呼び出し音は恋の奇跡
その呼び出し音はどこか、なつかしい感じがした
急いで振り返ってみたけど
僕の期待していたものとはぜんぜん違っていた
それは、そうだろう
いまは遠く離れた街で暮らしているキミが
この場にいるなんて
奇跡以外、何ものでもないのだから
そして、呼び出し音だって
あの頃のキミのままだったら
とっくに変えて
僕の知らないメロディになっているのだから
消去法をこんなに楽に考えていられるのは
いつ以来のことだろう
思えば、前の僕たちなら
たぶん、どんなときでも
消去法なんて使わなかっただろうな
キミの考えに僕は同意し
僕の考えをキミはいつでも尊重してくれていた
恋なんて後回りにしてもやっていける自信が
不思議とどこからかあふれていたから
ほんの少しの時間でも会いたい気持ちに
変わりはない
今でも
キミに話すこと・・?
それは決まっていないけど
僕はあの頃よりも落ち着いていられるか、
自信はないことだけは
残念ながら確かなことかな
もう一度、
ココロの中でキミの名前を呼んでみた
いまなら、みんなの前で
もっと強く
キミの名前も呼ぶことができただろうし
もっとやさしくなれたのかな
キミに頼まれたことも
ちゃんとできただろうな
そんなことを思いながら