越後屋の危機!!イカサマ賭博の戦い!!・前編
八雲視点・八雲堂
それはある日の出来事だった。
サッサッ!
八雲「よし!これくらいでいいかな 」
俺が店の前の掃除をしていると
吉音「八雲!お腹が空いたからおやつにしようよ♪ 」
八雲「はいはい 」
吉音におやつを催促され、俺が店に戻ろうとしたその時だった。
はじめ「八雲、ちょっといいかい 」
バッ!
俺の目の前に越後屋さんの用心棒の佐東はじめが現れた。
八雲「久しぶりだね佐東さん、越後屋さんは元気かい? 」
はじめ「はじめでいいよ。旦那は元気さ、それより店の中に他の客はいないかい? 」
八雲「俺と新しかいないけど、それがどうかしたの? 」
俺が聞き返すと
はじめ「それならいいんだ。旦那、いまなら大丈夫だそうだよ 」
はじめが通りに向かって言うと
山吹「ほ…ほんまに誰もおらへんのやな!? 」
建物の影から越後屋さんの声が聞こえてきた。
はじめ「この店には八雲と新しかいないよ 」
山吹「わ…わかりましたわ 」
ダッ!
そして越後屋さんは建物の影から出てきたのだが
その姿を見て俺は驚いた。
何故ならいつもの越後屋さんは高級感あふれるリッチな服装なのだが
今の越後屋さんは…
バンッ!!
金色の下着を身に付け、藁葺き(わらぶき)で体を覆った姿だったからだ!!
八雲「え…越後屋さん!?そんな姿でどうしたんですか!? 」
一歩間違えば痴女扱いされますよ!?
山吹「話は店の中で話します!ですから今は黙っててくだはい!! 」
八雲「は…はい!? 」
そして仕方がなく俺は越後屋さんとはじめを店の中に入れたのだが
入れた直後に吉音が
『八雲が半裸の越後屋さんを連れてきたーっ!! 』
と騒いだのは言うまでもない
山吹「ふぅ、相変わらず秋月はんのお茶はうまいなぁ 」
はじめ「煎餅もおいしいです 」
とりあえず越後屋さんには俺の予備の上着を着せたわけだが
二人は先程からのんびりしていた。
だがこのままのんびりしてもらうわけにもいかない
八雲「あのぅ越後屋さん、そろそろ理由を話してくれませんか 」
吉音「そうだよ。いつもの豪勢な感じじゃなくて何でそんな貧乏そうな格好してるの?最近のニューファッション? 」
こんなファッションがあるかよ
山吹「まぁ秋月はんには茶もごちそうになったし、かくまってももらったわけやし話しましょ。ですが今から話すことは誰にも言ってはいけませんで 」
八雲「わかりました 」
そして俺と吉音は越後屋さんの話を聞いてみることにした。
越後屋視点
切っ掛けはうちら裏の商人が賭け事をしてる隠れ賭場で起きたんや
ころんっ!
山吹「フフッ!またうちの勝ちやなぁ 」
その日のうちはえらい勝ちまくっとったんや
すると
加瀬木「よう越後屋さん、今日は儲けまくってるじゃないの 」
山吹「加瀬木はん 」
賭場を仕切っとる加瀬木はんがうちに絡んできたんや
加瀬木「そんなに儲けてるならチンチロもいいけど、うちで一番儲けられる賭博でもしない? 」
そしてうちは加瀬木はんの口車に乗せられて
山吹「わかりました。やりましょか 」
その賭博をすることにしましたんや
ところがこれが悲劇の始まりやったなんて、この時のうちは知らへんかったんや
加瀬木「うちで一番儲けられる賭博、それはタイマン丁半だ 」
山吹「タイマン丁半やて? 」
丁半いうのは簡単に言うと二つの賽を転がして器などで蓋をして、出た合計目が丁(奇数)か半(偶数)かを当てる賭博や
複数でやるやつやからそんなに多く儲けられるものやないと思うけど
加瀬木「普通の丁半ならそうだが、こちらでは特別ルールがいくつかある!まず一つ目は複数じゃなくて1VS1のタイマン勝負!二つ目は賽を二つじゃなくて三つ転がす!三つ目は任意だが数字当てをすることができ、見事当てた場合、丁半より強く勝つ! 」
な…なんやて!?
