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俺の生まれた周りは荒れていた

大地はくすんでいて

緑の何か何だあの…葉っぱみたいなものは萎れてて


雨が止んだと思うとまた小雨が降ってきて

空は常に灰色で薄暗かった


その状況を抜け出したいとか

変えたいとか

色んな奴がいたけど

俺は特に何も思わなかった


ただ強くなりたいと思った

いつ敵に襲われるか分からないこの状況の中で

力をつけたかった


今は力と言えば知恵とか知識とか

頭脳で勝負する奴も多いが

そんなもん俺には一切過ぎらなかったし

力といえば筋肉をつけ

あらゆる敵に暴力いや俺の拳をぶつけ

鼻血を出して倒すこと


瞬発力を身につけるために日々何かしら体を

動かしていたし


よく女の着ている服が風で靡く瞬間は見逃さなかった


容姿も悪くなかったから

女に困る事はなかった


5歳の頃近くに住んでいた女性、後に

父親の愛人だと分かった年上の女性を初めて女として見た

体を洗っている姿を見ていた

何ならおいでと言われ一緒にお湯に浸かったりもしていた


10歳の頃雰囲気で同い年の女といい感じになりキスした


寄ってくる女が多かったから特に困らず適当に付き合っていた


ただ本命はいた

その子は同い年くらいで俺には興味が無かった

というより俺の存在を知らなかったかもしれない

頭が良く力もあった

男の俺からしても格好良く勇姿だった


常に剣を振り回し薄暗い灰色の空で戦っていた


下をチラッと見て目があったように思えた

微笑んだ顔は

可愛らしかったがすぐにまた戦いに戻った


俺はそいつより自分が男としても負けている気がして

近づきたいけど近づけなかった


この話を仲間にした事はない

しても空で戦っている奴なんかいねえよと

上を見ない奴も居たし 


勇姿に気付いていた奴には尚更特定されるのが

恐くて言えなかった


朝は早く起き毎日少し遠く離れた湖の近くで体を動かしていた

そこは霧が多かったが唯一空気が綺麗だと感じた

空は霧でよく見えなかった


そこで体を動かしていた 

この場所で誰かに会った事はない

自分の秘密の場所にしておきたかったから

誰にも話した事はなかった


霧の向こうに古屋があった

俺より幼い可愛いらしい少女がパンを食べていた


遠くからだから受け取った感覚でしかないが

その少女に癒されている気がした

この場所は少女からでる癒しの湖だったのかもしれない


ある時

ぱっと少女が俺に気付いた気がした

俺はすかさず顔をそらし体を動かした 

目が合わずに良かったと思ったが

何故かそれ以来湖には行かなかった


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