その3
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
一つの「毛」をクリアすると、新たな「毛」が心配になる。
僕は今度、足のすね毛を点検。
両足とも少し生えてはいるものの、パッと見すげえボーボーって程でもない。
かと言って、女子並みにツルツル過ぎず、適度で丁度いい様に感じた。
「これなら剃らずとも…。」
もしも、もしもここで剃ったとして、剃ったとして、直後はツルツルだろうけど、徐々に伸びてくるのが「毛」じゃないか。
だとして、剃っちゃった後の伸び始めは…チクチクしそう。
ん〜…チクチク、しちゃうかあ。
チクチクしたスネが、万が一にでも隣にいると思われる、女子、そう坂口メグちゃんのスネにあたっちゃったら。
「いたっ!なんか今チクチクってした〜。」とか言われそう。
そうなると、彼女の中の僕の評価も下がっちゃうだろうがあ。
評価が下がっちゃうってことはさあ、ちょっとでも嫌われちゃうってことじゃんかよ〜!
あ〜、じゃあ、止め!止め!中止!中止!
今はすね毛を剃るのは危険だ。
ふ〜う、危なかったあ。
うっかり簡単に剃ってしまうところだった。
くわばら、くわばら。
すね毛問題が解決して、目線を徐々に上げていくと、今度は急に「へそ」が気になった。
背中を丸めて、必死に自分のへそを見た。
「毛」は大丈夫…だけど、へその穴の周りが、なんだか白っぽくなってガサついている。
ヤダっ!汚っ!
僕は自分のへそを、しばらくちゃんと洗っていないことに気付いた。
シャワーで少し濡らした後、ガサガサしている部分を指でこそげ落とした。
次にへそに指を突っ込んで、穴の内側にこびりついている「くそ」を、グリグリ回しながら取った。
そのまま、再びボディシャンプーで洗えばいいものを、僕は何を思ったのか、へそをいじったすぐ後、指の先の匂いを嗅いでみた。
…くっさ〜!
驚く程の臭さ。
何?この臭い?
僕は今の今まで、こんなに臭いへそで過ごしていたのかと思ったら、涙が出そうになった。
へそはいじるな!
いじりすぎると、お腹、痛くなっちゃうから。
親からはそう釘を刺されてきたけど、いやいや、どうして、定期的にへそは綿棒などで汚れを取って、綺麗にしておかなければダメだと感じた。
そうだ!綿棒!
僕はまた、脱衣所の洗面台の棚から、綿棒を2本ほど出して、もう一度へその汚れをきちんと取った。
そして、また、綺麗に洗った。
洗った後、もう一回、指でへその穴をなぞって、嗅いでみた。
…大丈夫。
もう臭くない。
は〜あ。
安心した僕は、ようやく風呂場から出たのだった。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだまだ続きますので、引き続き読んでいただけたら、とっても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。