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生活
1章 生活
暑い夏、私は扇子を仰ぎながら独り言を呟いていた。
「何呟いてんだ、変人さんよ。」
変人…、私は普通に生活しているのだがな。不思議なものだ。
「私は変人ではない。第一、私が独り言を呟いたくらいで変人扱いするのであれば、世の中全てがそうであろう。違うか?」
「俺が言ってんのは、そうゆう古典的な口調で話してることなんだよ。早くそこから抜けなさい。」
と、私の持っている小説を指差した。
「私が芥川を読もうが夏目を読もうが…、貴様には関係のない事だ。」
其奴を見ると、深いため息をついていた。つきたいのは私の方なのだがな。私は立ち上がると、校内にある自販機に向かった。ポケットの中から小銭を幾らか出し、自販機に突っ込んだ。そして缶コーヒーを選び、その足で屋上に行った。風が吹いている。少し冷たい。
「あら、変人がどんな用?」
横目で私は声のする方を見た。
「由佳里か…」
由佳里、彼女は久城由佳里。同じクラスで学級議長をやっている。成績は抜群によい。
「貴様を呼んだ覚えはないが。」
「あら、冷たい。まぁ、変人ならそうか」
私は構わず缶を開けた。




