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リビティウム皇国のブタクサ姫  作者: 佐崎 一路
第三章 学園生ジュリア[13歳]
115/337

亡者の回想と守護の首飾り

前半はある意味番外編であり、蛇足ですので必要ない部分です。

ブタクサ姫を純粋に楽しみたい方は飛ばして、二つ目の◆◇◆から読まれることをお薦めします。

 ――夢を見た。


 我は回想する。在りし日に見たその夢の形を……。


 ――鮮烈なほど美しく。


 出会った瞬間、その美しさに心奪われた。


 ――幻のように儚げで。


 まるで現実感のない神話を見ているようだった。 


 ――天上の雪のように気高く孤高で。


 そして理解した、これは決して手が届かぬ崇高な存在であると。


 ――地上に降りた星月のように光り輝く唯一の存在。


 天を人が所持できないのと同様に、どれほど望んでも手に入らない。


 ――この虚飾と汚泥渦巻く地上に咲く一輪の薔薇。


 一瞬の交差しかできないあえかな夢であり、思い出の中の住人なのだと。


 ――それはまさに奇跡。


 だが我は(かつ)えた。あの者を地上に引き摺り落し、そのすべてを我が物にしたいと。


 ――ゆえに私は……。


 ゆえに我は天に反旗を翻し、運命を嘲笑し、世の(ことわり)を超越した。


     ◆◇◆


 その少女を目にしたのは冬も近くなってきた死神の月(11月)。太陽が西に傾き出し、木枯らしの吹く午後であった。


 当時、私が住んでいた町は国内では中規模の城塞都市であり、やや閉鎖的な面もあったが、周辺の地元民にとっては商業、生活の中心地としてそれなりに栄えていた。

 私の父はその都市随一の医術者(パイエ)であり、治癒術こそ使えなかったが、代々薬草学や呪術にも通じた家系であり、貴族でこそなかったが都市周辺においてはそれなりの信頼と畏敬をもって尊ばれ、それなりの地位と財産を持つ町の名士という立場を堅持していた。


 私も幼い頃から父の薫陶を受け物心付くころには一端(いっぱし)医術者(パイエ)助手として、本業以外にも街の有力者として忙しい父を手伝い、場合によっては父に成り代わって治療を執り行っていた。


 あるいは、そのままありきたりの人生を歩んでいたのならば、近隣の富豪の娘でも妻に迎え、正式に父の跡を継ぐなり独立するなりして、あの片田舎で一生を過ごしていたことだろう。

 だが、そんな平々凡々たる人生はある日、突然終焉を迎えた。


 一人の少女と一匹の竜の襲来によって。


 その日、私は父に代わって街に住まう代官の妻の往診を終え、下男に鞄を持たせて歩いて自宅へと戻る途中であった。


(……やれやれ、お盛んなことだ。三十路も半ばを過ぎているというのに、半月に一度避妊薬をご所望とは)

 朝から頭痛がするので診て欲しい。という名目は毎度の事で、入れ替わり立ち替わり若い愛人を作っては火遊びに耽る夫人に、避妊薬を調合するのは日課のようなものであった。

 ついでに言えば、父ではなく私が出向くのも毎度の事で、一~二年前から色目を使われているのは重々承知しているが、さすがに親子ほども年が離れた白豚のような女に欲情するほど女には飢えていない。

 自分で言うのもなんだが、私はかなり眉目秀麗で家柄もよく甲斐性もある……ということで、黙っていても若い女が腰を振って門前列をなす状態であった。


 当時、十代半ばほどと一般的には色気づいてしかたのない年代であったが、そうした事情で女には不自由したことがなく、また仕事柄裏も表も文字通り知り尽くしていた私にとって、女という生き物は恋愛や欲望の対象ではなく、単なる暇つぶしの道具であり取り替えやすいアクセサリーの一種でしかなかった。


