Part2
「しかしなぁ、あんな小さい高校もあったとはね…」
島から出て、帰りの船に乗っている時、板本さんが言った。
「交番みたいな大きさだったよね」
原田さんも相槌を打った。
「しかし、先生は何だかんだいい人だったよね」
篠田さんも、あの時の状況を振り返って言った。確かに最初に会った時、あの校長先生は怖かった。でも、僕達の事情を知った後、先生は僕達を迎え入れて、奥さん(教頭?)に美味しいご飯を振舞わせてくれたり、近くの温泉に連れて行ってくれたりした。その後は、一旦別れてキャンプ場に行って、キャンプしながら一夜を過ごした後、再び高校に行って調査して、全てのミッションを終えた後、帰途に就いた。
「生徒達もいい子ばかりでしたし」
僕もあの時のことを思い出して言った。高校の生徒は男女合わせて六人だったが、みんな一つしかなく狭い教室内で、奥さんの授業真剣に受けていたし、放課後は部活動替わりなのか、六人の生徒でサッカーをやって楽しんでいた。
「なんだかんだ、楽しそうな高校だったな」
板本さんが当時の余韻に耽りながら微笑んだ。それに対して、原田さん、篠田さん、僕も皆、心から頷いたのだった。
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