表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦場で踊れ  作者: 羽鷺終茶
23/33

-友達-

「何でそんなに疲れてるのよ」


俺の様子を見た白癒は開口一番にそれを口にした。もう少し俺を労わってはくれないのだろうか。

白癒らしいといえば白癒らしいが。


「お前、やりすぎなんだよ...!」


「やりすぎ?まだ本気出してなかったけど」


なんて恐ろしい。

もうこいつの相手はしないように心がけよう...。

というか、ここまで来ると何故俺が練習相手に選ばれたのか更に謎だ。本気を出していなかったという白癒の腰には、確かに余りの弾倉がささっていたし、恐らく俺の様子を見て練習を終えたのだろう。これでは確かな実験結果が得られなかったのではないか。


「...白癒。ごめんな」


俺がポツリと発した言葉に、白癒が顔をしかめる。何度も見たことがある、俺が嫌いだったその表情。俺と聖のことを好き勝手言うときに似たその表情。けれど、何故か今は違って見えた。


「どうして謝るのよ」


「あんまり役に立てなかった」


折角、俺を選んでくれたのに。

折角、俺を認めてくれたのに。

やっと、俺を必要としてくれたのに。


「知ってるわよ。貴方が役に立たないことくらい」


...は?!


「魔力回復のことも、暇じゃないことも知ってたわ」


じゃあどうして俺に練習相手を依頼したんだ?!

単純に見ればイジメでしかないぞ。

まさかそのつもりでやったわけではあるまいし...。いや、そのつもりではなかったと信じたい。


「意味が分からない...」


俺はため息まじりに、そうとしか表せない本音を言った。白癒は首をかしげて良く分からない微妙な表情をつくったが、やがて俺に背を向ける。


「つまり!私が貴方に練習を頼んだ理由はただ一つ!あ、貴方と話す機会が欲しかったからよ!」


怒鳴るように言って、俺が何か行動を起こす間もなく早足で歩き始める。いつものように壁を乗り越えればいいものの、南のドアを態々開けて練習場から出て行った。


一人取り残された俺は思う。

話したかっただけなら、一緒に街を回ればよかったのではないか、と。


とにかく結果的に魔力消耗で疲れきった俺は、練習場を出ると真っ先に自室へ向かった。

予定変更。街の偵察は明日に回して今日は休むことにする。少々怠けすぎのような気もしたが、残念ながら時間はありまるほどにある。どれもこれも前王のお陰。


しかし、これまた残念なことに、前王が俺たちに何を望んでいたのかはさっぱりわからない。世界統一は零聖の勝手な目標だし、他の誰かが国王になっても成し遂げることは可能だったと、俺は考えている。


「何か見落としていることが...」


あったとしたら。

部屋に歩きながら記憶をたどっていた俺は、ふとある精霊のことを思い出した。確かその二人は双子で翠の友達だった。ここ数年会っていないが、元気にしているだろうか。

双子の女の子の名前はらん。青色の癖っ毛と水色の瞳。魔法で獣を召喚して戦う。

男の子の名前はあお。藍と同じく青色の癖っ毛で水色の瞳。水や氷を使った魔法を好む。

二人の見分け方は、着ている服だった。いつも意識して藍が水色のローブ、蒼が緑色のローブを着ているらしい。


そんなことを考えていた俺の足は自然と、翠がいる事務室へと向かうのだった。

短くてすみません!あとで付け足すかもです。

最近寒くなりました。昼間も寒いです。夜なんて凍えてます。前回の後書きで昼間は暑い時もあると書いたばかりなのですが、寒くなりました!秋とかありましたかね?!←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