 これはなにも異性に限ったことではなく、大抵のことは特に努力することなくこなせた私にとって、この世界は退屈な箱庭であり、諦観と絶望とを生涯の伴侶として、やがては下らぬ愚物同様に汚れ朽ち果てるだけだったろう。そうあの時までは……。


 帰り道、特に目的もなく街中をぶらついていた私は、ふと道端の一抱え程もある石を椅子代わりにして腰掛けている小柄な人物を見かけ、何の気なしに足を止めた。

 もしもこの時、私が気紛れを起こさねばおそらく私の人生は先に述べたように平穏なまま幕を閉じたであろう。だが、その瞬間に運命の天秤は傾き、私は出会ってしまったのだ。


 白いフード付きの祭服(アルバ)のような衣装をまとい、手に豪奢な長い杖を握った人物が、杖にもたれかかるようにして蹲っている。


(女……いや、まだ少女といったところか……)


 フードの影になっていて顔形はわからないが、体型と杖を握る腕の肌の張りからそう判断した。


(それにしても綺麗な指だな)


 肉体労働者は関節が太くなってゴツゴツしているものだし、家事仕事をしている者も水仕事などで皹割れたりしている。手の形を見ればだいたいの職業は見当がつくのだが、この少女の手には一切の汚れも肉刺(まめ)もない、まっさらな赤子のような手であった。

 似たような手を持った女といえば、よほど深窓の貴族の娘か、一晩で金貨数十枚が飛ぶような高級娼婦くらいなものである。


 見た感じは巡礼者のような恰好だが、その割に荷物も持っていない。他の者はさほど注意を払っていないようだが、私の目には非常にアンバランスな……身も蓋もない言い方をすれば不審人物としか映らなかった。同時に僅かばかりの興味が湧いた。退屈な日常にちょっとしたスパイスが加わるかも知れない。

 そう思って、私は怪訝な顔をする下男を置いて、彼女の元に歩みを進めていた。


「――もし。旅の方とお見受けしますが、このような道端に座ってどこか具合でも悪いのですか? よろしければ診察いたしますが……ああ、私はこの街の医術者(パイエ)でして、ちょうど往診の帰りなもので声を掛けたのですが」

医術者(パイエ)……?」


 透き通るような呟きとともに彼女が顔を上げた。

 顕わになったその素顔。


 おそらくは成人に達したかどうかと言う年齢だろう。染みひとつない無垢な大理石のような肌に、華奢な肢体、そしてこの世の美のすべてを集めてなお及ばないのではないかという美貌。


 刹那、己の胸の内から狂しく湧き起こった衝撃と衝動に翻弄され、私はしばし忘我の心地で絶句することになった。

 胸を焦がすような……あるいは内側からチリチリと苛まれるような、もどかしいこの感覚。いまだかつてない感情のうねりが私を翻弄する。


 その感情を理解できず持て余す私に向かって、少女はにっこりと微笑んだ。その瞬間、色褪せて見えたこの世界が、一瞬にして輝きを取り戻したかのように見えた。


「ありがとうございます。ですが、別にどこか怪我をしているわけでも、悪い病気に罹っているわけでもないのでご安心ください。こう見えても多少なりと治癒術の心得がありますから」

「――ほう。治癒術の使い手の方でしたか。それは失礼しました」


 どうにか表面上、平静を装って口がきけたのは日頃の職業意識のなせる業であったろう。だが、そんな態度とは裏腹に、心の中には細波どころか嵐が吹き荒れていた。


「この町へは警告に来たのですが、どこに行っても取り合ってもらえず、やむなく街頭で注意を促したのですが、どなたも信じてくれずに無駄足に終わりそうですので、どうしたものかと思案していただけです」


 深い憂鬱に沈んだ少女のため息に、この胸が張り裂けそうなほど痛んだ。


「警告とは穏やかでないですね? どのような内容なのでしょう。事と次第によっては私がお力になれるかも知れません」

 普段であれば決してしない安請け合いをした。


 その瞬間、私は理解したのだ。


 私はこの少女――いや、このオンナを欲しいのだと。その為ならいかなる代償も厭わない。すべてを犠牲にできるこの感情。すなわち、これが『情熱』であり、『渇望』であり……そして、私の『初恋』なのだと。


