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リビティウム皇国のブタクサ姫  作者: 佐崎 一路
第三章 学園生ジュリア[13歳]
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姫君の呪いと魔物使いの失敗


『なかばかすんだ目をもう一度王子の上にむけたかと思うと

 姫は身をおどらせて海の中へとびこみました。

 すると自分のからだがとけて

 あわ(・・)になってゆくのが感じられました』


    ――『アンデルセン作「人魚姫」』(大畑末吉訳)――




 ◆◇◆◇




「――ふう。ヤバいヤバい。まかり間違ってジル嬢ちゃんに指一本触れたり、かすり傷ひとつでも付けたら、確実にレジーナに大目玉を食らうからなぁ。さっさと避難させて正解やわ」


 ワザとらしく、かいてもいない汗を拭いながら、巨木の先端付近から横に伸びている枝に中腰で座った姿勢で、胸をなで下ろす仕草をする謎の行商人――自称『シルエット』。

 その台詞を聞いて、幹を挟んだ隣の枝に座った白猫の獣人少女シャトンが、ぴくりと片眉を上げる。


 そろそろと視線を移動させ、怒っているというよりも「なんで私はここにいるのでしょう?」と疑問符を多量に浮かべた顔で、上の枝から縄で簀巻き蓑虫のようになってブラブラと隣に浮かんでいるジルの全身を、上から下まで無遠慮に確認して首を捻った。


「……指一本どころか、連れてくる途中で思いっきり腰だのお尻だの触りまくっていましたし、かすり傷どころか“バイパー・テイル”のせいで、服を含めて全身に切り傷満載ですけど?」

「………」


 冷静な指摘に細い目を泳がせたシルエットは、今度こそ脂汗をダラダラ流し始める。


「はっはっはっ、昔から、バレなきゃイカサマも犯罪もセーフだという言葉があるような……ないような?」

 誰にともなく言い訳しながら、背中の荷物の中からボヘミアガラス風のやたら高価そうな、薬か香水瓶のようなものを取り出した。


「ちゃららーん、“万能蘇生修繕薬”っ」


 そのまま事前説明もなく、いきなり瓶を逆さまに振って、無色透明な中身を身動きの取れないジルに向かってかけるシルエット。

 途端、透明な飛沫が少女の全身に降りかかると光を放ち、まるで映像の逆再生のように、全身に刻まれた傷は勿論のこと、ところどころ切れて際どい状態になっていたドレスの破れまで、見る間に塞がって行き、ものの数分で肌も服も新品同様となったのだった。


「えっ?! なんですのこれっ! こんな霊薬(アムリタ)、見たことも聞いたことすらありませんけれど、どうやって手に入れたのですか?」

「そんな便利なものがあるのなら、量産してまっとうに稼ぎましょう、ボス」

「いやぁ……残念ながら、いまでは喪われた秘薬ですからなあ。同じものは旧世界の遺跡か超帝国の宮殿くらいにしかないでしょう。自分もレシピは知りませんし」

「――ちっ、使えませんね」


 冷ややかな目つきでシルエットを横目に睨むシャトン。

 そんな彼女を珍しいものでも見るような目で見つめるジル。


「あの…商人さん。こちらの方はお知り合いですか?」

 歯に衣着せぬ物言いは、ずいぶんと親しげであるが、家族や身内というには、どこか余所余所しいものがある。


 シルエットが答えるよりも先に、シャトンが勝手に自己紹介をはじめる。

「初めまして。謎の秘密結社『よろず商会』従業員で、主に魔物使い(ティマー)をしているシャトンといいます。年齢は14歳で好きな男性のタイプはお金持ちです。基本、金があれば他の条件は無視します」


