どうしても坊主にしたいのです。
超高級美容院にて
A=店員 B=客
A「では、こちらへどうぞ」
B「はい」
AはBをバーバーチェアへ誘導し、準備をする
B「いやぁ、こんな超がつく程の高級美容院に来るのは初めてですよ」
A「あっ、そうなんですか。初めてなんですね!たしかに、ここはカット1万円ですが、きっと満足していただけますよ!」
B「いやぁ、これは楽しみだなぁ」
A「では、どんな風にカットしていきます?」
B「うーん、そうだな。じゃあ6ミリの坊主でお願いしようかな!」
A「え?」
B「もう、バリカンで野球部みたいな感じにしちゃってください!」
A「いや、あのぉ......」
B「あ、でも最近は坊主じゃない野球部もいますもんね」
A「いや、そうじゃなくて」
B「あれですよ。まだ、部活中に水すら飲めなかった時代の野球部って感じですよ?いわゆるTHE 野球部みたいな感じで」
A「いや、あの、そうじゃなくて。ここの美容院カット1万円ですけど大丈夫ですか?別にバリカンで坊主にするなら1万円じゃなくても」(ていうか、さすがにもっと安いところでいいだろ)
B「でも、ホームページや口コミを見て、ここの美容院はすごい評判がいいと聞いて、是非来てみたいなと」
A「いや、それはありがとうございますなんですけど...」(ちゃんとホームページ見たのか?見てたらバリカンで坊主にしてほしいなんて言わないと思うが)
B「そういや、私の友人が言ってたんです。こういった高級店ですと、普通のところと比べてやっぱり髪が伸びてきた時に、あぁやっぱり違うなぁってなるらしくて」
A「まぁ、それをバリカンで出せるかどうかなんですが」
両者沈黙
A「それより、せっかくウチでカットしていただくなら、是非他の髪型にしてみませんか?」
B「それは、坊主は野球部員じゃないとダメってことですか?」
A「そうではないです」(そうではないに決まってるだろ......)
A「せっかく1万円お支払いしていただくんで、もう少し、もう少しだけおしゃれなやつにしてほしいなと。
B「え?じゃあ、まぁ分かりました」
Aは一安心
A「では、改めてどんな髪型にします?」
B「じゃあ、3ミリの坊主で」
A「そういうことじゃねーよ」
終