八雲堂本日開店!
いよいよ八雲堂が開店するわけなのですが…
八雲視点
ガラッ!!
八雲「ん〜っ!今日はいい天気だ。こういう日にはいいことが起きるといいな♪ 」
と家の扉を開けた俺がいかにも不幸の日になりそうなフラグを立てていると
新「おはよう八雲! 」
八雲「新! 」
新がやって来た。
新「今日からお店を開店させるんだよね。あたしも開店準備手伝うよ! 」
八雲「ありがとな 」
新は店の用心棒を任せたというのに進んで手伝いをしてくれる新に感動する俺だったが
新「いやなに、別にご飯が食べたいから手伝おうってわけじゃないよ。せめてご飯一杯だけでもってわけじゃないからお構い無く… 」
100%己の食欲のためだけどな
まぁそれはさておき、昨日俺が大江戸学園にやって来た日に置き引きされるは、誘拐されるは、あいつが復活してしまうはの騒動が山程あったわけだが
今日から俺の店が開店することになったんだ。
以前にも説明したと思うが大江戸学園では自給自足の生活が当たり前であり、自分で食べる分は自分で稼がなくてはならない。
そしてこの大江戸学園にいるのはみんな学園の生徒や教員であり、売るのが生徒なら買うのも生徒のような状況だ。
てなわけで俺も生活費等を稼ぐために茶屋・八雲堂を開店させたわけなのだが
開店してから30分経つというのに
がらんっ!
俺の店には猫の子一匹通らなかった。
おいおい悪商人!ここは条件がいいんじゃねぇのかよ!!
と俺は今は牢に閉じこめられている悪商人に文句を言うのだが
俺の店に客が入らないのには理由があった。
それは…
新「そういえば八雲、このお店って看板と暖簾がないね 」
まだ店を始めたばかりなため看板と暖簾がなく、回りの人から見ればただの民家でしかないからである。
金がないため看板や暖簾を買う金がないからだ!
八雲「まぁたとえあったとしてもあの店があるからな 」
ちらっ!
と俺は近所にある店・ねずみ屋を見つめた。
その店は…
ずらんっ!!
何と!?うちと同じ茶屋であった。
まぁうちと違って貧乏茶屋じゃなくて行列ができるほど人が並んでいる有名な茶屋なんだけどね
茶屋の近くに茶屋があれば目立つのは当然豪華な方である。
八雲「せめてあっちの客の半数は来てほしいもんだよな 」
と俺が愚痴をこぼしながらも掃除をしていると
?「あーっ!! 」
突然大きな声が聞こえてきた。
声のする方を見てみると
?「やっぱり秋月じゃない!! 」
バンッ!!
そこには赤髪っぽいツインテールの女がいた。
その人は俺を見て驚いていたが
八雲「あ…あなたは!?…すいません。誰でしたっけ? 」
ずでんっ!!
俺がそう言うと彼女は派手に転んだ。
由真「あんたねぇ、クラスメートすらも覚えてないの!!あたしの名前は子住由真よ!! 」
そういえば同じクラスにいたっけな
登場も1話以来だから読者も忘れているだろう
でも何でその娘がここに?
まさか!?
八雲「いらっしゃいませ!開店一人目のお客様です。さぁさぁこちらにどうぞ 」
俺はお客だと思って接客するが
由真「違うわよ!! 」
拒否られてしまった。
由真「そんなことよりこれを見なさいよ! 」
ビシッ!!
子住さんは自分の胸を指さした
それを見た俺は思わず
八雲「おっぱいがどうかしたの? 」
と聞いた瞬間!
ドガバキンッ!!☆ミ
由真「あんたねぇ、セクハラで奉行所に訴えるわよ!! 」
八雲「す…すいません!? 」
俺は子住さんにボコられてしまった。
新「もう八雲ったら、女の子に対してテレパシーがないんだから 」
八雲「それを言うならデリカシーだろ!! 」
俺が新に突っ込んでいると
むにゅんっ♪
及川「うむ!新ちゃんと比べると少し小さいがおっぱいに異常無し! 」
及川が後ろから子住さんの胸を揉んでいた。
そしてその直後
ドガバキンッ!!☆ミ
由真「どうやらここで死にたいようね!! 」
及川「ごめんなさい!? 」
俺以上にボコられてしまう及川であった。
由真「そんなことより!これとあれを見なさい!! 」
ビシッ!! ビシッ!!
子住さんは再び自分の胸…いや、よく見てみるとエプロンのマークを指さしている!
そしてもう片方の指はねずみ屋のマークを指さしていた。
ってあれ!?同じマークじゃないか!?
ってことは…
由真「まだわからないの!ねずみ屋は私の店よ! 」
何ですと!?ねずみ屋は子住さんの店だったのか!?
