クソどうでもいい昔話
むかしむかしあるところに一人のきこりがいました
そのきこりはおのを池に落としてしまいました
池のなかにとりにいこうとしたときに、
池のなかから女神があらわれました
「あなたの落としたものはきんのおのですか、ぎんのおのですか」
きこりは正直にいいました
「ちがいます。わたしの落としたものは」
女神は息をのみました
「恋心です。わたしはあなたに恋をした」
そうそれはIt’s"Fall in Love"
女神はときめきながらいいました
「なんと。私でいいのなら」
そして、二人は付き合ったとさ、めでたしめでたし
────────
いや、めでたしじゃねぇだろ!
そもそも落とした斧はどうしたんだよ。ってか、なに人と神がつきあってんだよ。話が壊れすぎだよ。
ボランティアで子どもへの読み聞かせをすることになった吊込は、先輩の木瓜から読み聞かせの手本を見せて貰っていた。
彼は何度もこのボランティアに参加しているベテランだった。
まず読んだのは「金の斧」
だが、読まれたそれはめちゃくちゃになった物語だった。
ボケ「次はコレを読もう。お前も俺の読み方を習得するんだぞ」
次に取り出したのは「モモ太郎」だった。
ツッコミ「なるほどね。みんなも知ってる有名な桃太郎ね」
────────
むかしむかし、ある所におじいさんとかがいました
ツッコミ「雑くねぇか、その絵本」
おじいさんは山に芝刈りに
おばあさんは川に洗濯に
桃太郎は川辺に釣りに行きました
ツッコミ「何で、桃太郎がここで登場するんだよ! おばあさんが桃を見つけるのはどうしたんだよ」
桃太郎は川沿いで亀を見つけました
亀は子ども達にいじめられていました
桃太郎は子ども達を追い払い亀を助けました
ツッコミ「いや、桃太郎じゃなくて浦島太郎じゃねぇか!」
そして、桃太郎は亀を持ち帰りました
ツッコミ「いや、何で持ち帰るんだよ」
そして、亀に包丁を入れると真っ二つに割れました
おじいさんとおばあさんは桃太郎のお陰で、
美味しい美味しい亀料理を食べたとさ
めでたし、めでたし
────────
何一つめでたしじゃないよ!
なに亀を〇しちゃってんだよ。いじめから助けたんなら、海に返せよ。バカヤロー。
ボケ「最高だよな。神がかってるぜ、このモモ太郎」
ツッコミ「それ、桃太郎違いますよ。絶対。こんなデタラメなストーリーじゃないですからね!」
ボケ「いや、これはモモ太郎だ。これこそ、桃太郎だ」
ボケ「そうだ。もうやり方は分かったろ。これ読んでみろよ」
そう言って渡されたのは「100万回生きた猫」だった
僕は一ページ目から先輩に読み聞かせていく。
────────
100万回生きた猫
むかしむかし100万回も生きた猫がいました
その猫は死んだら違う人生を歩む不思議な性質を持っていました
そして、もう数えきれないぐらい色んな人生を歩みました
例え火の中水の中草の中森の中ボールでモンスターを捕まえたり、
赤い猫の地縛霊となって少年に変な時計で召喚されたり、
海賊王目指して海を冒険したり
・・・・って、なんでポ〇モンとか妖怪ウ〇ッチとかワン〇ースの世界に転生してんだよ。
そして、また転生した先には見知らぬ世界が広がっていました
体中にみなぎる力、
最強のステータス、チートの能力を手に入れてました
見た目超弱そうな猫だけど、この世界最強
転生したら無敵猫になってました
・・・・って、異世界転生系なろう、かよ!
そして、なんやかんやあって猫でも勇者になって
贅沢な暮らしをしたとさ
めでたしめでたし
────────
ツッコミ「何なんだよ。この絵本達、物語が改変されすぎだ」
ボケ「どうだ。俺が全部改変したんだぜ。最高だろ?」
ツッコミ「いや、最低だよ!」
ありがとうございました。