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プロローグ

※森の賢者様シリーズの関連作になりますが、単体でも読める作品として書いていく予定です。

「ここは、何処だ?」

 気づいたら見知らぬ場所にいた。

 高校生の俺は授業を終えて帰路についていたはずだった。このまま家に帰宅して、母さんの作った夕飯を食べて、その日も当たり前の日常が終わるはずだった。

 だというのに、今、俺の視界に映っているのは森だ。

 一面に映るのは緑。

 見慣れたコンクリートで固められた道路なんて見当たらない。

 脈絡のない話だというのは十分承知しているけれども、本当に気づいたらこんな場所にいた。

 此処が何処なのか、俺には分からない。確かに歩道を歩いていたはずなのに、気づいたらこんな場所にいた。理解出来ない状況に俺は途方にくれてしまう。

 そもそもこんな状況で冷静でいられる存在なんて早々居ないだろう。少なくとも俺はそこまでメンタルが強くない。

 この状況が恐ろしくて、何がどうなっているか分からなくて、戸惑いしか感じられなかった。

 怖い。

 その明確な恐怖心が、俺の心を支配していた。

 此処は何処なのか。俺に何が起きたのか。自分に起こった現状が分からな過ぎて、恐ろしくてならない。

 分からない状況の中で、何とか足を進める。

 確かに感じる地面の感覚が、この場が現実だという事を俺に確かに伝えてくる。

 これが夢なのではないかと、自分で頬を抓ってみたけれど痛みを感じた。現実逃避をしてしまいたい気持ちが十分にあるが、ここは現実だという事は頭では理解している。ただ、心までは追いついてこない。

 何処に向かえばいいかも分からない中で、歩みを進めていく。

 何かの、獣の声が聞こえてきた。

 それにびくっと体が震えた。何かがこの森の中にはいる。そしてそんな森の中を、武器も持たずに俺は徘徊している状態だ。

 恐ろしくて仕方がなかった。

 そして、そんな俺の前に、犬のような生き物が現れる。

 明らかにただの犬ではない。俺の知っている犬よりも大きく、凶暴な見た目をしている。その存在が、俺を獲物として狙っている―――。

「がるるるるっ」

 鳴き声と共にとびかかるそれから、慌てて飛びのく。だけど、その生物から逃げきる事は不可能だった。肩に飛びつかれ、肉の一部を持っていかれる。

 俺はこのまま、死んでしまうのだろうか。

 そう思いながら、地面に座り込んでしまった中で俺とその犬の間に割り込む人影があった。

「大丈夫か」

 そんな声かけと共に、その人は犬を切り殺した。

 ―――その女性は、地球ではまず見ないような鎧を身に纏っていた。長剣を手にしていて、夢か何かと思った。



 そしてその人を見つめて驚きながら、俺は気づいたら意識を失っていた。




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