由真「ったく!チンピラ雇って店を奪うわ、店の回りにウ〇コをばらまいてまで占領するような真似までして店を手に入れたくせに、逢岡さんだって脅して認めさせたんでしょう。いいこと!うちの店にまで悪影響を与えたら即刻奉行所に報告するから覚悟なさい!! 」
何から何まで俺が悪いような言われ方だが
八雲「ちょっと待って… 」
俺が弁明しようとすると
客「すいません。注文お願いします 」
ねずみ屋のお客が言った瞬間
由真「はいは〜い♪ 」
サッ!
さっきまでの怒りはどこへやら?
子住さんは笑顔でねずみ屋に戻っていった。
あの変わりようは一体!?
及川「子住由真。ねずみ屋の次女でバスト80。少々気が強く、店でセクハラしてくる客には蹴りを食らわせるがそれが好きという客もちらほらいる 」
八雲「及川、お前詳しいんだな!? 」
及川「わいの特技は情報収集(主に女)やからな、しかしまぁやっくんも大変やな、よりにもよって近所にねずみ屋があるんじゃ売り上げの勝敗は目に見えとるで 」
八雲「別に競いあってる訳じゃないからいいんだよ! 」
及川「まぁ頑張りな、ほなごちそうさん!では、わいはこれで 」
そう言うと及川は去っていった。
何しに来たんだあいつは!?
んっ?ごちそうさん?
俺が考えていると
新「八雲〜、全然お客が来ないね 」
八雲「言うなよ、むなしくなる 」
もはや開店休業状態だな
この時、俺は新に話しかけられたためさっきのことを忘れてしまっていた。
そして客が来ないので仕方なく店を閉じようとしたその時だ
?「もしもしそこの店主 」
八雲「はい? 」
俺は誰かに声をかけられ、振り向いてみると
バンッ!!
そこには髪は薄黄色ロングで小柄な女の子と黄緑ツインテールの女の子がいた。
じ〜っ…
黄緑ツインテールの女の子はねずみ屋の方を指をくわえながら見ていたので俺はまたねずみ屋の関係者が注意しに来たのだと思ったが
次の瞬間!
?「席は空いておるかのぅ? 」
この言葉を聞いた俺はビビッと感じた。
この人は客だ!
そして俺は考えるよりも先に
八雲「いらっしゃいませ!こちらにどうぞ! 」
直ぐ様接客をするのだが
新「あっ!ミッキーとゆかりんじゃん 」
お客を見た新がそう言った。
八雲「えっ!?この人達は新の知り合いなのか!? 」
俺は新に聞いてみると
新「そうだよ。こっちがみと… 」
新が名前を言おうとすると
光姫「御堂光姫じゃ 」
先に光姫さんが言ってしまった。
光姫「そしてこっちがお供の八辺由佳里じゃ、これいつまでねずみ屋を見とるんじゃ 」
由佳里「す…すいません光姫様!? 」
こっちの由佳里って娘は第一印象からしてうっかり屋だな
由佳里「だってねずみ屋で食べたかったのにあんなに行列ができるんじゃ食べられないので 」
光姫「これ! 」
由佳里さんを静める光姫さんだが
八雲「まぁお茶でも飲んでいってください 」
がくんっ!!
光姫「すまぬな 」
由香里さんの台詞からしてねずみ屋で食べられないからうちに来たと推測した俺は多少のショックを受けた。
まぁお客様第一号なんだし、茶菓子をご馳走するか!
と俺は厨房に向かったのだった。
新視点
新「そういえばミッキー、何で来たの? 」
八雲が厨房に行っている間にあたしがミッキーに聞いてみると
光姫「お主が用心棒を引き受けたと聞いて様子を見に来たのじゃよ 」
新「失礼だな〜!ちゃんと用心棒してるよ! 」
あたしはミッキーに言うけど
光姫「いや、わしが心配してるのは… 」
とミッキーが続けて言おうとすると
八雲「あーっ!? 」
厨房から八雲の悲鳴が聞こえてきた。
もしかして厨房に悪人が!?
新「どうしたの八雲!? 」
ザッ!
あたしが厨房に駆けつけると
八雲「よ…用意しておいた茶菓子がなくなってる!?今朝は確かにあったのに!? 」
茶菓子が消えていることに驚く八雲
新「あっ!あれ見て八雲 」
八雲「どうした新? 」
その時、あたしは気づいた。
『やっくん、情報料として茶菓子はもらったで 及川 』
と書かれた紙があることを
それを見た八雲は
八雲「あの野郎ーっ!! 」
ドッカァーンッ!!
八雲はまるで怒りの火山が噴火したかのように怒りまくった。
こんな八雲初めて見るよ!?
っていうか、及川め!あたしが茶菓子食べたかったのにーっ!!ずるいーっ!!
光姫「やれやれ、新がつまみ食いすると思って心配で見に来たが新じゃなくても大変そうじゃのぅ 」
とミッキーは思うのだった。