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世界シリーズ番外編

愛した世界の考え

作者: 448 23

 「世界」シリーズ4作を読んでからのほうがいいと思います。

 銀世界と言っては間違いだが、読んで字の如く銀世界だった。ねずみ色だろうか。銀色だろうか。ぐちゃぐちゃに混ざり合った色だ。

「また来ちゃったの」

 女の子の声がした。幼馴染の声よりは幾分か高い。

「オードの人、かな。ふふ、まただなぁ」

「君は」

「はじめまして。ここを管理する物です」

 物、と言った、人ならざる物。そんな彼女も銀色で、この世界に同化しそうだった。

「ここはね、オード一族の道なんだよ。白い世界に行くならば天国同然の幸せを。黒い世界に行くならば地獄同然の悲しみを」

 彼女が言葉を紡ぐたびに世界に色が増える。銀が消えて、銀が増す。そして目の前には銀と共に2つの新たな色。白と黒。

「君は、どっちを選ぶの?」

「ボクは」

 なに、迷うことは無い。自分のやりたいことを。自分で選んだ道を。

「黒い世界へ」

「……」

 少女が黙る。沈黙が続いた。しばらくして、口を開く。

「分かったよ。よい旅を、オード」

「ありがとう」

 黒い世界に踏み込んだ。




「どうする、あたし。これで115729回目振られたよ」

 自虐的に笑う彼女には涙があった。その笑い顔には、諦めが出ていた。

「なんで皆黒くなっちゃうかな。オードって、本当にバカだよ」




 これは、愛された少年の物語。彼にしか理解できない、彼だけの考え。



 黒い世界で。

 白を探して。

 ふと、光を見つける。

 そこには、笑う仲間たちがいた。

 ずっとそばにいた仲間たち。

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