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立候補。私ライバルキャラやりたいですっ!  作者: 星ヶ里のブタネコ
6月

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28/99

助けてください 1

ヤバいです!ピンチです。

危機的状況、絶体絶命。私の命は風前の灯火、余命一日です!


何が起きているのか順を追って説明することで、慌てて未だ混乱中の心の整理と、色々なモノが散乱して積み上がってグチャグチャになって窒息死しそうになっている頭の中の私の救出をしようと思う。

後半の説明が支離滅裂で理解できないかもしれないが、今の私の状況はそんな滅茶苦茶な状態なのである。



遡ると、ことの過ちに気が付いたのは昨日の朝のことである。


何の用事もない土曜日。

めったに開くことのない手帳を、なんとなく手に取って開いたことが始まりである。


あまり開かないこの手帳には、買ってすぐに学校の年間行事と千香ちゃんとの記念日だけを記すようにしている。

初めて家に呼んでもらった日、初めてお泊りした日、名前で呼び合うようになった日など色々な記念日があるから書いておかないと分からなくなってしまうのだ。


こういった記念日には、その時のことを回想してヌフフと思い出し笑いをする。さらに、お財布が肥えているときならばケーキを買って一人でお祝いするのだ。まあ、お財布がおデブさんの時なんてめったにないけどね。

千香ちゃんとの出来事はどれも大切なのである。へへっ。

っと、脱線してしまった。


手帳を開け、今月のページを見て驚愕した。

今日は土曜日。明後日は月曜日。

その月曜から定期試験と書いてあるではないか!


授業中は寝てばかり、先生の言うことも右耳から左耳に垂れ流している私は、その存在を失念していたのである!


このままではマズイ!

勉強しなくては!

でも、試験範囲は一体どこなの?!

ろくに授業を聞いていない私には範囲どころか、やっている勉強の内容すら分からない。


まっさらで綺麗な教科書を広げて茫然としてから、どうしようかと内心焦るだけ焦って、最終的に教科書を窓から投げ捨てようとするというパニックを起こした後で、気が付いた。

範囲がどこからどこまでなのか、千香ちゃんに聞こう!

試験範囲のページ数だけ教えてもらって、今から二日でその内容を覚えられるだけ覚えて試験に臨むのである。


そうと決まれば、行動あるのみ!

休日は携帯をあまりチェックしない千香ちゃんにメールを送るよりも、そこまで遠くないのだから直接家に行った方が早い。


教科書と筆記用具だけ鞄に詰め込んで、千香ちゃんの家に走った。

そして着いて早々、定期試験があることをさっき思い出したことを説明してから、頭を床に擦り付ける勢いで、試験がどこからなのか教えてほしいと頼んだ。


その場には千香ちゃんと葵先輩がいて、千香ちゃんにはもっと計画性を持って試験勉強しなさいと怒られ、葵先輩には苦笑された。

計画性を持てというのは確かにその通りだと思う。自分ですら自身の計画性のなさにビックリしている。


そういえば、中学生になったばかりの時にも同じようなことをして千香ちゃんに怒られた気がするな、とちょっとだけ遠い昔を思い出した。

わかっている、これは現実逃避だ。

やらなくてはいけないことだらけで忙しいのに、部屋の掃除がしたくなってしまうのと同じ心理である。


そんな逃避から、西川兄妹が引き戻してくれた。

二人が私のために勉強を教えてくれるというのだ!


迷惑ではないかと遠慮したら、もう二人はテスト勉強が済んでいてこの週末をゆっくり過ごす予定だったらしい。

さすがである。ゆとりを持って日々勉強している人たちは私とは格が違った。


しかも泊っていいから、明日も勉強に付き合うと言うのだ。

なんて有難いことだろう。

後光が差している。眩しい!この二人は私にとって神様に違いない!


と、私の教師役を二人にお願いしたのである。

これが昨日のこと。


二人とも教え方はすごく分かりやすい。アホな私でも分かるように噛み砕いて教えてくれるのだ。

だけど、さすが兄妹。二人とも超スパルタでした。血の繋がりを感じたよ。


千香ちゃんは内容の説明をしたら、さっさとやりなさい、と問題をドンドン解かせていくタイプ。

けど、解いても解いても休む暇なんて与えてくれない。

って、そもそも私には休んでいい時間なんてありはしないんだけどさ。


それでも机に向かっているのが嫌になって、千香ちゃんのもとから葵先輩のところに数回逃げた。

すると、はじめは勉強が嫌になってグズグズしている私を葵先輩が慰めてくれるのだけど、なんでだかいつの間にか問題に取り組むことになっているのである。解せぬ。

それでハッと気が付き、またグズグズして文句を言いだすと先輩は聞いてくれるのだけど、やっぱりいつの間にか問題を解いている私がいるのだ。どうなっているんだ、本当に。

葵先輩は笑顔で誘導するのが上手すぎると思う。策士なのだろうか、いや魔法使いか何かなのかも。


そして葵先輩のところで暫く勉強してから、どうせ教えてもらうなら千香ちゃんがいいな、と思い至り、戻って不休の学習を再開するのである。

近年稀に見るほど勉強していると思う。少なくともこんな濃密な勉強をしたのは初めてである。



これだけ勉強しているんだから、テストでは良い点とれるといいな、と思う。

というか、良い点とらないと私は二人に申し訳ない。ここまでしてくれたんだから、頑張らないとね!

でもさ、ちょっとくらい休憩しない?脳細胞の使い過ぎ、オーバーヒートで蒸気が出そうだよ。




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