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一方で、元パーティーメンバーたちは……。


「ようやくあの無能を殺れて清々したぜ! お前らもそう思うだろ?」



「うんうん! 彼奴いつも後ろでウロチョロしてて目障りだったのよね」



「其れでいて、何時も偉そうに俺たちに命令して来るからうざかったんだよな」



 俺の言葉に、カールとバリーが応じる。その後ろでは、リリィとダンが頷いている。

 今、俺たちはジンから奪った『帰還石』を使って迷宮の入り口に転移した所だ。そして、あの無能を追放出来た喜びに浸っている。だが、そんな幸せな時間はぶち壊された。



「貴方たち!!」



 この女によって。



「………んだよ。やっと来たのか、ソフィア」



 俺たちが折角余韻に浸っているってのに……。俺たちの邪魔をしたこの黒髪をポニーテールに纏めてる女はソフィア。剣聖と名高い女だ。この女は顔やスタイルはいいんだが、本当にあの無能と同じで空気を読まねぇな。てか、聞かれてねぇよな?



「何だよじゃないわよ!なんで勝手に迷宮攻略を始めたの!?」



 んなの、あの無能を殺す為だよ。



「あぁ……。お前が余りにも遅えからだよ」



「だからって………あれ、ジン君は?」



「ジン?……あぁ、彼奴なら死んだ」



「………え?」


 驚いてる、驚いてる。まぁ、そりゃ幼馴染が死んだなんて言われればそんな反応するわな。

  


「彼奴、攻略中に俺たちの脚を引っ張った挙句、罠に引っかかって大量の魔物を呼び寄せやがったんだよ。で、余りの数に押されて撤退を余儀なくされた。その時に彼奴は逃げ遅れて……」



 まずは、シナリオ通りに話しを進める。後は此奴が信じ込めば………。



「……其れで、貴方たちはジン君を置いて逃げてきたの?」



 良し、信じた!



「俺たちだって、死にかけたんだ。しょうがねえだろ」

 


「そもそも、その話しは本当なの?」



「あ?どう言う意味だ?」 



「だって、ジン君が迷宮の罠に掛かるとは思えない」



「事実、あの野郎は罠に掛かって、魔物を呼びつけたんだよ。なぁ、お前ら!」



 俺の言葉にダンたちは首を縦に振る。




「ほらな、この場の全員が証言者だ。これでもまだお前は俺たちが嘘を付いてると言いたいのか?」



「ッ!」



 あぁ、その表情だ。その悔しそうな表情。俺の好きな顔だ。



「ほら、分かったんなら行くぞ。装備やアイテムの調達をしなきゃなんねぇからな」



 俺たちは【常闇の遺跡】を後にし、近くの町『セトリヤル』に戻った。

 だが、その道中に何度かソフィアの様子を見ていたが、彼奴は幼馴染が死んだにしてはやけに落ち着いていた。

 

 此れって……。


 俺は気付いてしまった。何故、彼奴が落ち着いているのかを。其れは……。



(くくく。まさか、ソフィアの奴、心ん中じゃあ、ジンの事を何とも思ってなかったなんてな。彼奴、本当に味方いねぇじゃあねぇか)


 

 そう言う事だったんならソフィアがいても、良かったかもな……



 俺は、道中ずっと笑いを堪えていた。









「はぁぁぁぁぁ」



 私は宿の部屋に入ると真っ先にベッドに飛び込んだ。

 私たちはあの後、セトリヤルを訪れて装備品とアイテムを補充すると、各々別れた。



「……まさか、ジン君を追放するなんて」



 前から馬鹿は馬鹿だと思っていたけど、今回の事は言葉が出なかった。三ヶ月ぶりにジン君に会えると思って、楽しみにしてたのに、まさか、彼らがジン君に手をかけようとするなんて……。



 ソフィアは彼らの話しを此れっぽっちも信じていなかった。勿論、ジンが死んだと言う話も。



 彼女は信じているのだ、ジンが生きている事を。だから、冷静でいられた。そうでなければ、自分の命を顧みずにでもジンを探しに行っていただろ。



「はぁ……」



 私は自分の手首に付けてある翡翠色の宝石がついたブレスレットを眺める。此れは冒険者になって、初めて迷宮(低難易度のだが)をクリアした時にジン君がくれた物だ。その時に言われ言葉は……。



『此れをもっていればピンチの時でも絶対に駆けつけて守ってやる』



 だから、貰ってからは、肌身離さず身につけている。



「会いたいな。ジン君」

 


 私は無意識にそう呟いていた。



 そして、同時にある事を決意する。


 


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― 新着の感想 ―
[良い点] ソフィアちゃんが、ジンくんのことを想いやっているところが良かったです。近いうちに再会し、ジンくんの新生パーティーのメンバーになれると良いですね!後、欲を言えばステラちゃんとの仲も良い感じで…
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