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訪問者  作者: 和茶
2/13

巨影

# 第二章 巨影


地面が揺れる。


ドン……


ドン……


ドン……


遠くの砂が跳ねている。


俺はレベリーンを握ったまま、地平線の向こうを見ていた。


影が近づいてくる。


いや、近づいてくるというより。


**歩いてくる。**


一歩。


ドォン!!


地面が震える。


二歩。


ドォン!!


崩れた建物の壁が崩れ落ちる。


その影が完全に姿を現した。


高さ。


軽く**100メートル**はある。


腕が四本。


頭は歪んでいて、顔があるのかも分からない。


黒い体が太陽の光を反射している。


俺は思わず言った。


「……あれ本当に訪問者か?」


セツナは答えない。


ただ静かにダガーを構えた。


巨大な訪問者が止まる。


そしてゆっくり腕を上げた。


空気が震える。


「来る」


次の瞬間。


**ゴォォォン!!!!**


腕が地面に叩きつけられた。


爆発みたいな衝撃。


地面が割れる。


砂が空に吹き上がる。


俺は後ろに跳んだ。


衝撃波が体を押す。


「……力おかしいだろ」


巨大訪問者が腕を引き抜く。


そのまま横薙ぎ。


**ブォォン!!**


風圧だけで地面が削れる。


俺はしゃがんで避けた。


「そのサイズでそんな振り方するのか」


訪問者の腕がもう一度来る。


速い。


巨大なのに。


速い。


俺はギリギリで避ける。


地面が砕ける。


セツナが動いた。


砂を蹴る。


低い姿勢。


身体を地面に近づけて一直線に走る。


巨大訪問者の足元へ。


そこで急に方向を変える。


右。


左。


また右。


不規則な動き。


まるで蛇みたいに。


巨大訪問者の腕が振り下ろされる。


セツナはその直前で滑り込む。


**ズドン!!**


腕が地面を叩く。


その瞬間。


セツナが跳んだ。


足を踏み台にして。


空中回転。


ダガーが光る。


**シュッ!!**


巨大訪問者の足を切る。


すぐに着地。


そして離脱。


それがセツナの戦い方。


速さと軌道で翻弄して、

**一瞬だけ斬る。**


でも。


巨大訪問者は止まらない。


腕が降る。


**ドォォン!!**


地面が爆発する。


セツナが跳ぶ。


着地。


その瞬間。


もう一つの腕が振り下ろされる。


速い。


さっきより速い。


セツナはギリギリで転がった。


砂が爆発する。


俺は言った。


「四本腕って普通に反則だろ」


巨大訪問者が俺を見る。


一瞬だけ。


動きが止まる。


俺はレベリーンを構えた。


「じゃあ俺もやるか」


地面を蹴る。


走る。


巨大訪問者の足元へ。


その瞬間。


腕が落ちる。


速い。


俺は横に跳ぶ。


地面が砕ける。


石が飛ぶ。


砂が舞う。


俺はそのまま足に近づいた。


そして。


**斬る。**


レベリーンが黒い皮膚を裂く。


**ズバッ**


硬い。


でも切れる。


その瞬間。


体に力が流れ込む。


腕力。


反応。


少しだけ上がる。


俺は言った。


「なるほど」


巨大訪問者の腕が降る。


俺は後ろに跳ぶ。


衝撃で地面が波打つ。


セツナが横から来る。


ダガーを連続で振る。


**シュッ!シュッ!シュッ!**


でも。


刃が止まる。


硬い。


セツナはすぐに離れる。


巨大訪問者の腕が降る。


俺は走る。


腕の影に入る。


そして。


踏み込む。


**ズバンッ!!**


もう一度斬る。


力がまた流れ込む。


俺は言った。


「その腕さ」


巨大訪問者が振る。


俺は避ける。


「結構振り回してるけど」


もう一撃。


**ズガン!!**


足を斬る。


「隙だらけだぞ」


巨大訪問者が吠える。


低い振動。


空気が震える。


その瞬間。


四本の腕が同時に動いた。


「……おい」


腕が全部降ってくる。


地面が砕ける。


爆発。


砂煙。


視界が真っ白になる。


俺は跳んだ。


石を踏む。


崩れた壁を蹴る。


さらに跳ぶ。


巨大訪問者の腕の上に着地。


「上ならどうだ」


巨大訪問者が腕を振る。


俺は走る。


腕の上を。


そして肩へ。


セツナが下から叫ぶ。


「アユト!」


巨大訪問者が腕を振る。


俺は跳ぶ。


空中。


そして。


首へ。


レベリーンを握る。


「その体さ」


落下。


**ズバァァン!!**


刃が首を裂く。


黒い液体が飛ぶ。


巨大訪問者がよろめく。


地面が揺れる。


俺は着地した。


巨大訪問者がゆっくり崩れる。


ドォォォォン……


砂煙が上がる。


静かになる。


俺はレベリーンを振った。


黒い液体が落ちる。


体の中に力が流れている。


さっきより強い。


さっきより速い。


俺は言った。


「でかいだけだったな」


セツナは何も言わない。


ただ巨大訪問者の残骸を見ている。


砂が風で流れる。


崩れた体の中から。


石の破片が見えた。


セツナが拾う。


古い文字。


俺は聞く。


「読める?」


セツナは首を振る。


でも一つだけ分かる文字があった。


小さく刻まれていた。


**戦士団**


その下。


**戦士長**


そして。


**アジーリ**


俺は言った。


「またその名前か」


セツナは石を見つめたまま言う。


「この場所、たぶん」


「昔の国の跡」


風が吹く。


砂が舞う。


遠くで空が歪む。


また何かが落ちてくるかもしれない。


俺は空を見上げた。


そして思った。


この戦い。


まだ。


始まったばかりだ。

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