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デイブレイク・オンライン  作者: Silica
第二、まともな意味での初ボス戦
3/7

03 装備更新

 取り敢えずユーリに回収されて、始まりの街に戻ってくる。

 『配信再開はありがたいが……後に埋まっているのは誰だ?』

 『リーダーwww犬神家www』

 「あ、ああ。……ユーリのバカに酷い目に遭わされたから、埋めた」


 『リーダーどうやって埋めんの?』

 「めっちゃ簡単。動揺したとこに目潰しをして、更に混乱の渦に叩き込む。そこを首絞めて落として、寝かせた後で穴掘って埋め戻す。簡単でしょ?」

 『なるほど分からん』

 『近接苦手とは一体』

 『そもそもリーダーを動揺させるのが難しいんですがそれは』


 「あー、あー、そうね、近接は苦手よ、何せ反射神経がクソ。相手の行動パターン、癖、時間を覚えてカウントしても、そこから動けなきゃ意味ないじゃん?」

 「そーそー。視力判断力思考力◎、身体能力反射神経×。見て、最適な判断までは出来るけど、思った通りに体が動かないから、相対的に時間に余裕がない近接戦は全くできないという話。ただし、この場合の比較対象になってるのは、素手でタングステンを破壊する師匠とかだから……」

 ごちゃごちゃ煩いので蹴り上げて顎骨をずらす。


 まあ勿論躱され、足を引っ掴まれる。掴まれた瞬間を狙ってあの馬鹿の足に蹴りを入れる。

 『あーそういうことね、理解した』

 『理解できねえが』

 『そもそもタングステンを素手破壊がおかしい』

 

 ◇

 「さて、取り敢えず山程集まった素材もあるので装備更新に行きたいわけが。配信見てる暇人達のオススメはどこ?」

 『そもそもどうゆう戦闘スタイルなの』

 『普通の後衛魔法使いじゃね』

 『あれ……これいつのまにか検証配信じゃなくね』

 「そこは気にしない。ほらほら、Lv.1の初心者を教育するチャンスだぞー」


 「で、戦闘スタイルだっけ。基本は砲台だね、防御も魔力でやる予定。だからまあ、精神力と敏捷を上げたいかな。どっかに視点追加とか思考操作遠隔操縦自走砲台とかないかな」

 『獄炎龍に自動カウンター能力なかったか?』

 「おっとそれ知らない。カウンター一発も発生しなかったし」


 『対象に獄炎龍を含む魔法攻撃全てに対して自動カウンターレーザー射出。1/4の威力だったはず』

 『ピーキーだし、あの爺さんが良いんじゃないかと』

 『初心者にアレ進めんのか?』

 『普通の初心者は獄炎龍を倒したりできねえよ』

 ということで、コメントに案内されつつ、とある武具屋へ向かう。当然、武具屋に入る前に配信は切断。


 ◇

 「あ? テメエに作ってやる装備はねえよ」

 私の前では一人の若造が店主らしき御仁にあしらわれていた。ついでに、店主はこっちをガン見していた。ニヤリと笑うと、青年に声を掛ける

 「ま、そこの嬢ちゃんに勝てたら考えてやらんこともない」


 ふざけんな、って話だよ。こっちに厄介事ぶつけんじゃねえ。

 「それは逆説的に、その跳ねっ返りを潰したら私の装備を作ってくれるという意味かい?」

 「おうともさ、半額サービスしてやるよ」

 「分かりました引き受けます。さあ、かかってきな?」

 適当に挑発しながら店を出る。ぱっと見装備は重装歩兵、身体能力高め。普通に平凡に安定した強さを持つのが見て取れる。


 こっちを向いたその若いのは、直球に槍を構えて、高速で突進してくる。まあ当然少し体をずらして槍を掴み、そのままテコと相手の力の活用で投げ飛ばす。

 追加で即席の拘束魔術を組む。レベルが28まで上がってたため、MPも跳ね上がっているし、丁度良い。

 「これでご満足?」

 「嬢ちゃん、何を作って欲しい?」


 「精神力に大きい補正の掛かる軽装。敏捷と器用に補正があるとなお嬉しい」

 「手持ちの素材を見せてみろ」

 メニューリングを弄って持ち物等装備構成に必要そうな物を全て開示する。

 「ほお……、獄炎龍を潰したのか、これより更に弱い状態で。借金する気はあるか?」

 「利息とかは?」

 「完璧な0%だ。ゆっくり自由に払って、最終的に満額払ってくれればそれで。追加で定期的に素材納入や依頼を受けてくれればなおよし」

 「えーと、じゃあこういうのも、行ける?」


 ◇

 受け取りまで暇だし、錬金進めますか。

 「これ練金術じゃないと思うんだけど?」

 『錬金術って鍋をぐるぐるぺかーじゃないの?』

 「なんじゃそりゃ……。それはゲームの練金術と魔女術だけだよ。まあ、やりますか」

 

 「魔女の大鍋ヴァギナの証ー魔女の使い魔ヴァギナの象徴ー!」

 コメント欄が大荒れだけども気にせず魔女のイメージを暴いていく。魔力を弄って安定させながら、よりMPを多く回復するように祈りを込めて掻き混ぜる。

 「実際にどの程度変化するか分かんないけどね。 運営アイテム群大体フレーバーにしやがるから」

 『それな』

 『だから検証が面白いんだけどさ』

 『実はリアル時間だとサービス開始から二週間行ってないのよね』

 「知ってる知ってる。24倍速はヤバイね、ホントに」


 おっと完成。見た目は小さめのクッキーと言った感じだけども、肝心の効果は?

 【MP回復食】

 MPを回復できる薬。その小ささは奥歯に仕込んでおくことも出来るだろう。

 多くの思いが載った魔力によって引き起こされる変質は、幽かな、されど明確な幸福を齎す


「俗に言う中二病なテキストだね。まあ兎も角、この調子でLv.を上げようか」

 ◇

 「ごーはーん、ごーはーん」

 ユーリもとい悠理が騒ぐ。そんなお馬鹿に春菊のボウルを渡す。

 「悠理の飯はそれだけだよ、理由は分かるね?」

 その一言と共に、傲岸不遜な態度は雲散霧消、すっかりしおらしくなる。だがしかし、昼飯はそれしかないのだ。まあつまり、今晩は兎も角今の食事に変化は起きない


 「調子はどう?」

 「錬金のレベル上げ中。メインレベルは獄炎龍で跳ね上がってるからね」

 「そいつは良かった。この後の予定は?」

 「久々にPKしようかと。リモートスナイパーの感覚思い出したいし」

主人公の特技はカウントすることです。頑張れば1/1000秒、1/1000度、1/1000mmまで知覚できます。後記憶力も良いので、人力計測機として恐ろしく優秀です。


魔女狩りは女性の価値を切り下げることであり、女性嫌悪によって引き起こされました。その成功によって、資本主義は軌道に載ったのです。因みに、魔女狩りで処刑が連発されたのは16世紀ですね

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