表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新しき勇者が生まれた?なら勇者の自分は一体何者?

作者: akarinor

毎日ショートに挑戦しています。文字数少ないのですぐ読み終わりますからぜひ読んでいただけると幸いです。


新たな勇者がこの世界に生まれました


響き渡るワールドアナウンス。

そうか。もう自分は勇者じゃ無いのか。

では、自分は一体何なのだろう。

元勇者?


思えば魔王を倒すまでは毎日が充実していた。

倒したら世界が平和になって、もっと楽しい世界になる。

そう信じていた。


さて、魔王には子供がいた。

本来は一族郎党皆殺しが正しい選択だったのだろう。

しかし勇者として、目の前にいる幼子を自分は殺すことはできなかった。

親を殺し、孤児となったこの子がみすみすと死にゆくのを黙って放っておくことはできなかった。

結局、自分の娘としてその子を引き取って育ててしまった。


しかしその子はそれを知ってか知らずか、妙齢になると1人旅立ってしまう。

何をしているのだろうか。方々手を尽くし足取りを探るが見つからず、ただ自分はあの子が無事でいることだけを祈っていた。


そんなある日のワールドアナウンス。

勇者が生まれる、ということはその対となる魔王が生まれた、ということだ。ならばあの子はきっと無事なのだろう。魔王とはきっと、あの子なのだから。


自分はどうしたら良いのか。魔王は世界の敵。せめて親として、世界に迷惑をかける前にあの子を処分するのが親心か。

いいや、世界を敵に回してでも、味方でいることが自分の信じる正しき道だろう。

ならば私は新しき勇者の前に立ちはだかろう。


かくして本来成長してから魔王と戦うべき勇者は、遥か序盤、まだ力が覚醒する前に、命を落とす。

しかし魔王は台頭せず、世界は滅びず、平和な日々が続くのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