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プロローグ ???
「…………」
暗い暗い闇、一人で迷い込んだならばすぐに気が狂ってしまいそうな程の黒き世界が広がる。現実ではありえないそんな世界に、
「…………」
一人の少女が座り込んでいた。
膝の間に顔を埋めた少女。闇が少女を包んでいるが、少女は生きているかさえわからないほどに動きがない。
今までどれほどそのままだったのか。これからどれほど続くのか。誰にも、それこそ少女にもわからないまま時間が進んでいく。
果たしてどれだけたったのかはこの暗い世界ではわからない。しかし、その時は突然やってきた。
「……来た」
少女が呟くと同時に闇の一部にヒビが走る。光を放つヒビはあっというまに世界を侵食していきーーーーーー
「……さあ、始めよう。私達の幻想を」
ガラスのように闇が砕け散り、白き世界で光が少女を包み、姿を照らし出す。
黒い髪に黒いワンピースの人形のような、作り物のように美しい少女は、光に包まれて白い世界から消え去った。