つまりもしAとBがこいつをやって
Aが賽の目を2、5、6の丁と選択して
Bが安全策で丁と選択した場合
もし丁(奇数)が出て尚且つAが言った数字が当たっていた場合
数字が当たったAの勝ちいうわけか
やけどもしAの選択した数字が一つでも外れとったらBの勝ちってわけやな
山吹「えぇで!相手になりましょ 」
加瀬木「そうこなくっちゃな越後屋さん! 」
こうしてうちと加瀬木はんのタイマン丁半が始まったわけや
ちなみに数字の区別がつけるよう賽の色は白、黄、黒になりましたんや
まぁ数字当てするやなんてするわけないから別にええけどな
ころっ!
山吹「丁や! 」
加瀬木「半! 」
バッ!
山吹「賽の目の計は丁(奇数)、てことはうちの勝ちやな 」
加瀬木「くそっ!? 」
その後も勝負はうちが優勢やった
ところが終盤になると
山吹「半や! 」
うちが賽の目を言ったその時や
加瀬木「2(白)、6(黄)、4(黒)の半! 」
バンッ!!
加瀬木はんが数字どころか色まで指示したんや!
せやけど数字だけならともかく色まで指定するなんて
当たる確率は216分の1や、宝くじ当てる方が確率高いで
とうちは思っとったんやけど
バッ!
山吹「なっ!? 」
何と!?賽の目どころか色まで加瀬木はんの言った通りやった。
加瀬木「越後屋さん、俺には幸福の神様が宿っとるんでっせ、身ぐるみ剥がせてもらいまっせ 」
山吹「くっ!? 」
そしてうちも対抗すべく
山吹「1(白)、4(黄)、5(黒)の半や! 」
数字色当てをしたんやけど
山吹「なっ!? 」
うちの指定した数字は全然出えへんかった。
その後、繰り返していくうちに
山吹「くっ!?/// 」
バンッ!!
うちは店の権利書、衣類は下着以外を奪われてもうたんや
加瀬木「越後屋さん、次はそのブラをいただきましょうかね♪ 」
やけども
山吹「み…見ときなはれ!次はあんたを任したるさかいな! 」
サッ!
うちは賭場から去ったんや
そして現在
山吹「んでもって店も取られたし、他に寄る当てもなかったから秋月はんのとこに来たわけや 」
八雲「はぁ… 」
吉音「迷惑な話だよね 」
八雲視点
越後屋さんから話を聞いた俺は
八雲「だったら俺なんかより奉行所にでもいけばいいんじゃ… 」
山吹「それはあきまへん!!一応うちかて悪どいことしてきましたんやで、それに現場は奉行所に見つからない隠れ賭場や!見つかったらうちまで逮捕されますがな 」
それって自業自得なんじゃ
吉音「でもさ、その加瀬木って人ってすごく運があるんだね 」
八雲「なわけないだろ!イカサマしてるに違いないさ 」
はじめ「やはり八雲もそう思うかい、でも旦那の近くにいたボクも賭博を見ていたけどイカサマを見抜けなかったよ 」
イカサマは見つからなければ大丈夫な手だしな
下手にイカサマだと言っても相手が使った手を見抜けなければ意味がない
山吹「とにかく!うちは加瀬木はんにリベンジするんや!秋月はんも協力してな! 」
吉音「八雲、悪い奴をこのままのさばらせちゃダメだよ 」
確かに吉音の言う通りだ
八雲「わかりました。力になれるかどうかはわかりませんがとりあえずその賭場に… 」
行きましょうよ!と続けて言おうとしたその時!
ドンドンッ!!
由真「ちょっと秋月!昼間っからなに店閉めてるのよ! 」
げっ!?あの声は由真!?
まずい!?下着姿の越後屋さんなんて由真に見られたら変に誤解されて殴られる!?
ここは居留守を…
吉音「あーっ!その声は由真ちゃんだね 」
吉音のバカヤローッ!?
由真「出掛けてるかと思ったらいるんじゃないの!早く開けなさいよ! 」
八雲「は…はい!? 」
仕方がないので俺は
八雲「新!越後屋さんに着いてって先に賭場に向かえ!俺はあとで必ず向かう! 」
吉音「わかった! 」
吉音を先にいかせたのは携帯で連絡をとるためだ。
バッ!
そして裏口から越後屋さん、吉音、はじめが出ていくと
八雲「待たせたな由真!? 」
ガラッ!
扉を開けて由真の相手をするのだった。
由真「何で店を閉めてるのよ!何で早く出ないのよ! 」
八雲「ちょ…ちょっと昼から腹の調子が悪くてトイレにこもってたんだ。そっちこそ何の用だよ? 」
由真「あたしは回覧板回しに来ただけよ。はい! 」
何で学園内なのに回覧板があるんだよ!?
とにかく俺は吉音達に追い付くため急ぐのだった。
越後屋さんの方言が違うかもしれませんが気にしないでください