「……そう、ですね。信じていただけるかどうかわかりませんが、お話します。間もなくこの町をドラゴンが襲うかも知れませんので、その為の避難と防衛の為の準備をするように、それを警告する為に私は訪れたのです」

「――ドラゴン!?」


 あまりにも突拍子もない話に、思わず確認する声が裏返ってしまった。

 ドラゴンと言えば単体としては魔獣の中の頂点を極める生物であり、知能が低く比較的対処のしやすい亜竜(レッサー・ドラゴン)であっても、人里に下りるようなことがあれば、村落のひとつやふたつは容易く壊滅する脅威である。

 それがこの町に迫っているなどと、確かに普通なら信じられるものではないだろう。衛兵の詰所、冒険者ギルド、都市議会――どこへ訴えてきたのかはわからないが門前払いされるのが当然であり、逆に流言飛語を吹聴する扇動者として、よくぞ捕まらなかったものだと感心したものだ。


「信じられないのも無理はありませんが、これは事実です。若いドラゴン――純血種たる真龍エンシェント・ドラゴンではなく、準竜(コモン・ドラゴン)である赤竜の一体が住処を替え、現在この町を含む周辺一体を縄張りとして住み着いてしまいました。早急に対策を講じないと多くの被害が出るでしょう。私は……積極的に人の世に関わることはできませんが、せめて犠牲を最低限に抑えたく思い、警告に来たのです」


 静かな、それでいて揺るぎない信念に裏打ちされた言葉に、私は反論することもできず……いや、もともと彼女の言葉に反論するつもりもなく、

「なるほど。嘘を言っているようには見えませんね。ならば目に見える形で脅威を実証するしかないでしょう。私の依頼という形で冒険者を雇って、そのドラゴンが住み着いた場所へ捜索隊を出しますので、詳しい情報を教えていただけますか?」

 そう提案すると、彼女は軽く目を見開いて驚いたような顔になった。


「信じていただけるのですか?」

「ええ、信じます」

 実際のところは嘘でも与太話でもよかった。少しでも長く、少しでも傍にいたかっただけなのだから。


「ありがとうございます。私は……スノウと申します」

 立ち上がった彼女が、フードを脱いで綺麗な姿勢でお辞儀をした。

 それが私の運命との出会いの瞬間であった。


 その後、私たちは冒険者ギルドや街の有力者に掛け合い、赤竜襲来の危険性を説いて回ったが、結局のところ誰にも相手にされず、半月後、まったくの無防備な状態で赤竜の襲撃を受け、およそ何の手立ても打てないまま、都市は蹂躙され、私の父をはじめとする多くの命が失われたのだった……。


 だが、正直そのことは私になんら感慨を抱かなかった。むしろ彼女の言を無視した愚か者たちが消え去ったことに溜飲が下がる思いであった。

 それよりも悲痛な表情で、一秒の休みもなく犠牲者を癒してまわるスノウの姿こそ私の胸を打った。


 もう十分ではないか。君はできる限りの事をした。こいつらが苦しむのは自業自得なんだ。だからそんなに苦しまないでくれ!