 臆面もなく言い切るシャトンの向こう側で、シルエットが「それは表向きで、うちの組織の名前は『ゾンダーリングネスト』なんだけどなあ」とボヤいていた。


 振り返るシャトン。

「古参の従業員からは、正式名称は『荒羅覇々鬼(アラハバキ)』だと聞いているのですが?」

「……そういう中二病を患ったネーミングセンスはお嬢、いやなんでもない……忘れて、自分が名づけた『ゾンダーリングネスト』で覚えておけば問題ないわ」

「『変人の巣窟ゾンダーリング・ネスト』っていうのも大概だと思いますけど。というか、ぶっちゃけ不愉快な仲間にカウントされたくないので、引き続き『よろず商会』従業員で、以後お見知りおきを。ちなみに商会では揺り籠から邪神まで何でも取り扱っています。人気商品は“眠らなくても疲れを感じない薬”ですかね」


 改めて頭を下げるシャトン。普通の人間なら無理やり誘拐された挙句、巨木の上に宙吊りという不条理なこの状態で、ぬけぬけと挨拶されても錯乱するか、もしくは怒りの矛先を向けるところであろうが、

「……はあ、初めまして。私はいちおう帝国貴族のジュリア・フォルトゥーナ、13歳です。好きな男性のタイプは……え~~と、優しくてきちんと私だけを……あ、いえ、特にありませんわ。あえて言うなら、好きになった相手がタイプですわね」

「ほほう。帝国貴族ですか。ひょっとしてお金持ちで? ……ああ、やはりそうですか。ぜひお友達になりましょう。なんならこの場で、お近づきのしるしにボスの首を差し上げますけど?」


 清々しい程下心満載――無論お金目当て――の態度でもって、いきなり寝返るシャトン。


「マテコラ!!」


 当の本人のツッコミもどこ吹く風。120%本気の目つきでの提案を受けて、ジルは困ったような顔で首を傾げた。


「お気持ちはありがたいのですけれど、信頼関係を裏切るのはよくありませんわ。そもそも殺すとか首を取るとか物騒な……第一、商人さんはそんなに悪い人ではないと思いますけれど?」

「いえ、悪い人です」


 この期に及んでなお、ツッコミどころ満載な発言をしているジルに対して、間髪入れずシャトンが一刀両断に斬って捨てる。


「具体的には世界一悪い人です。恒久平和、天下太平といえば壮大な夢物語ですが、コレを倒せば全部済むという、馬鹿みたいに卑近な話なのです」

 無表情ながら、妙に真に迫った口調で力説するシャトン。


 勧善懲悪二元論――この世に悪の元凶がいて、これを倒せば悪が滅びるとか信じられないけど……と口の中で呟きながら、その語り口に促されたジルが、ちらりシルエットの方を見る。


 と、槍玉に挙げられた彼の方は、可哀想なものを見る目で部下のネコ耳少女を背後から見ながら、片手を頭の脇に置いてクルクル回していた。

『この娘はちょっとオツムが弱いんだわ』


「……ははあ。イロイロと大変ですわね」

 ジルは深い同情を込めた視線で、それに応えるのだった。




 ◆◇◆◇




『神童』などと御大層に持ち上げられてはいるけれど、その実、自分のアドバンテージは多少他人より記憶力が良いことと、〈雷〉と〈地〉2系統の魔術に対する素養があること。そして、わずかばかりの治癒術に対する適正があるだけの出来損ないだと、セラヴィ本人は思っている。


 通常の魔術――教団では『法術』と口当たりの良い言い回しを使ってはいるが――この素養を持った人間が、通常一系統の使い手なのを勘案すれば、恵まれているようにも思えるが、ひとつの系統の魔術であっても、応用を利かせれば如何様(いかよう)にでも使い道はある。

 例えば〈風〉系統の魔術師であれば、ありがちな風刃(カマイタチ)だけではなく、攻撃パターンを変えて爆風を作るとか、衝撃波を生み出すとか。


 つまりは魔術は種類ではなく、実践できるだけの器用さと、何よりも基本的な魔力量と構成できるだけの制御能力、意識速度がありさえすれば問題はないのだ。


 或いは、自分の魔術師としての技量が、他よりも突出していたのであれば、実力だけで教団の上層部を狙えたかも知れないし、治癒術の能力が平均以上であれば『カトレアの巫女姫』のように、一つの時代を代表する人間として名を残せたかも知れない。


