第九話 迷宮①その三
俺たちは今ハイゴブリンの群れに遭遇してしまった。
だから必死に逃げている。
さすがに六体は無理だからな。
こんなの相手する暇なんてないわ。
どうやら逃げ足はこちらのほうが上のようだ。
そしてなんとか逃げ切った。
もう追いかけてこない。
「助かった……」
「わらわもあの数を相手にするのは少し骨が折れるからのう……」
『少しなんですか……』
これでも相手が大量の時以外は戦っていたがこんなに大量の敵は初めてだろう。
とにかく先を目指そう。
俺たちは先を目指した。
そしてまたもやモンスターが現れた。
またもやハイゴブリンだ。
今度は二体。
ならばなんとかなるか。
俺たちは一体を一人で相手することになった。
俺はまず足を狙うことにした。
とにかくこれしかない何せハイゴブリンは身長がデカいからな。
二メートル五十センチはある。
これなら必然的に足を狙うことになる。
しかしあまりにもデカいため足で踏みつぶされる可能性もある。
だから戦う時は注意が必要である。
しかし俺の場合まだ経験が不足している。
だから戦闘自体が大変だ。
あっという間にやられそうだ。
なのでどうにかして誤魔化さないといけない。
俺はどうにかしてこのハイゴブリンをぶっ潰す。
俺は決めた。繰り返してもいい何度だって倒してやると意気込んだ。
俺はとにかく攻めた。
足を斬りつける。
何度も何度も斬りつける。
連続攻撃を繰り返す。
これによりダメージを稼ぐ。
しかしそう上手くはいかない棍棒による攻撃が来る。
一回目なんとか避けることに成功。
しかし二回目喰らう。
血が噴き出る。俺はその攻撃を無かったことにした。
そして二回目の攻撃は再度行われた。
もちろん軌道はわかっているので簡単に避けることが出来た。
俺はそこで瞬間的に三回足を斬りつける。
もう一度四回目の攻撃だ。
深く突き刺す。
ハイゴブリンの足から血が噴き出す。
このまま足の神経をズタズタにしてみよう。
俺は必要に足を狙う。
これで奴も動きが鈍るはず。
実際これで正解のようだった。
ハイゴブリンの動きが鈍った。
俺はさらに連続攻撃を繰り返した。
そして通算四十八回目の攻撃でハイゴブリンは消滅した。
ルナさんは既にハイゴブリンを倒していた。
何故か加勢してこないでこっちをじっと見ていた。
「やりましたルナさん……」
「うむよくやったな一人の力で倒せたな今度は」
「俺一人で倒せました何回か戻りましたけど」
「とにかくこれでいいのじゃわらわの助けが無くても戦えることがわかった」
「ルナさん……」
「でもまだまだだから一緒にいないとなと思ったのじゃ」
「もちろん一緒です」
「さあ先を目指すかや」
「はい!」
と言うわけで俺たちは先を目指した。
そしてまたモンスターに出会う。
今度は今まで見たことないモンスターだこいつは……
『骸骨剣士ですね骸に剣士の魂が宿ってしまった悲しいモンスターです』
悲しいのか確かに死んだ後も戦わされるとは嫌かもな。
それでどう倒すか。
剣士だからルナさんはやっかいか。
「いやそんなことは無いぞ?」
「そうですかなら二人で攻めましょうか」
「それが得策だな行くぞ!」
まずは剣士である俺が行く。
剣と剣との戦いが巻き起こる。
俺は剣を振るう。
しかし剣による攻撃が防がれた。
こいつ意外と強いぞ。
一流の剣士の魂が宿っているのか?
とにかくこちらの攻撃が通らない。
続いてルナさんとバトンタッチだ。
ルナさんはどうでる?
背後に回り込んだ!?