 そんな叫びにも耳を貸さず、治癒をする彼女を手伝う形で、しぶしぶ私も治療してまわった。


 そうしてどうにか混乱も治まり、一月ほどもすると周辺都市からも援助が届き、ようやく国も重い腰を上げて問題の赤竜を退治するべく、討伐隊が編成されるとの報せが届いた。

 ……そして、スノウは何も言わずに私の前から姿を消した。


     ◆◇◆


 いきなり水面が波打ち、幾何学模様の魔法陣……? 単なる魔法式の羅列……? よくわからない光の紋様が水底を覆ったかと思うと、次の瞬間、爆発したかのように泉全体が猛烈な勢いで天井へと噴射され――あ、バルトロメイが勢いに押されて壁にめり込みました――続いて、底から物理法則を無視した《黒い光(ブラックライト)》としか思えない光の柱が立ち上ります。


 最初はほんの僅かな隙間からこぼれるような光だったのですが、まるで卵を内側から破るようにどんどんと領域を広げて、程なくこの泉全体から放たれる太い柱となり半壊した天井を貫通して、上へ上へと伸びているようでした。


「こりゃ、クララ! お前、何をしたんじゃい!?」


 呆然としている私へ向かってコッペリア(ヴィクター博士)が、謂れのない非難の矛先を向けてきます。


「わ、私じゃないですわ! 何もしていません! 誤解です!」

「お前しかおらんわい――!!」


 決め付けるコッペリア(ヴィクター博士)の頭を、後ろからエレンが抜き身の槍の金属部分――西洋槍ではなんというのかわかりませんけど、日本だと太刀打と呼ばれる場所ですわね――で叩きました。


「違うってジル様が言ってるでしょう、あんた!」


 容赦のない打撃――傭兵団の新人教育でもここまで過激な対応があるかどうか疑問です――に頭を押さえて蹲るコッペリア(ヴィクター博士)に向かって、怒鳴りつけるエレン。


「し、しかしな……」

 涙目で反論しようとしたコッペリア(ヴィクター博士)の顎が、その形のままぱっかっと開いて、声にならない叫びが漏れました。

「――イ、イ、イ、イ、イ、イ、イ、イ」

「「?」」

「――イゴーロナク!?!」


 愕然とした声とこぼれ落ちんばかりに見開かれた瞳が見据える先――黒い光の柱の中央へと、咄嗟に半身に構えて魔法杖(スタッフ)とともに向き直る私。

 目を凝らして見れば、空中に浮かぶようにして黒いボロボロのローブを纏った人影らしきものが、いつの間にか浮かんでいました。


「……これが件の『不死者の王(ノーライフキング)』ですの……?」


 私の呟きに応えるかのように、ローブの首が巡らされ、深い闇の中に沈んだ視線が私へと移動したのが感じられました。


「――くっ!」

 見られただけで気力の半分が持って行かれるような凄まじいプレッシャーに、咄嗟に丹田に力を込めて気力と魔力とを全身に巡らせて抵抗(レジスト)します。


『――ほう』

 微かに感心したような気配が相手から伝わってきました。


『これに耐えるか。人間にしてはなかなかだな』

 虫けらの抵抗を面白がるような嘲笑の波動が伝わってきます。

『我もまだ本調子ではないとはいえ、思いの外、極上の獲物が転がっていたものだ。どれ、その生気と魔力をすべていただくとす――』


 右手を伸ばしかけた不死者の王(ノーライフキング)の動きが、不意に凍りついたかのように止まり、続いて驚愕したかのような感情のうねりが襲い掛かってきました。


「このぉ……!」

 あまりのレベルの違いに、蛇に睨まれた蛙状態で身動きができなかった私ですが、その一瞬の隙を付いてその場から飛び退り、エレンたちを背後に庇える体勢で、その場でできる限りの障壁を張り巡らせます。

 ちらりと振り返ると、エレンは魂が抜けたかのようにその場に腰砕けになって白目を剥き、コッペリアは「落ち着けお前ら。心を平静にして……こんな時どうするか……2…3、5…7……落ち着つくんじゃぞ」瘴気や鬼気の影響は受けていないようですが、完全に我を忘れて混乱していました。


 と、愕然としていた不死者の王(ノーライフキング)の全身から、抑えきれない憎悪――いえ、喜悦でしょうか?――感情の波が暴風のようにあふれ出し、

『そうか……! そこにいたのか!? ――感じるぞ、貴様の中にあるあのオンナの力の残滓と気配をッ!!』

 こらえ切れないように肩から、やがて全身を震わせはじめました。


『――だが、なんだその姿は? ずいぶんとみすぼらしい、貧相な見掛けではないか。興醒めだな』


 ほっといてください! なんでいきなり百年前に封印されたバケモノの親玉に頭ごなしに否定されないといけないんですか!? そんなにブタクサなのが悪いんですか! 最近、けっこう「綺麗」だとか「美人」だとか言われてましたけど、やっぱりお世辞で、時代を超えて不器量だったわけですね。はい、そうですね。わかりましたわ!!