 だが、現実はいつも無情だ。


 自分の魔力量も速度も平均を上回る程度。無論、13歳という年齢で考えれば驚異的なものだが、全体レベルで見れば一流と二流の中間程度であろう。

 幸か不幸か、セラヴィは自分の能力を客観視できるだけの視点と分別を持っていた。それ故に見切りをつけるのも早かった。


 自分の才能は今後の努力次第で、どうにか一流の域に留まれるか……といったところか。まして治癒術においては、初級(コモン)の術を使うのが精いっぱいであり、なおかつ今後の()(しろ)も見込めない――これは【鑑定】の使える神官から、すでに事実として告げられている。


 無論、魔術による測定は目安であり絶対的なものではないが、実際のところ自分でも伸び悩みは自覚している。中級の治癒術を年下の『巫女』が苦も無く使用しているのを見ると、やはり治癒術の使い手としては、自分は既に頭打ちなのだろうと判断せざるを得ない。

 ならばと、魔術の腕を磨く方向で努力を続けてはいたが、数年前までは自分の足元にも及ばなかった同年代の神官達が、徐々にその差を詰めてきて、「二十歳過ぎればただの人」と、陰口を叩かれるに至り、自分の身の程について、改めて自覚せざるを得なかった。


 ――自分は天才でも神童でもない、単に早熟で器用貧乏なだけなのだ。


 迫り来る豚鬼(オーク)の群れを前にして、馬鹿げた威力の魔術を信じられない速度で連発して、息ひとつ乱さなかったあの少女。

 魔術を使うのではなく、魔術の方が足元に跪いているかのような、まさに神に愛されている……としか言いようのないあの天賦の才。比べるのも烏滸がましい、嫉妬する気も起きない明確な才能の違い。


(本物の天才と単なる秀才の違いか。所詮、努力は才能には及ばないってことか……)


 彼女がいなくなっただけで、ずいぶんと心細くなった背中の感覚――意識すると何かが折れそうになる、それを気のせいだと自分に言い聞かせながら――セラヴィは、

「だが、俺にはこれしかないからな」

 そう呟きながら、迫り来る豚鬼(オーク)や、それに使役される小鬼(ゴブリン)達の間を走り回り、手にした(カード)を連続起動させた。


「……このペースだとすぐにカードが尽きるな」


 苦い顔をする少年の背後から、猪豚鬼(ハイ・オーク)らしい牙の生えた毛深い個体が、錆びの浮いた剣を振り回して襲いかかってきた。


(ちつ)っ!」


 解放された電撃が猪豚鬼(ハイ・オーク)の肩の辺りに当たるが、わずかに不快げな顔をしただけで、特に痛手を感じた様子もない。

 そのまま、技も何もない腕の力だけで振り回される剣の軌道を見切って躱しながら、

「1枚だと牽制にもならないか。なら――」

 (カード)を10枚ばかりまとめて起動させる。


「“雷光をたばねる大いなる天龍よ、偉大なる雷帝の御名において眼前の敵を薙ぎ払いたまえ”」


 さらに拐われた少女が残していった、値段の想像もつかない、こんな時でもなければ触る機会もなかったであろう白銀の魔法杖(スタッフ)を構えて、ブーストを掛ける。


「【爆雷(ライトニング)】」

 グン、と魔力が杖によって収束された手応えを感じるのと同時に、(カード)の束を中心として莫大な威力の〈雷〉魔術が発動。太い稲妻が目の前の猪豚鬼(ハイ・オーク)を一撃で屠り、余波で周りの魔物達を薙ぎ払いながら直進する。


