表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日付冒険譚  作者: 睡眠不足
1/5

プロローグ

「貴方の誕生日は……月……日よ」


あぁ、今日も聞こえる。

泣きそうな声で僕に誕生日を伝えようとする女性の声が。

所々嗚咽混じりで、必死に僕に伝えようとしてくる声が。

でもダメなんだ。

どうしても肝心な部分だけは聞こえないんだ。


「忘れちゃダメ。覚えておいてね。

貴方の誕生日が、貴方を守ってくれるから」


忘れたくないんだ。覚えておきたい。

でも、日付が聞こえないんだ。

僕の誕生日がわからないんだ。


「じゃあ、強く生きてね」


泣きそうな声のまま、必死な声のまま。

声だけが離れていく。声だけが遠ざかっていく。

肝心の日付だけが聞こえないまま。


気づいた時は叫んでいた。

「待って!教えて!僕の誕生日、僕の誕生日を!」と。


でも声はどんどん遠ざかる。

こちらの声に気づいてないように。

そして僕はここでいつも気づく。

これは夢だと。永遠に僕を苛む夢だと。

ずっと僕を赦してくれない夢なのだと。


そして、いつもここで目が覚める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