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越後屋騒動・後編

変化八雲再び!

越後屋視点


越後屋「はじめ、よく来てくれおったな 」


はじめ「ボクは旦那(越後屋)の用心棒だから当然のことだよ 」


及川「うぐぐ!? 」


うちはブ男眼鏡を押さえとるはじめに言うと


越後屋「秋月はん、あんたも観念しや! 」


八雲「ひっ!? 」


次はうちの胸を揉んだ秋月はんをこらしめなあかんな


とうちがはじめに命じようとしたその時や!


兄貴「越後屋!邪魔するぜ! 」


バンッ!!


人相の悪い男達が数人入ってきたんや。


及川「じゃ…邪魔するんやったら帰って!? 」


弟分達『あいよっ! 』


スッ!


ブ男眼鏡の言葉につられて弟分達はそのまま去ろうとするんやけど


ゴチゴチンッ!!☆ミ


兄貴「テメェら馬鹿か!!何つられてやがるんだ!! 」


弟分達『す…すいません!? 』


兄貴っぽい男が去るのを止めおった。


ちっ!もうちょいやったのに!!



ってあれ?こいつらどっかで見たことある(つら)やな


越後屋「思い出したわ、確かあんたらは前にうちに金を借りに来た奴らやったなぁ 」


兄貴「おうよ!以前あんたに『あんさんらみたいなブ男に貸す金なんてありまへんからお帰り』と言われて俺達が腕ずくで借りようとしたらそこにいる佐東はじめにボコボコにされた奴らだよ! 」


えらい説明口調な奴やなぁ、誰に話しとるんやろか?


越後屋「それでうちに仕返しに来たわけちゅうことか、しかしあんさんらも馬鹿ですな、また痛い目に遭いたいやなんて、はじめ! 」


スッ!


うちははじめを呼び寄せると


シュッ!


はじめ「今度は腕の一本でも折られたいようだね 」


はじめは奴らに向かって構えた。


奴らは大人数やけど所詮はじめの相手にはならへんで


兄貴「佐東はじめ、お前の弱点は知っているんだよ! 」


スッ!


兄貴は袋に手を突っ込むと


兄貴「そらよっ!! 」


ぽいっ!!


何かをはじめ目掛けて投げおった!


その何かとは…


にゃんっ♪


一匹の子猫やった!


だがはじめは子猫を見た途端


はじめ「猫! 」


パシッ!!


はじめ「よしよし 」


はじめは悪党には目もくれずに猫を抱き締めてあやしたんや


八雲「何が起こったんだ!? 」


秋月はんが驚いとると


及川「そういえばはじめはどこぞの隠密のように大の猫好きでな、猫を見れば越後屋の指示も聞かなくなるんや!? 」


ブ男眼鏡が説明しおった


確かに今のはじめはうちの言うことなんて聞かへん、あいつらこれを計算して猫を…


兄貴「どうする越後屋さんよ、自慢の用心棒は使い物にならないぜ 」


悪党はそういいはるけど


越後屋「うちかて自分の命くらいは守りまっせ! 」


スッ…


うちは悪党目掛けて扇を繰り出そうとしましたが


パシッ!!


越後屋「あぁっ!? 」


兄貴「扇がなけりゃ剣魂も出せねえよな 」


悪党に扇を弾かれてしもうた!?


兄貴「さぁ越後屋さんよ、観念しな! 」


弟分1「おいそこの二人、怪我したくなかった大人しくしていやがれ!! 」


悪党共は秋月はんとブ男眼鏡に命じたのやった。


八雲視点


俺は越後屋から金を借りに来ただけなのにとんでもないことになった!?


何で俺が行く先々に事件が起こるんだ!?


俺は不幸の星のもとに生まれたのか!?


そんなことより新はどこにいるんだ!?


新さえいればあんな奴ら…


と新を探す俺だが、新はというと


新「くんくんっ!こっちからいい臭いがするな〜♪そういえばお昼まだだったんだよね〜♪ 」


新はこの時、のんきに飯を探していたんだ。


このままでは越後屋が大変な目に遭わされてしまう!?


