委員会に入りましょう
朝千香ちゃんと一緒に登校したかったのに、寝坊してしまった。
急いで準備したけど、千香ちゃんは先に行ってしまっていて、小走りで学園に来た。
朝から美少女をじっくりネットリ眺めないと、元気が出ないのである。
学園に着くなり、すでに登校していた千香ちゃんの机に引っ付いて、千香ちゃん今日も可愛いなと鑑賞。
今日も一日頑張れそう!
「おはよう」
「おはよ、もう少し早く起きなさいよ」
フイっと顔を逸らして、拗ねてる姿もいいですね。
和むわー、と観察していたら、こちらを横目で見た後、
「未希、あんた風紀委員になりなさい」
「ふへ……?」
居丈高に告げた。
が、私からしたら、いきなりなんの話?状態である。
私が全然理解していないことを察した千香ちゃんは、嘆息した。
「今日は委員会を決めるって昨日担任が言っていたでしょ。その委員として風紀に立候補しなさいって話よ」
「なんで風紀?」
別に私はやりたい委員会なんてなかったからなんでもいいけど。
でもでも、もし入るならもっと楽そうな委員がいいなっていうのが本音です。
風紀ってなんだか大変そうだもん。
少し偉そうにしていた千香ちゃんの視線が泳ぐ。
「兄さんは一年生の時から風紀委員で、今年もなる予定なのよ。それで……」
「わかった、入るよ!」
了解、納得なのである。
承諾の返事は間髪いれずに、即返答。これ基本です。
さっきの一言で、ブラコンの千香ちゃんが葵先輩と同じ委員会に入りたいってことが分かる。
でも一人だと心細いから私も一緒に入ろうっていう気持ちがさっきの台詞には詰まっていたのだと、私は理解した。
千香ちゃんと同じ委員会に入れるなら、多少大変な仕事があったとしても風紀委員になってみせよう。
「ありがとう、これでお菓子の材料買ってもらえるわ」
私も同じ委員になるという意思を聞いて安心したのか、嬉しそうに微笑んでくれた。
美少女の笑顔、眼福です。
……けど、お菓子の材料ってどういうこと?
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結果を言うと、風紀委員の座を千香ちゃんと共につかみ取った。
女子の立候補者が他にも数人いたけど、無事勝ち抜いたのである。
私たちが勝ち上がれたことは、きっと千香ちゃんと私の愛が成したの偉業なのである。
愛は必ず勝つのだ。はっはっはー。
「後日顔合わせがあるから、各委員は忘れず行くように」
と、クラスの各委員が決まり担任がそう締めくくった。
千香ちゃんが覚えてるだろうから、私が忘れても大丈夫ですね。
本当、千香ちゃんと同じでよかった。
もし他の人とだったら、忘れちゃって仕事できなかっただろうし。
コメディーのジャンル別ランキングに入っていて、嬉しくて飛び上がりました。
読んでくださっている方、評価してくださった方、本当に感謝です。ありがとうございます。今後も頑張るのでお付き合いお願いします。