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金さん登場!春画円盤事件

北町奉行、金さんあらわる!

?視点


北町奉行所


?「あ〜ぁ、もう仕事なんてやってられねぇよ 」


俺の名は遠山朱金(あかね)南町奉行の逢岡想と対等の立場を持つ言わずと知れた奉行だ。


だけど仕事といえば書記関係ばかりで嫌になっちまうぜ


俺はもっとこうバァーンッと暴れたいのによ!


よし!こうなれば…


と俺がこっそり奉行所を脱出しようとすると


?「遠山様、次のお仕事を… 」


俺の側近である岡っ引きの銭方真留の声が聞こえてきた。


見つかったらまた仕事が増えちまうな


朱金「真留の居ぬ間になんとやらだ 」


スッ!


と俺は真留に見つからないよう奉行所から脱出したのだが


真留「あの人はーっ!! 」


俺が逃げた後、奉行所から真留の怒声が聞こえたという


ふぅ、いなくてよかったぜ


さてと町にでも繰り出すとするか、何か面白いものが見れるかもしれないしな


と俺が町を歩いていると


八雲「ありがとうございました 」


んっ?あんなとこに茶屋ができてるな、そういや最近逢岡の奴が茶屋を許可したって真留からの報告書に書いてあったっけ


ちょっくら行ってみるか♪


俺は興味本意でその茶屋に向かったんだ。


しかし、人のことは言えねえが汚い字だな


俺が看板に書かれている字を見て思っていると


新「八雲ったら字が下手なんだね 」


八雲「うるせぇ!!新の字なんて象形文字みたいで読めすらできないじゃないか!! 」


ありゃ新じゃねぇか


確かに新の字は読めねえからな


まぁとりあえず


朱金「おっす!茶をくれや! 」


八雲「はいはい 」


俺は茶をもらおうと店に入った。


すると


新「あっ!金ちゃんだ! 」


朱金「おっす新! 」


俺は新に挨拶をした。


八雲「新の知り合いなのか? 」


新「うん。金ちゃんといってね。この辺りじゃ有名な人なんだよ 」


朱金「遊び人の金さんってんだ。金さんって呼んでくれ 」


本名は遠山朱金だがこんなとこに奉行所の人間がいちゃおかしいから偽名だぜ


八雲「どうも秋月八雲です 」


そういや最近新の奴が男の店で働いているって聞いたけど、どうやらこいつのようだな


それはさておき


朱金「おいおい!茶はまだかよ! 」


八雲「はいわかりました 」


茶が出されるのを待たされたことに気づいた俺は男に催促したんだ。


その茶の味は…


朱金「ぷはっ!うまいじゃねぇか! 」


八雲「ありがとうございます 」


茶よりは飯の方に興味がある俺だがなかなかうめぇじゃねぇか!


朱金「そいじゃ次は団子をもらおうかな♪ 」


でもやっぱ茶よりは団子だぜ!


俺は団子を注文しようとしたが


真留「金さん!! 」


にゅっ!!


真留が俺を見つけやがった!


朱金「ま…真留!? 」


真留「ま…真留じゃありません!!仕事サボってこんなとこで道草食って!! 」


朱金「道草なんて食ってねぇ!!団子食おうとしてたんだ! 」


バンッ!!


さすがの俺も道に生えてる草なんて食えるかよ!


俺は冗談を含めて真留に向かって言ったが


真留「もっといけません!! 」


真留に冗談は通じなかった。


ちっ!


すると


真留「さぁ、戻って仕事の続きをしてください!! 」


ぐいっ!!


朱金「えっ!?ちょっとまだ団子を食ってねぇぞ!? 」


真留「そんな余裕なんてありません!! 」


ずるずるっ!!


朱金「団子〜… 」


真留に引きずられながら団子を見つめる俺


せめて一口食いたかったぜ〜!?


八雲「用意したけど、この団子はどうしよう? 」


新「あたしが金ちゃんの代わりに食べてあげるよ♪ 」


新、俺の団子を食うんじゃねーっ!!


腹が減ってるのに団子が食えないことを悔やみながら俺が真留に引きずられていると


んっ!!あの店はもしや!


俺はある一軒の店に注目したのだった。


天は俺を見捨てなかったようだぜ!


