番外 クリスマス事変
早く本編書けって言わないでくださいね…
頭空っぽにして読むと幸せになれるかも。
あくまでも今回は番外なので今後キャラ達の性格がこうなるとは限りません。
この世界は本当に存在しているかもしれないししていないかもしれない。本当に起きた出来事かもしれないし起きていないかもしれない。そんな世界でのお話。
ただ一つ言うことがあるとしたら、きっと彼は恐らく多分幸せな生活を送っている…かもしれない。
ーふらじーるらいふ〜はかないあなたにわらいを〜ー
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「ただいま〜って暗い!?」
今年高校1年生になった僕、恋仲幸多はさっきまでクリスマスの買い出しに行ってたんだ。それで帰ってきた訳だけど… 部屋がすごい暗いんだよね。姉さんがいるはずなのに…
「おかえりなさい…幸多…」
「姉さん、どうしたの?」
姉さんは部屋の中央にいた。部屋が暗いことと、前髪で顔が隠れているため表情はわからない。
「今日は何の日かわかる?」
「今日はクリスマスだけど…」
「そう!クリスマスよ!クリスマス!街中にリア充が蔓延る最悪の性なる日ッ!普段男どもは家に籠ってるくせに何で今日に限って部屋から出てくるのよ!畜生ッ…ど畜生ッ!」
姉さんの言ってた通りクリスマスには男たちは家から出てくる。彼女を連れてね。だからそれを羨んでるんだろう。
「姉さん… ど畜生なんて言葉使っちゃダメだよ…」
「お畜生ッ…!」
「そういう問題じゃないよ… 取り敢えずカーテン開けるよ」
カーテンを開けることで部屋に光が射し込む。うわっ…骸骨とか置いてある… こっちの本は、猿でもわかる黒魔術って表紙に書いてあるし。呪う気満々だね。
「あァァァ!幸多、やめて!外の世界は私には眩しすぎる!」
「ああ、ほら落ち着いて。大丈夫だから」
姉さんを慰める。そうしていると扉の方から声が聞こえた。
「ふふふ、姉さんは無様ですね」
「そ、その声は… 」
「美華!」「ミカァ!」
「まあ高3になっても彼氏がいない姉さんですし仕方ありませんか」
「ぐ、ぐぬぬ。そういう美華はどうなのよ!」
「私には有象無象の男共と付き合う必要はありません。なんて言ったて兄さんがいますから… あぁ、兄さんと2人きりのクリスマス…うふふ、最高ですわァ!」
美華の独り言は続く。
「「ああ、美華。君は本当に美しい。雪よりも白く綺麗な肌、光り輝くイルミネーションよりも眩しいこの黄金の髪、僕は美華の全てが好きだ。今夜、僕の気持ちをプレゼントしよう」なんて言われて…ふふ、2人は仲良くごーるいん… うふふふふ… ジャスティス!」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!幸多がありなら私だってそうよ!それに私だって今日のクリスマス会に参加するんだからね!勝手に2人だけでやらないでよ!」
「ほんと姉さんは仕方がないですね。特別に姉さんの部屋から一歩も出ないで眺めることは許します」
「そんなの参加出来てるなんて言わないわよ!」
「はあ… 2人とも落ち着いて。美華も姉さんを混ぜてあげて、ね?」
「兄さんが言うなら仕方ないです…」
「うぅ… 幸多ありがとぉ… 姉の威厳ゼロだよぉ…」
それは割と昔からだと思う、そんな言葉は口にはしない。
「とりあえず用意しちゃお。手伝ってね、それにそろそろ…」
ピンポーンとインターホンの音が鳴る。
「お、噂をすれば何とやら。ちょうど来たみたいだ」
訪問者のこの部屋に招く。
「えへへ、来ちゃった」
「帰ってください」
「酷いよ美華ちゃん!」
「いらっしゃ〜い詩音ちゃん」
知っての通り、彼女はお隣さんで幼馴染の如月詩音だ。毎年こうしてクリスマスパーティーに招待している。そして詩音が来る度に必ず美華が帰ってくださいって言う。どうしたら仲良くなれるのだろうか…
「お邪魔しまーす」
「うん、いらっしゃい詩音。早速で悪いけど飾りつけとか姉さん達と一緒にやってくれないかな?」
「うん、任せて!」
女性3人に飾りつけは任せる。やっぱり女性はセンスがいいからね。僕はよくセンスが独特って言われるんだよね。今着てる服はあまりかっこ良くないからそれで外出ないでって言われるんだよ… お気に入りの服なのに…
前面にさーろいん、背面にぽーくそてーって文字が書いてあって、それぞれ料理と牛と豚の絵が描いてあるんだけど可愛くない?わからない?そっかぁ…
だから僕は料理担当だ。料理は楽しいし、それに姉さん達が喜んでくれるから作り甲斐があるし。男の手料理ってのはこの世界ではやっぱり価値が高いんだね。
時間はたっぷりあるからたくさん作ろう。料理は時間と手間をかけるだけ美味しくなるからね。パンは買ってきたからシチューにフライドチキン、あとローストビーフとか色々作ろう。ケーキもフルーツ多めの豪華なケーキにして…よし早速作ろう!
