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ほんとに長い月日が経った


私はこの世界の1番高いビルの高い階で働いている


スーツに身を纏い

きちんと頭を下げ挨拶している

嫌な上司には愛想笑いをしてお世辞を言ってその場をしのんでいる

これが全くバレない

最初は嫌だったが今はもうすっかり

慣れて当たり前になっていた


ゴルフでは嫌な上司にわざと負けたり

わざと僅かな点で勝ったりしている

凄く引き離した点数で勝つと不機嫌になり

出世に響くのが嫌だった


私に憧れてこのビルに入ってくる者もいた

性格のキャラはそれぞれ違ったがどこか通じる者があった

ただ思っていた環境と違ったと辞めていく者も多かった


いつからだろう

私の相棒はタコではなく人間になった

当たり前だが


仕事に対して思う事は色々あった

このままでいいのか時々悩んだ

たがこれでいいのだと自分に言い聞かせていた


そんなある日何気なくビルの外を見た

空は灰色だった


子供達は苦しそうにしていた

何が原因なんだろう

少女がビルの上を見つめていた


気になって屋上に向かった

ドアを開けると突風が吹いた

風がキツかった

中にいると分からなかったがこんなにも風がキツかったのか


黒い男がいや私の会社の上司達が

子供達から大きな機械でエネルギーを吸い取っていたと同時にそのエネルギーは機械によって黒い丸いコインのような形になり空へ上がっていったそのコインが空に上がるたびに空の色は黒くなっていった


止めた方が…

そう言おうとしたが嫌いな上司がこれを止めるとこのビルが潰れるんだよ

潰れるとどうなるか分かるか

今の生活が維持出来なくなるのだよと

今の生活が維持出来なくなるのは私も困る 私は見て見ぬふりをした


少女は何も言わなかった

何か言いたそうだが言わなかった

いや言えなかったのだろうか

黙って悲しそうに私を見ていた


屋上のドアを閉め席についた

外はあんなに風がきつかったのに

このビルの中は何の風も感じなかった


静かすぎるくらい穏やかだった


ふと相棒を見た

相棒もまたビルの空を見ていた


その後ろ姿は何故かピンクのタコの面影を感じた


ふと私は自分の服を見た

真っ黒だった








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