01-09.
*-*-*-*-*-*
〈side ナオ〉
電車に乗るため、駅の改札を通った俺は、ナツミと並んで歩く。
「ナツミ、乗る場所どこ?」
「3番線よ」
「俺も一緒に行く」
「いいのに」
「いいの。一緒に行く」
ホームに着くと同時に、電車がすぐにやってきた。
「あ、私これに乗るわ」
「気を付けて」
「そっちも気を付けてね」
「うん。ナツミ、肩が痛かったら夜でも朝でも電話していいから。我慢しないで?」
ナツミは少しよろけながら電車に乗り込むと、俺にクスッと笑みを向ける。
「心配性ね。たぶん大丈夫よ。じゃあまた」
じゃあまた――そう言われて、俺はナツミの顔をじっと見つめる。
少し顔が赤い。
どのくらい飲んだのかわからないけれど、酔っているようだ。
だからといってこれ以上踏み込んでも、何の勝算もないことはわかっている。
「……うん。また明日ね、ナツミ」
「うん、また明日」
電車のドアがガシャンと閉まって、ガラスの向こうから手を振るナツミを、俺も手を振って見送る。
スーッと動き出した電車は、ナツミを乗せて徐々に遠ざかっていく。
やがて電車は見えなくなった。
途端に緊張が緩んだ俺は、その場にしゃがみ込んだ。
「……会えた」
*-*-*-*-*-*