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気がつけば夕方だ。料理も作り終わったし、姉さん達の飾りつけも無事終わったみたいだ。あとは母さんと薫さんが帰って来るのを待つだけだね。
「う〜んいい匂い。あはは、お腹空いちゃった…」
「そうだねー 早く帰ってこないかなー」
「うふふ、兄さんの手料理… うふふふふ…」
詩音と姉さん、美華がキッチンの料理を見に来た。
「おお、豪華だね!けどこれだけで足りるかな…?」
詩音が自身のお腹を撫でながら言う。彼女は元々大食いだ。今お腹が減っていることもありこれだけでは料理が足りないだろう。
その言葉を聞いた愛美と美華の脳内にある予感が浮かぶ。
(あれ、もしかして殆ど食べられちゃうんじゃ…)
(兄さんの手料理が減ってしまう… これを食べていいのは私だけのはずなのに)
そして互いに顔を合わせる。瞬時に互いの意見が同じということに気づく。すると愛美は一歩前に出て詩音の肩を叩き口を開く。
「クリスマスには気をつけろよ」
「え?」
愛美が詩音の右肩を、美華が左肩を掴み玄関へと連れて行く。
「へ?ちょ、まっ待って!待ってよ!ああああぁぁぁ…」
徐々に小さくなっていく詩音の声、あまりにも早すぎる姉と妹の連携に何も出来ない幸多だった。そしてようやく助けなきゃと気づいた幸多が玄関に向かうも既に遅かった。
「「解放」」
『ほんげぇぇぇぇぇぇ!!』
詩音は瞬時に家から追い出され、珍妙な断末魔を上げる。街を、きゃっきゃうふふと練り歩く幸せなカップルが夕方故に、大量に発生していた。彼女もまた、彼氏いない勢の1人であった。さぞその光景は心に響いたのだろう。断末魔が消えて時間が経つが外から物音が1つも聞こえない。
「やったか…!?」
「よし!」
「よし!じゃないよ!早く助けなきゃ…」
玄関を開け、物言わぬ死体と化した詩音を部屋に運んでいく。
「ああ、どうしよう!起きないよ…」
「はあ、しょうがないわね。AED持って来たわよ」
「わあ!ありがとう姉さん」
「ふふ、どういたしまして。それじゃ使うわよ。…キャストオフ!」
な ぜ 脱 い だ。突然愛美は自身の服を破く。
「ちょちょちょ、何で自分の服破るのさ!」
「ほら、早く離れてください。AED使うので」
「あ、うん… って何で美華も脱いでるのさ!」
「何故って…それは兄さんの周りをうろちょろする雌犬の裸を見せたら兄さんが汚れてしまうから、私のを見てもらおうと…」
「答えになってないよ!」
「うふふ、意味はありませんわ。ただのお茶目ですの」
「お茶目で脱がないでよ!」
「よーし、皆離れたわね。AEDセット!出でよ、シェ○ロン!」
「何でシ○ンロンなのさ!AEDは何の為なんだよ!」
『願いを言え』
「本当に何か出てきちゃったよ…」
出てきたのは緑の龍では無かったが、何か神々しさを感じる生き物が現れた。
「兄さんのパンツをください!!!」
『承知した… 後で少し私も嗅ぎたいかなーなんて…』
「あぁ?」
『あっはい、すいません。帰りますね』
よくわからない生き物は帰って行った。その際1枚の布切れを残して。そして布切れはひらひらと舞い詩音の顔に落ちた。
「うっひぉおあぁぁ!!!」
無事生き返った模様。
「よかった…のかな?ってこれ本当に僕のパンツじゃん!」
「うぇっひひ!やった!やった!今夜はパン勝だ!」
狂喜乱舞し幸多のパンツを振り回す詩音。蘇る際に色々な物を黄泉に置いてきてしまったようだ。
「あぅぅ… や、やめてよ!振り回さないでよ!」
「お、おのれ雌犬め…許すまじ!」
「詩音ちゃん、早くそれを私に!」
「ただいまー …どういうことなの」
「お邪魔するよ …なにこれは」
裸の女子2人とパンツを振り回し走る女子、それを涙目で追いかける男子の図は考えることを放棄させる程インパクトのあるものだった。
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「色々あったけどメリークリスマス!来年もまたこうして皆でパーティーしたいね」
幸多の言葉に全員が頷く。気持ちは皆同じだ。故にこのパーティーは皆が集まれる限り必ず開かれるだろう。来年も再来年も楽しみだ。確かな幸せがこの小さな空間にはあった。
※この作品は激しいキャラ崩壊の要素を含んでいます。それらが苦手な方はブラウザバックして、キーボードにスライムをぶちまけてからしっかりとゴミを取り除き綺麗にした後、モニターを真っ二つにしてゴミとして捨てましょう。
※部屋は新年に備えてしっかり綺麗にしましょう。筆者の部屋は汚いです。
※書いている筆者もよくわかりません。考えないでください。感じろ。
※どうしてこんな話を書いてしまったのだろう。
※AEDは遊びで使ってはいけません。