及川、どうすりゃいいんだ!


と俺が及川の方を見ると


及川「観念しな越後屋!兄貴に逆らったのが運のつきやで! 」


あの野郎、悪党側に寝返りやがった!!


越後屋「この恥知らずが!! 」


及川「うっさい!!わいは強いもんの味方なんや! 」


最低だ、この男


兄貴「そんなことより越後屋さん、以前金を貸してくれなかったからその代わりとしてあんたの体を好きにさせてもらうぜ! 」


越後屋「えっ!? 」


及川「えぇっ!?バスト94の越後屋の体を好きなようにやて!?兄貴、最高ですね! 」


兄貴「お前は一番最後だ!! そらよっ!! 」


ぐいっ!!


越後屋「や…やめなはれ!? 」


悪党達は越後屋さんの服を無理矢理脱がしてきた!


及川「よいではないか!よいではないか♪ 」


あの馬鹿まで一緒にやりやがって!!


でもどうすりゃいいんだ!?


相手は数人いて実力も高い。


俺が何をせずに逃げ出せば怪我をしなくてすむ


ちょっと前に出会ったばかりの赤の他人である越後屋を助ける義理なんてない


このままこっそり逃げちゃおう


それが正しい選択であった。


だが俺は…


八雲「おいっ!あんたらやめろよ!! 」


ガシッ!!


越後屋さんを救うべく悪党達に食って掛かった


八雲「それ以上騒ぐと奉行所に報告するぜ!? 」


どうだ!悪党ってのは大抵警察関係に弱いんだよ!


ところがだ…


兄貴「奉行所だと?呼んでもらおうじゃないか!越後屋にしても奉行所を呼ばれると困ることになるんだからな 」


八雲「えっ!? 」


そういえば越後屋は金のためなら悪いこともしてるって聞いたっけ!?それってやばくね!?


兄貴「うっせぇから!!黙ってろ!! 」


ドンッ!!


八雲「がはっ!? 」


俺の抵抗もむなしく、俺は悪党に突き飛ばされると


ぐらっ!!


ドッシーンッ!!☆ミ


八雲「ぐえっ!? 」


棚に乗っていた狸の置物が落ちて俺の頭に命中した!


八雲「うぅっ…!? 」


がくんっ!!


そして俺は気を失ってしまったのだった。


あぁ、俺が気を失ってしまうとあいつが目覚めてしまう!?


越後屋視点


越後屋「秋月はん!? 」


うちを助けようとしたために!?


はじめ「猫、猫〜♪ 」


はじめは相変わらず猫に夢中で宛にならへん!?


兄貴「では邪魔者も消えたことだし、今から越後屋のストリップショーの始まりだぜ!! 」


ぐいっ!!


越後屋「いや〜っ!! 」


もうダメかとうちが思うたその時や!


八雲「待ちやがれ!! 」


兄貴「あんっ!! 」


バンッ!!


何と!?気を失っていたはずの秋月はんが起き上がっとったんや!?


でも何だか雰囲気が違うけどな


弟分1「大人しくしてろって言っただろうが!! 」


ブォンッ!!


悪党の一人が秋月はんを殴ろうとしたけど


パシッ!!


弟分1「なにっ!? 」


秋月はんは拳を受け止めると


八雲「こんなへなちょこパンチで威張るんじゃねぇよ!パンチってのはな… 」


ぐっ!!


秋月はんは拳を握ると


八雲「こう繰り出すんだよ!! 」


ドグボッ!!


弟分1「がはーっ!? 」


ピューッ!!


悪党をぶん殴ってぶっとばしおった!?


兄貴「な…何だテメェは!? 」


八雲「ケッ!俺は別にそこの女がどうされようが構わねえがこの体を傷つけられると俺が困るんだよ! 」


兄貴「わけわからねぇこと言いやがって!!野郎共、やっちまえ!! 」


弟分達『おぉーっ!! 』


ババッ!!