 いまだ四方を押し囲む魔物の群れの中で、その方向がぽっかりと空白になった。文字通りの突破口である。

 即座にそこに向かって疾走するセラヴィ。

 恥も外聞もないいっそ清々しいほどの逃走であるが、彼にとってはそもそも勝たない戦に拘泥する理由などない。先ほどまではジルがいたので敵を殲滅できる見通しもあったが、彼女がいなくなった以上この場に留まる理由などない。三十六計逃げるに如かずである。


 なお、この場からの脱出が成功したとしても、その足でジルを助けに行くなどと言う、身の程知らずの英雄願望などサラサラない。勝てない相手に立ち向かうなど愚の骨頂であり、自分にとって一番大切なものは自分の命なのだから。


 それと、付け加えるのならいまの【爆雷(ライトニング)】で、自分の魔力はほぼ空っぽの状態となっている。符術ならまだしばらくは保つだろうが、きちんと段階を踏んだ魔術の実践は難しいだろう。この魔法杖(スタッフ)は確かに高性能だが――剣で言えば一国に数振りしかないような大業物に相当する――持っているだけで魔力が完全回復するとか、無制限に魔術が使えるなどという人知を超えた、ある意味眉唾臭い伝説級武器レジェンドリィ・ウエポンとは違って、あくまで“良い道具”級である。


 それは無論ナマクラよりも、名刀の方が使い易いだろうが、結局、道具は道具に過ぎない。良いカケットのスティックを使ったから確実に試合に勝てるのかという話であろう。


 故にセラヴィは躊躇しない。背中を預けた相手を見捨てることにも罪悪感を感じない。博愛や人道など余裕のある人間に任せておけば良いと割り切っている。『あなたの主義には賛同しないが、あなたがその主義を主張する権利は認める』といったところだ。


(ま、あいつも『嬢ちゃんが目的ではないので、大人しくしていれば何もしません』と言っていたことだしな)


 だから多分大丈夫だろう……と、なぜか必要もないのに自分自身に言い聞かせる。

 もっとも、あの見るからにお人よしそうな少女が、果たして黙って捕まったままになっているかと訊かれれば、思わず眉をしかめて腕組みして首を捻るだろう。


 短い付き合いとは言え――いやだからこそわかる。あの無邪気で信じられないほど心根が優しいくせに、無駄に行動力のある少女が――“囚われのお姫様”という役割を甘受しているとは思えない。こうしている間にもこちらを心配して悶々としていることだろう。


「……無茶をしてなければいいけど」


 なにしろ自他共に認める無気力男である自分でさえも、思わず心配せずにはいられない程なのだから。 

 と、もう少しで囲みを抜けられる――そう思えた瞬間、背中にちりちりとした痒みのようなものを感じて、本能的に身をよじったセラヴィのすぐ脇を、猛烈な速度で岩の塊が通り過ぎていった。


「な――っ?!」


 掠めただけで身体が2~3回転して地面に投げ出されそうになったのを、どうにか片手片膝を付いただけで抑える。

 そのまま険しい表情で、岩の飛んできた方向に視線をやったセラヴィの顎が、阿呆みたいにかぱっと開いた。


 なぜか追撃の足を止めた豚鬼(オーク)達の群れ。まるで潮が引くかのように割れた魔物達の間から、一際巨大で魁偉な魔物の姿が自然に見えた。


 一際巨大な豚鬼(オーク)が仁王立ちしている。いや、それだけなら別に驚かない、これだけの魔物の集団である。『統率個体(リーダー)』がいることは予想の範囲内であったのだから。

 なので、それが他よりも3回りは巨大な豚鬼(オーク)であることも。鋼でさえも引き裂きそうな(いわお)のような筋肉を持っていることも、鼻息が蒸気と化して気化していることも……まあ、だいたいは想定の範囲内と言える。


