待ちに待った、この日
お待たせしました。小学生の頃の話から続きを書くことにしました。
のんびり更新です。
「ついにこの日がきたー!」
記憶を思い出してから、どれだけ待ち望んでいただろう。
高校の入学式。ゲームの開始と同じ時、同じ場所。
この学園にヒロインはいるのだっ!
目一杯愛でるのだ!
「入学式前の正門で叫ぶな」
一緒に来ていた千香ちゃんに怒られた。
正しくは、私の頭にチョップされた。痛い…。
わかってるよ。私がヒロインばっかり構うかもしれないから怒ってるんでしょ。
千香ちゃんのこともちゃんと愛でるよ、大丈夫だよ。だって千香ちゃん大好きだもん。
「大丈夫だよ、浮気しないから。千香ちゃんのこと好きだもん。だからチョップやめよう?今新たに構えた手を下ろしてー!」
「朝から変なことばっかり言ってるんだもの。とうとう頭おかしくなったんでしょ?私が叩いて治してあげるわよ」
「昔のテレビじゃないんだから。きゃー!千香ちゃんが怖いよー!」
本気の目をしていた。怖い、ガクブルガクブル。
「ほら、さっさと行くわよ」
「了解なのであります」
視線で威圧しながらの千香ちゃんの言葉に、すぐさま敬礼して従う。
ただいまの私は千香ちゃんの家来なのである、気持ち的には。恐怖政治に逆らうなんて命知らずなことはしないのである。
さて、入学式前に確認しなければならないことがある。
そう、クラスだ!
千香ちゃんとヒロインはゲームの中では違うクラスだった。けど、現実ではどうなっているのだろう。
というか、そもそもヒロインが本当にこの学園に入学しているのか、という問題もある。
まあ、ヒロインがいなくても千香ちゃんがいるからいいけどさ。千香ちゃんマジ可愛い、えへへ。
小学生の時から美少女だったけど、高校生になった今、千香ちゃんの儚げ美少女度は成層圏を突き抜ける程高い。
日本人らしからぬ色白さだが、頬や唇の血色が良いから病的という印象を受けない。真っ直ぐ伸びた黒髪ロングで、体は押せば折れてしまうのではないかと思うほど細い。美少女であるから印象に強く残るのに、フッと消えてしまうのではないかと思わせる危うさがある。
一方、中身はゲームの時同様、素の時は非常に口が悪い。そういう時は外見のイメージと違うので、すごいギャップを感じる。まあ、普段は猫被ってるから口の悪さが気になることは少ないけどね。
その要素もまた萌えるのだよ。ぐへへ。
あとゲームの時のような極度のブラコンは回避した。ちょっとお兄ちゃん大好きっ子だ。
ブラコンであることに違いはないのだけどね。
クラス表を確認したら私と千香ちゃんは同じクラスだった。
これってきっと運命の赤い糸で繋がってるってことだよね。ぶへへ。
嬉しくて笑ってた私のことを、千香ちゃんはかわいそうな子を見るような目で見ていた。
……なぜ、伝わったんだ。
その時、一緒にヒロインの存在も確認した。
ヒロインの愛咲美鈴の名前は、隣のクラスに書かれていた。
先ほどまでの心配は杞憂に終わったということである。
ということは、だ。
今年は私にとって高校生活を大きく左右する年になる。
千香ちゃんの役割を私がこなし、友情を築ければヒロインと仲良くなれる。
ヒロインと千香ちゃん、まさに両手に花である。
「頑張るぞーっ!!」
「うるさいっ!」
千香ちゃんに怒られながら、私は改めて今年の健闘を決意したのである。
……横からビシバシ感じる千香ちゃんの視線が怖い。涙目。
ブタネコっこは、あまり乙女ゲーしたことないので分かりにくいところがあると思うのですが、生温い目でスルーして下さい。