいたのか解らないが、あの現状を見れば大体想像がつく、たぶん秋兄と二人きりになりたいとかそんなところだろう。こうして異世界に転生したというわけである。
これから晴香と一緒に生活するのは、苦難の連続だと思うが、死なないように頑張ることにしようと、一人心に決めて生きていこうと思った。
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