 ただそれが、

「グフフフフっ、逃ガサナイワヨ。私ノ王子サマ。アナタハ熱イ口付ケデ、私ノ身ニカケラレタ呪イヲ解イテクレルノカシラ?」

 頭にピンクのリボンを巻いて、片目を閉じて(ウインク?)涎を垂らして興奮しながらシナを作っているとなれば別である。


豚鬼(オーク)? 豚鬼王(オーク・キング)……?」


 自分の口からどこか虚ろな声が漏れるのを、他人事のように聞きながらセラヴィが自問する。


豚鬼(オーク)ジャナイワ! 私ハ、トアル国ノプリンセス! ティアナ姫ヨ! 悪イ魔女ノ呪イデコンナ姿二ナタダケナノヨ! ダケド王子様ノキスデ元二戻ルノ。サア、アナタハ私ノ王子様カシラ? 違ッテタライママデ通リ食ウケド」


 舌なめずりをする豚鬼姫(オーク・プリンセス)の言葉に、慌てて脱出口を探るセラヴィだったが、既にその方向には猪豚鬼(ハイ・オーク)が2匹回り込んでいた。


 歯噛みしながら、セラヴィは体内に残った魔力をかき集めつつ、片手に(カード)、片手に魔法杖(スタッフ)を構えて立ち上がった。




 ◆◇◆◇




 魔法具らしい鏡がまるでモニターのように、離れたセラヴィの周囲の光景を映し出し、それとどういう仕組みになっているのかは不明ですが、枝の上に置かれた音叉から、まるで副音声のように明瞭な声が聞こえていました。


 これが手足の自由が利くところでしたら、途中で突っ伏して真っ白な灰と化していたところでしょうが、完全に四肢を拘束された常態では逃げることも、耳を塞ぐこともできません。


 いっそ殺して! と思いながら、私はこの遣り取りを見て、ゲラゲラ笑っているよく似た芸風の上司と部下――商人さんとシャトンとに、半泣きで食って掛かりました。


「なんなんですか、この〝豚鬼(オーク)姫ティアナ“って! 私に対する当て付けですか!? そうなんですね!!??」


「? 人知を超えた事態を前に、混乱しているのはわかりますが、別にこちらが意図したことではありません。勝手にあれが言っているだけです」

 笑いを収めたシャトンが首を傾げます。


「王子様のキスとか、魔女の呪いとかも、全部アレの脳内設定なわけ?!」

「ああ、それは、その……知性を向上させるために子供向けのお伽噺を、コレで毎夜耳元で囁いていたところ、いつの間にかそんな妄想に浸り出したというか」


 コレと言って音叉を示しつつ、てへぺろしながら言い訳するシャトン。


「言葉を覚えたのは成功でしたけど、思いがけない落とし穴がありましたね」


 困ったものです、と悪びれもなく言いながら肩をすくめる。そんな仕草は、上司である商人さんと忌々しいぐらい良く似ていました。


「王子様ノ愛ノ口付ケデ、呪イハ解ケテ、私ハコノ醜イ姿カラ、本来ノ美シイ姿ヘト戻ルノヨ!!」


 魔法の鏡の中で、忌々しげに自分の身体を抱き締め、身悶えする自称〝豚鬼(オーク)姫ティアナ“。


 聞こえる訳はないと思いますけれど、それでも一言、

「それは違うわ。大切なのは見た目の美しさではなくて中身ですよー」


「……説得力が欠片もないような」

「……これほど誠意のない、投げ遣りで棒読みな正論ははじめて聞きました」


 やたら失礼なことを言って頷き合う商人さんとシャトン。

豚鬼姫(オーク・プリンセス)は単体でのランクはB~C級ですが、ほとんど雌が生まれない豚鬼(オーク)にあっては、圧倒的な支配力を持っています。

三毛猫の雄が生まれるよりも生まれる確率は低いです。

あと、どこかで見たような展開なのは気のせいです(遠い目

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