僕と君の共通点
1
「あら、あなたもなの?」
高校三年生の学生生活最後の夏休みに担任の先生、小柳先生から呼び出しを受けた僕は職員室に向かっているところだった。
「珍しいわね。」
彼女は同じクラスの同じ委員会の同じ部活の仲間である。名を高梨という。高梨とは高校生活の中で一番関わりの多い生徒だ。
「そうかな、僕ってよく呼び出しを受けてたりしてる気がするんだけど。しかもそれをよく知っているのは君じゃないか。」
そう、まったく珍しくなんかないのだ。僕はよく呼び出しを受けている。テストの点数が悪いだとか日頃の生活態度に問題があるだとかそういうわけではない。とある同じクラスのお同じ委員会の同じ部活の仲間があまりにも友達がいないために一緒にいてあげなさいというアレだ。そtれをよく知っている当の本人が珍しいだなんていうのだからおかしいものだ。
「来たわね神代くん、いらっしゃい。」
小柳先生は今年この学校に来てから四年目の先生である。小柄でかわいらしい姿であるのに体育教師で言わば熱血教師なのだ。僕と高梨が一年生のころからずっと担任をしてくれているなじみの深い先生だ。
「はい。…じゃあね高梨。」
僕は向きを変えてすぐさま先生の方に向かった。