第10話 あくまでも武器の「付属」効果です効果です
-side カルム-
「え?なんもやってないよ?」
レオンとアイリスさんが鬼気迫って俺を問い詰めてくれるので答える。
「すっとぼけても無駄だ。絶対なんかやってるだろ」
「でも、実際に俺の装備は普段通りだし……」
「それもそうだな……、あっ……!」
レオンがふと何かを思い出したように、ハッとした顔になる。アイリスさんも同様に気づいたようだ。2人は顔を見合わせて頷いている。2人とも確信しているようだ。
「絶対あれよね、鼻歌」
「だな、問題はどうやってそれを伝えるかだけど……そうだ!カルム。妹ちゃんの武器を近づけてみようぜ」
「分かった」
なぜ、ソフィアの武器?とも思ったが、レオンに言われた通り、武器を近づけると、ブルブルブルブルと震えが加速した。
母さんと父さんの武器を近づけても同様だった。
「やっぱり!原因はその武器だわ!」
「え?これかー。うーん、おかしい。普通に作ったはずなんだけどな?」
盲点だった。まさか、自分の武器とか馬車とかではなく、ソフィア達の武器だとは。
確かに、絶対に怪我をしないように、しっかり作ってはいたが、それでも仕事でもないほとんど趣味のような制作物だし、家族が使いこなせるように必要最低限の機能しかついてない防具である。
「いやいやいや!おかしいだろっ!?なんであんなに怯えてるんだ!?」
「うーん。特殊な効果はつけていないよ。ちょっと切れ味が鋭くて長持ちする普通の武器のはず」
「ふ、ふーん。(御社比)ちょっと切れ味が鋭いね……これは後で切れ味も調べておく必要があるわ」
「ええ……失礼な、そんなテキトーな仕事はしていませんよ」
「テキトーな仕事はしていなくても、ぶっ飛んだ仕事はしてるんだよなあ」
「珍しい仕事しているとも言えるわねえ」
「珍獣扱いやめてね」
とはいえ、スライムさんの震えが止まらない理由は確かに俺が作った武器に理由がありそうだったので、鑑定する。
武器:剣
所有者:ソフィア
スキル:威圧機能、超高速遠近斬撃
「あっ!威圧機能スキルがついちゃってる」
「うおーい!絶対それだろ」
「どうりで魔物が出てこないわけね」
威圧スキル--相手の思考能力、判断能力を奪ってしまうスキルだ。また、そもそも武器を持っているだけで、Cランク以下の魔物は近づけないという特殊スキル。
「なにをどうしたら、危機察知能力の低いダンジョンモンスターを怯えさせられると思ったら……とんでもねえスキルがついた代物じゃねえか」
「さすが、カルムねえ。この短期間でそれほどの武器を作ってしまうなんて」
そんなにだろうか?効果がついたのは、たまたまだと思うけどなー……。
武器を作っても、毎回毎回、特殊効果が付くわけではない。今回は運よく武器の出来が良かっただけだ。
「たまたまではないわね……毎回ではないというけれど、やらかしたの何度目よ」
「それ、よく言われるけど、やらかしてる自覚はないよ」
「「自覚ないからなおタチ悪いわ!」」
ええー……なんか理不尽な理由で2人揃って怒られてしまった。
仕方ない。理不尽だと思うつつも、一旦置いておいて、再びソフィア達の武器を見る。
「うーん、どうしようか?せっかく作った武器なんだけど」
「おとなしく、別の武器使おうぜ。俺が貸してやるからさ」
と言うわけで、俺が作った武器は馬車に入れ、家族にはレオンが持っている初心者用武器を使ってもらうことにした。
「にーにが作った武器変えるのー?」
ソフィアはちょっと悲しそうだ。
俺としても、自分が作った武器をそのまま使って欲しかったが、仕方がない。
「流石に、戦闘訓練にならないのは困るから、もうちょっと強くなったら使おうか」
「うん、分かった〜!早く強くなれるよう、頑張るね!」
次ソフィア達の武器を作る時は、無意識に特殊効果がついていないかしっかり気をつけながら、調べよう。これも良い経験だ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side 第三者-
「なんか特殊な失敗の仕方していたわねカルム」
「ああ」
カルム達の様子を見ていたアイリスは、ジトーっと呆れて見て、呟いた。
そこにレオンがやってきて、アイリスに問いかける。
「なあ、アイリス。付属効果であれだったらさ、本来のあの武器の能力って……」
「考えたら負けだわ。レオン」
2人は「はあーーっ」と、ため息をつく。
そんな2人の元にカルムが来て更なる爆弾を落とす。
「お、レオン、アイリスさんいたいた。ソフィアの武器なんだけどさ、超高速遠近斬撃っていうスキルがついてるみたいなんだけど……」
2人ともカルムが何を言っているのか理解できなかった。だが、明らかにやばい事を言っているのは分かったので、レオンの魂の叫びが出る。
「やっぱりーー?てか何それーー!?」
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