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オゼリアプルートの冒険日記  作者: 鳳 翔平
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第57話 坑道に響く足音と、石の声

やって来たのは、ハミハル鉱山。

タートルヘッドの街から西へ、馬車でのんびり一日半。

多種多様な鉱石が採れるということで、鉱山の周囲には小さな鉱山町まで形成されている。


今回の遠征メンバーは、僕・メルディ・メイ・リシェーラさん・レーベン・そしてクリスさんの六人。


アンちゃんは今回はお留守番。いざというときは召喚で呼べばいいし、なんせこの鉱山、素材の宝庫だからね。回収した素材を魔女の首飾りで物置に転送して、それをポータル経由で運んでもらう──そんな物流管理も必要だから、ジャニスとインプくんたちにもお留守番をお願いしてきました。


リアさんも今回はお留守番です。


なんせ鉱物素材がたくさん取れる所ですから。

ギルドでご飯を食べながら、前にノルズに行った時のことを思い出したメルディが

「きっと魔物を倒すたびに動かなくなる」

って言ったのを聞いたマスターとライアンさんが首を縦に振ったことで、泣く泣く残留決定となりました。


何かいい素材があったらお土産に持ってきてくださいね〜、と出発の時にいつまでも馬車に向かって手を振っていました。


さてさて、ギルドに依頼を出したのはこの鉱山の親方さんらしいのでさっそく会いに行ってみましょう。


ーーーーー


「おう、依頼を受けたってのはお前らかい」


詰め所から出てきたのは、絵に描いたようなドワーフの鉱夫さん。いや〜、その髭が貫禄ありますね。


「冒険者パーティー、水鏡の月光です。僕がリーダーのオゼリアプルート」


「よろしく頼むぜ、若いの。まあ、俺らドワーフだけなら魔物の10匹や20匹出てきたって問題はないんだが、人間の鉱夫じゃ魔物の相手しながら採掘なんて出来んからな」


「坑道の中、そんなにひどいんですか?」


「酷えなんてもんじゃねぇ。なんせ視界の中に魔物がいねえ事がないんだ。どこから湧いてるのか知らねぇが、あれだけいるんじゃ坑道の中はびっちりだろうよ」


マジですか〜、依頼受けて失敗だったかも。

でも素材がたくさん手に入るのは魅力なんだよね。


「まあ、やるだけやってみますか。ところで、魔物を倒したドロップ品は本当に全部もらっていいんですよね」


「ああ、自由にしてくれ。俺たちは安全に仕事が出来るようになればそれでいい」


わかりました。とりあえず様子見を兼ねて、さっそく坑道に向かいましょう。


ーーーーー


坑道に入ってわずか数十メートル。


クリスさんが呼び出した光精霊ウィル・オー・ウィスプが照らす先にさっそく現れたロックオーガ数体。


あるじ、ここは私にお任せ下さい」

と、剣を抜き構えるリシェーラ。

「生身の肉体と、リッチとなったこの肉体の能力の相違を確かめたいのです」


そういうことなら任せたよ、リシェーラ。


ロックオーガの下へ駆け行くと、咆哮とともに横薙ぎ一閃。その岩の肉体は砕け散った。


「やるね〜、リシェーラ」


そういう僕にリシェーラが

「いいえ。力が万全ならロックオーガごとき、砕くことなく斬ることが出来たはずです。剣速はわずかながら落ちていますね」


これで万全じゃないんですか?


するとメルディが

「テイムモンスターの能力は術者の能力に左右される。そういうことならオゼリアプルートの能力が足りてない」


はいそうですね。まだまだ未熟なのは実感してますよ。

精進いたします。


さて、上層の方はロックオーガにロックベアー、岩系の魔物ばかりだね。でも奥に行くにしたがって、だんだん強力な鉱物系の魔物が出現してきた。


鉄鋼魔人にメタルデーモン、ゴールドスライム。


おっ、やった。クリスタルローブの群れ発見。


粉々になったクリスタルローブの残骸を回収してると、奥の方からミスリルゴーレムが。


「やっぱりおかしいよ、あれを見て確信した」と、レーベン。


「自然発生したゴーレムにしては挙動がおかしいんだ、

何かの支配を受けてるね。でも、術者の支配にしては妙なんだよな〜」


腕組みしながらしばらく考えると。


「岩石、鉱物系の魔物ばっかり発生させて、ゴーレムまで生み出すとなると……アースエレメンタルの自然発生か、それとも掘った先がアースドラゴンの巣穴にでも繋がっちゃったかな」


それって……


「うん、控えめに言っても激ヤバだね」


いやいや、激ヤバって……


「感じるよ。この下にヤバそうな気配が」とメイ。


「私は何も感じない」というメルディにメイが、

「ボクの世代型は感知能力も強化されてるからね、単純な肉体能力ではメルディには負けるけど」


あるじ、夜になるのを待って、坑道の中にゴーストを放つのはどうでしょう」とリシェーラさんからの提案。「ゴーストは物理攻撃は効きませんし、夜ともなれば多少能力も上がるでしょう」


「それなら僕も…」


ルーベンがまわりから手頃な石を拾っては、ミニミニゴーレムを量産している。


「コイツらにも探索させるよ。視覚は僕とリンク出来るし、小さいから目立たないしね」


よし、今日のところはこれで戻ろう。

坑道の中に残したゴーストと、レーベンのミニミニゴーレムに、一晩かけて坑道の中を探索してもらおう。


坑道から出ると空は夕焼けの赤を通り越して、紫色になっていた。


「明日からは坑道の中で寝泊まりすることも考えた方がいいよ。出入りする時間がもったいないからね」


クリスさんの言葉に頷くみんな。


そういえば、坑道に入る前にもらった見取り図の中に、所々休憩所がある事になってる。寝泊まりはここを使わせてもらおう。


「そういえばさ、姿を見たわけじゃないから確証はないけど、所々にゴブリンの痕跡があったような気がしたんだ」とクリスさん。


えっ、ゴブリンですか?


「もしかしたら気のせいかもしれないし…でも、一応用心だけはしようか」


そうだね、用心にこしたことはない。

でも岩石鉱物系の魔物の発生にゴブリンまで?


なんか予想の斜め上を行くような事態が発生してそう。

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