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オゼリアプルートの冒険日記  作者: 鳳 翔平
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第50話 ―転機の羊―

スケルトル・ジャイアントの巨大なメイスが、僕たち目掛けて振り下ろされる。

ド派手で大振りな攻撃は、避けるのはそこまで難しくない。問題はその破壊力。

味方も地形もお構いなしでぶっ叩くもんだから、

攻撃が当たるたびにスケルトン素材が増産されていくっていう悪夢のような状況だ。


加えて、赤い鎧のスケルトン、リシェーラの猛攻が止まらない。

どう見ても僕より剣の腕は数段上。

メルディも踏ん張ってくれてるけど、二人がかりで互角って時点で嫌な予感しかしない。


そこに追い打ちをかけるように、宙に浮かぶ黒ローブ――ルーベンが火の魔法で援護射撃。

さすがにジャイアント3体を操りながらの攻撃なだけあって精度は高くないが、鬱陶しいったらありゃしない。


「ブリュー、あの黒ローブ……火の魔法も使えたんだな?」


『そりゃそうだろ。副官やってたくらいだしな。魔法の二刀流くらい朝飯前さ』


「なら――魔法には魔法をぶつけるだけだ!」


僕はすぐにジャニスへ念話を飛ばす。


「ジャニス、状況は?」


(生徒たちは全員無事。治療も完了しています)


「じゃあ、少しの間だけ離れてもらって、あの黒ローブの相手、お願いできる?」


(了解。そちらへ向かいます)


ジャニスがふわりと宙に浮き、氷の槍――アイシクル・ランスを次々と放つ。

ルーベンも応じるようにファイアボールで応戦。

両者の間に火と氷の光が交差する魔法バトルが展開されていく。


さらに、どこに潜んでいたのか、ブリードも空中戦に加勢。

その口から吐き出されたのは――


「……ダイアモンド・ブレス!?」


上級魔物しか使えないはずの氷属性のブレスを吐きやがった!

さすがはフロストドラゴンの血筋、伊達じゃない!


「オゼリアプルート、上!」


メルディの叫びに顔を上げた瞬間、

赤い魔剣が僕の頭に一直線。


(まずい! 間に合わない!)


僕は咄嗟に頭をずらし、なんとか致命傷は回避――


キィィィィンッ!


耳をかすめて肩に当たった魔剣が、甲高い音を立てて弾き飛ばされた。


(……な、何が!?)


あ――思い出した。

僕が今着てるのは、ノルズの防具屋で買った《白銀鏡の鎧(ミラーアーマー)》じゃないか。

受けた斬撃や魔法を「反射」するという、チートっぽい効果付きの防具だった!


「これは……俺のステージだ!」


僕は剣を構え直し、メルディに声をかける。


「メルディ! 赤いやつは僕がやる! 巨大ゴーレムは頼めるか?」


「了解。早めに終わらせる」


メルディは大斧を振り回し、スケルトル・ジャイアントへ突進。

僕も、グランとブリューの柄を握り直してリシェーラと再対峙する。


リシェーラはまた首を傾げ、まるで「なんで剣が効かないの?」とでも言いたげ。

再び魔剣を拾い、今度はより素早く、鋭く、僕に襲いかかってくる。


けど、もう油断はしない。

鎧が斬撃を弾くからって、素肌の部分に当たったら終わりなのだ。


繰り返される斬撃を何とか受け流し、

一瞬のチャンスを――待つ。


……10分? 30分? 体感では一晩斬り合ってる気がする。


そしてその時がきた。


突き構えに変わったリシェーラ。魔剣の切っ先が心臓を狙ってくる。


キィィィィン!


またも弾かれた。今だ!


「グラン――いっけぇええええっ!!」


渾身のカウンターを突き出したその瞬間――


ガンッ!


――目の前に飛び込んできた盾。


スケルトン戦士、まさかの盾受け。

それも、体勢を崩さず。信じられない防御技術。


(……え? 錆びたただの鋼の盾じゃないの?)


そこに、背後から聞き慣れた声が。


「旗色が悪いねぇ、死霊使いくん。手を貸そうか?」


振り返れば、ニヤニヤ笑うクリスさん。


「いいんですか?」


「聖水球はもう使い切っちゃったけどね。武器が無いから、今ナイフ探してたとこ」


ナイフか――それなら!


「これを!」


僕は倉庫から魔女の首飾りを通して取り出した短剣を差し出す。


「アーマーキラー。鎧や盾を腐食させる魔剣です」


「これは……いいものだ!」


クリスさんは嬉々としてそれを受け取り、盾スケルトンへ突貫。


「アレは任せた! 俺はこっち!」


僕は再びリシェーラへ向き直る。


……と、そんな時だった。


「ん? 影が騒がしい? ていうか、制御が……効かない?」


直後、全身から力がスーッと抜けていく。


「……え?」


ガクンッと膝をついた僕を襲う激痛。

頭、胸、腹、足先、指の先――全身が灼けるように痛い!


「っぐ……! ブリュー……グラン……!」


手放してしまった二振りの剣が、床に落ちる。


(まずい、視界がぼやけてきた……)


ゆっくりと近づいてくるリシェーラ。

その魔剣が、僕に向かって振り上げられる。


――終わった。そう思った。


「……っ!」


でも、斬撃はいつまで経っても僕に届かない。


何が起きている……?


視界が少しずつ戻っていく。


そして、見えた。


僕とリシェーラの間に立ちふさがる、もふもふした――


ピンク色の羊。


「………………は?」

みなさま明けましておめでとうございます。


今年もつたない文章にお付き合いくださいませ。


さて、いつの間にか評価が10pt→12ptになっていました。

ちょっとだけうれしいです。

こんなつたない文章に評価をしていただき大変ありがとうございます。


更新が遅く大変申し明けなく思っています。

プロットはほぼ完成しているのですが、なんせ文章にするのが苦手で・・・

今年は最低でも2週間に1回は更新していくのを目標にしたいと思います。

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