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オゼリアプルートの冒険日記  作者: 鳳 翔平
8/53

第8話 嵐の後で

今朝の天気はと……


おおっ、カーテンを開けると、見事な快晴!


昨日の嵐が嘘みたい。青空はどこまでも高くて、雲ひとつない。


……でも、その分、昨夜はひどかった。


びゅうびゅうと吹き荒れる風に、窓ガラスが鳴って、

屋根を叩きつける雨の音がまるで太鼓のようだった。


おかげで、ろくに眠れず……今、めちゃくちゃ眠い。


目の下にクマができてないといいなあ……


ふらふらと玄関を開けて外をのぞくと、

通りにはいろんなものが散乱していた。


木の枝、バケツ、よく分からない鉄のパーツ、そして……


(ん?)


我が家の玄関の屋根が、ない。


……うん。ないね。完全に飛んでってる。


(……まいったなぁ)


これは……大工さん呼ばなきゃだなあ。

ああ~、また余計な出費が……財布が薄くなる音がする……


でもまあ、ひとまずお腹すいた。

まずは朝ごはんを作ろう。現実逃避も兼ねて。


冷蔵庫から材料を取り出して、パンケーキの生地を準備。


フライパンにバターをひいて、ジュッと音がして……

生地を流し込み、フタをして、火加減を中弱火に。


……5分。


……まだかなー。


……そろそろ、いい感じの甘い香りが……


と思ったそのとき、


「ぷもーん」


(……え?)


フタを開けると、そこには――


なにか、こう……わたあめ? いや、もっとふわふわしてる。

でも明らかに、顔がある。目と口がついてる。


しかも、浮いてる。


「ぷもーん」


(……またか)


これ、たぶん……というか間違いなく、


リアさんにもらった「お詫びの砂糖」から出たやつだ。


あれ、どう見ても砂糖じゃなかったよね。

ラベルも「しゅがー」じゃなくて「しゅごー」とか書いてあったし。


「ぷもーん……」


……こっち見てる。懐いてる?


どうしようこれ。食べられるの?

いや、食べちゃだめな気がする。


とりあえず……牛乳をあげてみようかな。


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