それから時間が経ち、夜になった頃だ


八雲視点


八雲「ふぅ、買い物してたら遅くなったな 」


新の奴が団子を食いまくるから作る方も大変だぜ、このままじゃうちの店は新の食いっぷりで潰れるかもしれないな


と俺が店の心配をしながら夜道を歩いていると


八雲「んっ、あれは 」


俺の目に昼間、金さんを連れていった女の子が映った。


何かを探しているようだな


真留「まったくもう!遠山様ったら私の目を盗んでどこに行ったんですか!あの人には首輪をつけた方がいいかもしれませんね 」


何やらぶつぶつ言ってるけれど


八雲「何か探し物ですか? 」


俺が声をかけると


真留「うわっ!?びっくりしました!?ってあれ?あなたは確か昼間の… 」


八雲「秋月八雲といいます。あなたは? 」


真留「申し遅れました。私は銭方真留と申します。すいませんが秋月さんは遠や…金さんを見かけませんでしたか? 」


八雲「金さん?見てないけどどうかしたんですか? 」


真留「それが、昼間見つけて連れ戻した後、再び姿を消してしまったんです。まったくもう!見つけ次第仕事をやらせなくては! 」


遊び人の金さんがどんな仕事をしているのかは知らないけど大変そうだな


八雲「まぁここで出会ったのも何かの縁でしょうし、俺も金さんを探すのを手伝いますよ 」


真留「本当ですか!ありがとうございます 」


暗い夜を女の子一人で探させるわけにはいかないしね


というわけで俺と真留は金さんを探したのだがなかなか見つからなかった。


真留「はぁ…金さんったらどこに行ったのでしょう? 」


八雲「うちの近所までやって来ちゃったな 」


こうなったら想さんに探してもらおうかと思ったわけだが


その時だった!


八雲「んっ?あれって金さんじゃ 」


真留「えっ!? 」


うちの店の近所にある本屋に接近している金さんを見つけたんだ。


朱金視点


にししっ♪真留の目を盗んでここまでやって来たぜ!


では早速…


と俺がこっそりと本屋に入ろうとしたその時だ!


真留「金さん!何をしているんですか!! 」


びくぅっ!?


朱金「ま…真留!?それと八雲も!?何でここに!? 」


八雲「俺達は金さんを探しに来たんだよ 」


真留「勝手に抜け出して!!こんなところで何をしているんですか!! 」


朱金「いや、その!? 」


まずい!?本当のことを言ったら確実に怒られちまう!?


こうなったら…


朱金「実は夜な夜なこの本屋で怪しげな声が聞こえるんで様子を見に来たわけだよ 」


真留「何ですって!? 」


八雲「何で遊び人の金さんがそんなこと調べるんですか? 」


確かにそうだな、よし!


朱金「八雲、お前、秘密は守る方か? 」


八雲「まぁそうだけど 」


真留「遠や…金さん!? 」


朱金「別に構いやしねえよ、俺は普段は遊び人の金さんだが、その正体は北町奉行の遠山朱金ってんだ 」


八雲「き…北町奉行!? 」


朱金「このことは一部の奴しか知らねえから絶対内緒だからな 」


さて、一応口封じが終わったところで


朱金「それじゃあ俺が大声出して中にいる連中を出すから二人は出口で縄を引っ張ってくれ 」


真留「出てきたところをつまずかせるんですね 」


八雲「何が起こるのやら? 」


とにかく作戦開始だ!


二人から離れた俺は入り口に立つと


朱金「あーっ!!逢岡想が近くで警備してるぞ!?まっすぐこっちに来やがるぞ!! 」


と叫んだんだ。


すると


ガラッ!!


男達『ひぃっ!? 』


計算通りに中にいた男達は出口から出てきやがったが


八雲「それっ!! 」


真留「えいっ!! 」


ぐぐっ!!


男達『うわっ!? 』


バッターンッ!!


八雲と真留が張った縄に引っ掛かって転びやがった。


これにて一件落着!


後はしめしめ…


八雲視点


あれからその後、ここは北町の管轄ではないということで俺からの連絡を受けてやって来た南町奉行の想さんが連中を逮捕しに来た。


どうやらあの男達は大江戸学園では禁止されている18禁の春画円盤(エロディスク)を輸入して夜な夜なこっそり見ていたらしい


かくして連中は捕まったわけなのだが


真留「悪人を逮捕するなんてさすがは遠山様ですね 」


朱金「がははっ!そんなに誉めるなっての! 」


しかし、怪しげな声だけで攻めようだなんてやはり奉行はすごいなと思った俺だったが


ぼとっ!!


八雲「んっ?金さん、何か落としたよ 」


真留「えっ? 」


朱金「あっ!? 」


俺は朱金が落としたものを見てみた。


それは…


バァンッ!!


奴らが見ていた春画円盤の一つであった。


これを見た真留は


真留「さては私達がやって来た時にこっそり自分も見ようと思ってましたね!! 」


朱金「いや、その!? 」


どうやら図星だな


真留「仮にも奉行が何をしているんですか!!今日は今日の分の仕事を終わらせるまで寝かせませんからね!! 」


朱金「げぇっ!?そりゃねぇぜ!? 」


自業自得だな


朱金「とりあえず俺は仕事をしたくないから逃げさせてもらうぜ!あばよ八雲! 」


真留「あっ!待ちなさい!御用です!! 」


果たして朱金は真留から逃げられるのやら


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