 密かにやさぐれましたけれど、不死者の王(ノーライフキング)は好き勝手に台詞を並べます。

『ふむ、認識阻害の魔法か。くだらんな』


 そう言うと一瞬にして目前まで移動してきて、

『どれ――』

 無造作に伸ばした手で私の魔術障壁をまるで紙のように突破してきました。


「“炎の種子よ、飛礫(つぶて)となり()()ぜよ”――“火弾(ナパーム)”」

 手加減する余裕などありません。私の最大火力――岩でも溶ける魔法――攻撃を放ちました。


『温いな』

 それをいとも容易く掌で握り潰す不死者の王(ノーライフキング)


 唖然とする私の胸元へと伸ばされた手が肌に触れる瞬間――。

 服の下に仕舞っていた母の形見の首飾り(ペンダント)――それに込められていたレジーナの魔力が一気に放出され、一瞬ですが不死者の王(ノーライフキング)を圧し戻しました。


『――ちっ! だが、その程度の魔力放出など……』

「ぐおおおおおおおおおおんっ!!」


 体勢を立て直そうとした不死者の王(ノーライフキング)の右手に、咆哮とともにフィーアが噛み付き、これを押し倒そうとします。


『ぐあっ。たかだか下級従魔風情が――!』

 力任せにフィーアを弾き飛ばした不死者の王(ノーライフキング)ですが、その右手は肩口の処から千切れています。

『……ふむ。やはり、復活直後で生気も魔力も足りんな。やむを得ん、他で補充するとしよう。ひとまず続きはお預けだ。力を取り戻せば、我はいつも通り死と破壊を振り撒いてくれる。追ってくるが良い。――先に地上で待っているぞ!』


 いつの間にか光のやんでいた泉の畔まで宙を滑って移動し、そう言うなり頭上を見上げました。

 見れば、《黒い光(ブラックライト)》は遮蔽物をすべて貫通して、地上まで届く長い縦穴を空けていました。


「――待っ!」

 止める間もなく、不死者の王(ノーライフキング)は地上へと向かって飛び去って行き――後に残された私は、いまになって震え出した手足を魔法杖(スタッフ)でどうにか支えて、生まれたての子鹿にように、やっとのことでその場に立ち尽くすのでした。

知らない方の為のネタバレ。

聖女スノウ=スカーレット・スノウ

別名『薔薇の聖女』『放浪の美姫』。100年以上に渡って諸国を歩いて人々の治癒や奇跡を起こす聖女。

その正体は、カーディナルローゼ超帝国の神帝にして、真紅帝国の国主。ちなみに『真紅帝国』が正式な名称で『カーディナルローゼ超帝国』は地上で勝手に呼んでいる呼び名。

『真紅帝国』自体は小国並みの面積を持つ浮遊島であり、通常は大陸上部を移動している(目には見えないようシールドされている)。

彼女は永遠の若さと美貌を持つ乙女であり、100年以上前の神魔戦争の折りに勝利した魔物の姫君でもある(位階としては神と同格)。

長い黒髪と、真紅の瞳、雪のような肌、絶世の美貌(ジルと比較すると、芸術品としての究極の美と、人間としての最上の美少女の違い)だが、中身はけっこう気さくで庶民派である。

たまに地上に降りてくるが、地上のことは地上の人間のものと考えて過度の干渉はしないことにしている。

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