あいつら、今度は複数で攻めてきおった!?


さすがの秋月はんもヤバイかと思うたけど


八雲「雑魚共が!!俺の相手をするには数が少なすぎるんだよ! 」


ドカカッ!!


弟分達『ぐわぁーっ!? 』


秋月はんは相手の数なんて気にせんと次々と倒していきおった。


及川「やい!よくもやっくんに逆らいおったな!!悪党共め、観念せい!! 」


八雲「観念するのはテメェだコウモリ野郎!! 」


ドグボッ!!☆ミ


及川「がほっ!? 」


まぁあのブ男眼鏡はどうでもええけどな


兄貴「ひぃっ!? 」


八雲「残るはテメェだけだぜ大将さんよう! 」


秋月はんの迫力にさすがの悪党もビビっとった。


八雲「あの世で俺に歯向かったことを後悔しな!! 」


ブォンッ…


兄貴「ひぃーっ!? 」


秋月はんは悪党に拳を繰り出しおった!


そして当たりそうになったその時や!


ぴたっ!!


兄貴「えっ!? 」


秋月はんの拳が寸前で止まると


八雲「ちっ!?また肝心なところで目が覚めやがったな!! 」


がくんっ!!


秋月はんは一旦うなだれると


八雲「あれっ!?一体何が起きたの!? 」


秋月はんから怖い雰囲気が消えおった!?


一体どないしたんや!?


とうちが驚いとると


兄貴「急に怖くなくなったな!形勢逆転だぜ!! 」


ブォンッ…


八雲「ひっ!? 」


悪党が秋月はんに剣を振ろうとしたその時や!


バッチーンッ!!


兄貴「がはっ!? 」


バタンッ!!


突然悪党の顔にどんぶり鉢がぶつかって悪党を気絶させおった。


何でどんぶり鉢が飛んでくるんや?


うちが不思議に思うとると


新「ふ〜っ!?間一髪だったね八雲 」


八雲「新! 」


頬に米粒をつけた秋月はんの用心棒がおったんや


新「も〜、お腹が空いたから厨房に向かってご飯食べてたら急に物凄い音が聞こえて来てみれば八雲が切られそうになってたから危なかったよ 」


どうやら今までご飯食っとったらしいな


それから少しして、悪党共は全員捕まったわけやが


及川「何でわいまで捕まらなあかんねん!?やっくん、助けてな!? 」


八雲「そいつも悪党の仲間です 」


及川「この薄情もん!! 」


まぁ、あのブ男眼鏡は自業自得やな


越後屋「そや秋月はん、お金を渡さなあかんな。助けて貰たわけやし、奮発しといたで 」


八雲「本当ですか!ありがとうございます 」


スッ!


そう言ってうちは秋月はんにわずかな金が入った小袋を渡したんや


八雲「あれっ?奮発しといてくれたんじゃ? 」


越後屋「店をボロボロにして、飯をタダ食いして、おまけにうちの胸を揉んだんやから当然や 」


八雲「さ…最後のは不可抗力じゃ!? 」


それでもいくらかサービスしといた方やで


八雲「まぁこれだけあれば少しは団子が買える。帰るぞ新! 」


新「あっ!待ってよ八雲! 」


そして秋月はん達が去った後


はじめ「ごめんね旦那、ボクが猫に夢中になっていたばっかりに 」


越後屋「別に構わへん。その代わりこれからは今まで以上に頑張ってもらうではじめ 」


はじめ「うん 」


うちははじめと共に店に戻ったんや


八雲視点


新「越後屋ってやっぱケチだよね!助けてあげたのにこれだけしかくれないだなんて 」


八雲「まぁいろいろしたのは事実だからな 」


原因の一部は新にあるんだけどな


でもまたあの力が発動してしまった。俺が弱いからだ!


俺自身が強くならなきゃな!


新「八雲〜、お腹すいた 」


八雲「さっき越後屋でたらふく食ったばかりだろうが!! 」


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