音より速く
# 第十一章 音より速く
砂漠の空気が震えている。
俺の前に六体。
**ヴァルグ
ゼリク
ラギア
ミレア
ドラム
セイヴ**
外部。
城壁の上では兵士たちが固まっている。
誰も動けない。
速すぎるからだ。
俺はレベリーンを握る。
「来い」
その瞬間。
**消えた。**
俺の視界から六体が消える。
反射で体を横にずらす。
**ドォン!!**
地面が爆発する。
ドラムの拳。
俺はすぐ斬る。
**ズバンッ**
ドラムの腕が裂ける。
でも。
ドラムは笑っている。
「いい剣だ」
その瞬間。
背後から衝撃。
**バキッ**
俺の背中に蹴り。
セイヴだ。
俺は空へ飛ばされる。
空中で体を回す。
そのとき。
横に影。
**ヴァルグ。**
拳が来る。
俺はレベリーンで受ける。
**ガァン!!**
衝撃が腕に走る。
俺は空中で吹き飛ぶ。
でも。
着地する前に。
もう一体。
**ミレア。**
細い腕が伸びる。
でも。
腕じゃない。
**刃だ。**
指先が刃のように変形している。
**シュッ**
俺は体をひねる。
ギリギリ避ける。
でも。
頬が切れた。
血が飛ぶ。
俺は笑った。
「いいな」
着地。
砂が舞う。
その瞬間。
セツナが動いた。
ラギアへ一直線。
ラギアが笑う。
「また来た」
セツナは無言。
ダガーを振る。
**ザンッ**
ラギアが後ろへ跳ぶ。
でも。
セツナは止まらない。
一瞬で距離を詰める。
**ザシュッ**
ラギアの腕が裂ける。
ラギアが言う。
「速い」
セツナは答えない。
ただ。
また斬る。
ラギアが空へ跳ぶ。
その瞬間。
空が歪む。
**ゼリク。**
空中から落ちてくる。
手の中に。
**黒い球。**
ゼリクが言う。
「これは避けられるかな」
球を落とす。
地面に触れた瞬間。
**ドォォォォン!!!**
爆発。
城壁が揺れる。
砂が空へ吹き上がる。
兵士たちが叫ぶ。
煙の中。
俺は立っている。
少し息が荒い。
「……爆弾か」
ゼリクが空で笑う。
「重力圧縮だ」
俺はレベリーンを振る。
煙を払う。
そのとき。
背後に気配。
振り向く。
**セイヴ。**
もう拳が来ている。
俺は間に合わない。
**ドン!!!**
腹に衝撃。
体が吹き飛ぶ。
地面を滑る。
砂が巻き上がる。
俺は止まる。
「……はは」
立ち上がる。
少し血が出ている。
ヴァルグが言う。
「見えないだろ」
俺は答える。
「うん」
レベリーンを構える。
「全然」
その瞬間。
六体がまた消える。
今度は。
完全に。
**見えない。**
音もない。
風だけが動く。
俺は目を閉じた。
兵士たちが叫ぶ。
「何してる!」
でも。
俺は聞いていない。
空気の動き。
砂の流れ。
そして。
一瞬。
風が切れた。
俺は目を開く。
レベリーンを振る。
**ズドンッ!!!**
剣が何かに当たる。
衝撃。
砂が吹き飛ぶ。
そこにいた。
**ヴァルグ。**
腹に剣が入っている。
ヴァルグが笑う。
「……見えたか」
俺は言った。
「ちょっとな」
その瞬間。
**ドォン!!**
背中に拳。
ドラム。
俺はまた吹き飛ぶ。
空中。
ラギアが待っている。
蹴り。
**バキッ**
さらに吹き飛ぶ。
ミレアが来る。
刃が光る。
**ザシュッ**
腕が少し裂ける。
俺は地面に落ちる。
砂が舞う。
六体がゆっくり近づいてくる。
ヴァルグが言う。
「やっぱり強いな」
ゼリクが言う。
「でも」
セイヴが笑う。
「六対一だ」
俺は地面から立ち上がる。
血を拭く。
そして。
笑った。
「誰が」
レベリーンを握る。
「一人だって?」
その瞬間。
ラギアの背後。
**ザンッ!!**
血が飛ぶ。
ラギアが振り向く。
そこに。
セツナ。
ダガーが肩に刺さっている。
ラギアが笑う。
「忘れてた」
セツナは何も言わない。
俺はレベリーンを肩に乗せた。
「よし」
六体を見る。
「第二ラウンドだ」
砂漠の風が吹く。
そして。
戦いはさらに激しくなる。




