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「うわ!やばっ、今日入学式じゃん!なんで誰も……あ、そっか弟は中学校の生徒会役員だから先に行ってると思うし、親は海外旅行だった!じゃなくて!はやく学校行かないと!」
私は瑠奈高校生活初日で寝坊をしかけた私です
え、寝坊したんじゃないの!って思うかもしれないけど、こうみえて時間はまだ6時……あ
7時15分!?
いやいや、なにかの見間違いかもしれない……のわけないか。
わかりましたよ、ちゃんと急いで支度しますよ
季節は春
この時期はワクワク感と不安の気持ちで胸の中に入っているだろう
その不安感は桜が吹き飛ばしてくれる
まるで桜が不安感を吸いとるように……
そんな優しい桜はみんなの不安を吸いとりすぎて爆発してしまった
物理的な爆発ではなく人々には気付かれない爆発だった
桜もまた誰かにこの不安を気付いてほしかったのだろう
でも爆発してしまってからは手遅れだ
その桜はどうなったかって?
さぁ?どうなったのだろうね……この先は僕にもわからない
今度お姉ちゃんに聞いてみるよ
お姉ちゃんはあんな明るすぎるお姉ちゃんだけど、中身はすごく優しいから、この桜の気持ちがわかるかもしれない
なんてね、お姉ちゃんはそこまで器用じゃないからね
それより、僕がどうして桜が爆発したのがわかるのかって?
なんでだろうねー
きっと僕が############
「あれー、どうしてそんなに急いでるの?瑠奈」
はや歩きしてまで急いでいた私に話しかけたのは中学校のときからの同級生の玲奈だった
「なんで急いでいるのかって?入学式当日ははやく行った方がいいでしょ!式の最中に途中入場とか嫌だよ」
と私が玲奈を抜かして前に進んでいた
そんな玲奈は私をみて、なにかを思い出したように
「高校ってここから近いからそんなに急がなくても今の時間なら普通に間に合うよ」
ケロっと軽く言っていた。え!?おもいきり驚いて後ろを振り向いてしまった
「え、瑠奈もしかして……距離のこと気にせずに出たんだね。ヤバイ笑ってしまう」
笑ってしまうとか言いながら普通に笑ってるし!
なんなの!別にいいじゃないか
「いいじゃん!早く出ても損はないじゃん」
「瑠奈必死すぎ、あー、ヤバイ涙まで出てきたわ」
きっと私の顔は少しだけ赤くなっているのかもしれない
玲奈は……あ、本当に涙出てる でも笑ってるし
でも、人の純粋な笑いはすきだ
だから悪い思いはしてないのだけど、玲奈の場合笑いすぎと思うのは私だけじゃないと思うのだけども
なんて、思いながら桜を見ていたら知っている人を見つけた
それは誰かって?
「瑠奈、あれもしかしたら瑠奈の弟くんかもよ」
「あ、うん知ってる」
そう私の弟、紹介してあげるよ
「あ、お姉ちゃんー!!」
弟の錬中学三年で生徒会の副会長らしい、いまの雰囲気だとわらからないと思うけど、あれでも副会長になれたらしい
子どもっぽいとこもあるけど、少からず端から見たら、私が妹って思われるぐらい大人っぽい……悔しい
「錬くん、お久しぶりだね」
「あ、玲奈さんお久しぶりです。相変わらずお姉ちゃんと仲良くしてくれてありがとうございます」
ほらここ!敬語!だから錬が大人っぽいって言われるんだよね
最近の姉である私の悩みです
「それより錬、生徒会のなんとかがあるから先に行ってたんじゃないの?」
「そうだよ、中学校も今日が入学式だからこうやって見回りしてるんだよ、挨拶運動みたいなものかな?」
中学校の入学式で見回りにここまでくるのかな?最近の教師は生徒会にばかり頼ってるね……多分
「じゃあ、僕そろそろ戻らないと。お姉ちゃん、気を付けてね」
「分かってるってそこらへんで事故るような人じゃないから安心して」
私がそう言うと錬は微笑んで去っていった
それを見てた玲奈は
「本当に仲の良い姉弟だね、あんな仲の良い姉弟ふつういないよ」
「うーん、そうかもね、だから寂しくないのかも」
よくよく考えると家にあんまりいない親のかわりに錬がいた
もし錬もいなかったら、きっと私は寂しかったはず
「そろそろ学校行こうか!」
玲奈は笑顔でそう言ってきたので私も笑って頷いてあげた