そしてそこから一方的な爪によるラッシュだ。
そこを俺もすかさず攻撃だ。
今度は攻撃が通った。
後ろのルナさんの攻撃に気が取られていたようだ。
やはり二人で攻めたほうが良いようだ。
そして今度も二人で攻めた。
骸骨剣士は何度も抵抗した。
だが俺たち二人の攻撃になすすべもなくなすがままに。
そしてようやく苦戦することなく骸骨剣士を倒した。
俺たちは先を目指す。
だがすぐさままたモンスターが出てくる。
スケルトンが二体。
これはやっかいだな。溶かされたら死んじゃうぞ。
俺が前に出る。
そして溶かされたら速攻で時間回帰を使ってやる。
俺はとりあえず攻撃することにした。
出来るだけ溶解液を喰らわないようにしないといけない。
俺は剣で攻めていく。
何とか溶解液を喰らわないようにしたが一発喰らってしまった。
皮膚が焼け爛れる。
俺は喰らう前の時間に戻る。
そして避ける。
これで何とか戦える。
俺は速度で勝る戦いを続けた。
そうして一体目を撃破して二体目だ。
ルナさんは器用に戦っている。
溶解液などなんのそのだ。
そしてなんとか二体目も倒す。
これでかなり倒したかな。
そして先を目指す。
そしてついに……何もない大広場にやってきた。
先には光が見えている。
ここを通ればゴールのようだ。
「よかった!やっとゴールだ行きましょうルナさん!」
「うむ……そうだな」
しかしそうはさせてくれなかった。
試練はまだ残っていたのだ。
「グオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「なんだこの声は!?」
「上から来るぞ!気を付けろ!」
ドシン!突如上からモンスターが降ってきた。
そいつはデカいゴブリンだった。
身長五メートルはあろうであろうその巨体はボスと呼ばれる存在なのだと俺は気づいた。
『こいつはゴブリンジェネラルと言う奴だよゴブリンの中でも力が強く体が最もデカい奴だよめちゃくちゃ強い奴だよ』
こいつはとんでもないは。
さてどうしたもんか。
「ギャオオオオオオオオオオオオオオ!」
突然そいつは襲い掛かってきた。
まずはルナさんをルナさんがやられる?
俺は脳裏にそんな情景が映しあがった。
そんなことさせないぞ。
俺は直ぐにルナさんに下がるように言った。
「ルナさん!下がって!」
「うむ」
ルナさんはそうして俺の言うことを聞いてくれた。
そしてそのまま俺は奴を倒すために覚悟を決めた。
俺はまず足を狙う。
とんでもない速度で動く。
いつもの全力以上だ。
そして足を何度も切り裂く。
何度も切り裂く。
骨が見えるまで切り裂くぐらい切り裂く。
ゴブリンジェネラルは悲痛の叫びをあげた。
それでも切り裂くことをやめない。
時折ゴブリンジェネラルの踏みつけ攻撃が来るが遅い。
こんなのルナさんのほうが速い。
そして足を斬り伏せる。
ルナさんは背中に飛び乗って何度も爪で攻撃している。
そこはある意味安全地帯だから任せられる。
俺には飛び乗る跳躍力が無いからな。
それでも斬りつける。
そして倒れるまで斬りつける。
しかしここで不幸が。
棍棒が飛んできた。
足踏みを避けた先に棍棒が。
一撃デリート。
俺は死んだ。
死の瞬間に戻れた。
なんて都合が良い能力なんだ俺の力は。
しかも攻撃が来る前の約十秒前に戻ったので。
これで棍棒の攻撃の軌道が読める。
そして棍棒をかわしたら。
俺は足を切り裂く。
それから何度かな俺は切り裂いた。
そしてついに終わった。
ゴブリンジェネラルは塵ともつかぬものになって消滅した。
そして特大の魔宝石と歯のようなものをドロップした。
これはなんだろう?
『それはゴブリンの歯ですねジェネラルなどからしかドロップしない貴重なものです何かに使えるかもしれません』
それなら貰っとくか。
とにかくこれで俺たちはここをついに出ることが出来るようだ。
さて俺たちの旅はどうなるのかまだわからないようだ。