表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
訪問者  作者: 和茶
1/13

空から降りゆくもの

全く新しいのを書いてみました。

前作は黒歴史なので見ないで〜。

# 第一章 空から降りゆくもの


空を見るのは好きじゃない。


理由は単純だ。

昔、見たからだ。


夜だった。

静かな夜だった。


流れ星みたいな光が、空を横切った。


でもそれは流れ星じゃなかった。


光は途中で、

まるで**何かにぶつかったみたいに弾かれた**。


空で止まって、

一瞬だけ歪んで、

そのまま真下に落ちた。


次の瞬間、街の外で爆発みたいな音がした。


そのとき父が呟いた。


「……また来たか」


あとで知った。


それが**訪問者**だった。


空から落ちてくる存在。


理由は誰も知らない。


ただ、落ちてくる。


それだけだ。


---


俺の名前は**アユト**。


普通の人と少し違うところがある。


動くものがよく見える。


普通より。


かなり。


ボールでも、虫でも、

ナイフでも。


全部見える。


そして避けられる。


だから鍛えた。


腕立て。


走り込み。


素振り。


毎日。


理由は簡単だ。


訪問者に殺されないため。


それだけ。


---


その日、空が歪んだ。


まるでガラスが曲がるみたいに。


空間が揺れる。


「……は?」


次の瞬間。


床が消えた。


体が浮く。


重力がなくなる。


「ちょっと待て!」


景色が白くなる。


落ちる。


落ちる。


落ちる。


そして。


**ドサッ**


地面に叩きつけられた。


「……いってぇ」


体を起こす。


周りを見る。


知らない場所。


崩れた建物。


石の街。


砂が風で流れている。


「ここどこだよ……」


そのとき。


背後から声がした。


「動かないで」


振り向く。


黒髪の少女。


両手にダガー。


俺をまっすぐ見ている。


「さっき空から落ちてきたよね」


俺は答えた。


「まあ落ちてきたな」


少女は少し警戒したまま言う。


「何?」


「いや俺も聞きたい」


「……?」


「俺もさっきまで普通に家にいた」


「気づいたらここに落ちてた」


少女は少し黙った。


それから言った。


「私も」


「同じ?」


「空が歪んで落ちてきた」


俺は肩をすくめた。


「じゃあ被害者同士だな」


少女は言う。


「私は**セツナ**」


「アユト」


それだけ言って、俺たちは歩き始めた。


---


歩き始めて数分。


セツナが急に止まった。


「……来る」


「何が?」


次の瞬間。


**ズドン!!**


地面に何かが落ちた。


砂煙が広がる。


そこから出てきたのは。


**人型。**


黒い体。


顔はない。


身長は1メートルくらい。


セツナが言う。


「訪問者」


訪問者が動いた。


速い。


かなり。


でも。


見える。


俺は横に避ける。


拳が空気を裂く。


**ブォンッ**


風圧で砂が舞う。


俺は言った。


「その攻撃さ」


訪問者が振り向く。


「もう少し狙った方がいいんじゃないか」


訪問者がもう一度来る。


俺は腕を掴む。


体重を乗せる。


**ドンッ!!**


地面に叩きつける。


その瞬間。


セツナが動く。


低い姿勢。


地面を滑るように走る。


**シュッ**


ダガーが首を切る。


訪問者は崩れた。


砂のように。


静かになった。


セツナは何も言わない。


ただ周囲を警戒している。


---


少し進むと、

地下へ続く階段を見つけた。


石の遺跡。


古い建物。


セツナが言う。


「中、見る?」


「武器とかありそうだな」


地下へ降りる。


暗い通路。


奥に広い部屋があった。


中央に何かある。


一本の刀。


黒い鞘。


台座に刺さっている。


俺は近づいた。


セツナは何も言わない。


俺は刀を握る。


そして。


引き抜いた。


その瞬間。


頭の奥に言葉が流れ込む。


名前。


**レベリーン**


能力。


**攻撃した相手の力を奪う。**


俺は小さく言った。


「……便利そうだな」


そのとき。


**ズドン!!**


天井が崩れた。


振り向く。


訪問者が落ちてきた。


さっきと同じくらいのサイズ。


でも。


**速い。**


訪問者が動く。


次の瞬間。


目の前にいた。


拳が飛ぶ。


俺はギリギリで避けた。


頬が切れる。


血が流れる。


「……速いな」


もう一撃。


避けきれない。


俺は刀で受けた。


**ガキィン!!**


衝撃が腕に響く。


訪問者がもう一度来る。


俺は言う。


「その速ささ」


拳を避ける。


「結構いいな」


訪問者が振る。


俺は一歩踏み込む。


**斬る。**


レベリーンが腕を裂く。


その瞬間。


体に力が流れ込んだ。


速さ。


反応。


全部上がる。


俺は言った。


「なるほど」


訪問者が来る。


さっきより遅く見える。


俺は避けながら言う。


「でもさ」


訪問者が振る。


俺は回転する。


**ズバンッ**


胴を斬る。


訪問者は崩れた。


砂のように。


静かになった。


セツナは何も言わない。


ただ俺の刀を見る。


「……それ」


俺は言う。


「レベリーン」


セツナは小さく頷いた。


---


そのとき。


遠くで地面が揺れた。


低い振動。


ドン……


ドン……


地平線の向こうに。


影が見えた。


巨大な影。


高さ。


**100メートル以上。**


四本の腕。


異形の頭。


ゆっくりこちらに歩いてくる。


俺はそれを見て言った。


「……あれも訪問者?」


セツナは頷く。


俺はレベリーンを握る。


「でかいな」


巨大な訪問者が腕を上げる。


**ドォン**


一歩踏み出すだけで地面が揺れる。


俺は言った。


「まあでも」


影を見上げる。


「やることは同じだな」


巨大な訪問者が腕を振り上げる。


空気が唸る。


そして。


戦いが始まる。


まだ俺たちは知らない。


訪問者が何なのか。


この世界が何なのか。


そして。


この星の歴史が。


**46億年続いていることを。**

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