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ゆめみるゆめ
恋をする夢をみていた。
抱いてはいけない恋だった。
同性への想いだったのか、横恋慕だったのか、それとも別の誰かにだったのか。
思い出せないが、見つめているだけで辛く、甘く、泣き出したくなる感情だけが目覚めても残った。
教室の机に腰掛け、肘を付き頬杖にし、誰かをみていた。
接触は必ず空気を介し、肩先ですら触れたことはない。話すことも二言、三言。
そんな相手に恋をしていた。
どうしてだろう。恋は他にも芽があったのに、その恋しか育たなかった。
してはいけない恋だった。
みてはいけない夢だった。