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オゼリアプルートの冒険日記  作者: 鳳 翔平
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第49話 亡者の将と巨骨の影

目の前の景色が淡い光に包まれ、やがて白一色に染まる。

その直後、全てが黒に落ち、まるで重力が失われたような感覚。


――その世界から、宙に放り出された僕は、かろうじて体勢を整えて着地した。


ここが69階層。 ホログラムで見た通り、小ぶりな階層とはいえ、幅100メートル、奥行き300メートルはありそうだった。


すぐにグランとブリューがかすかな魔力光を放ち、周囲を照らしてくれる。

メルディとクリスさんも無事に着地。 ……ライトロッドは盛大にすっ転んでいた。


「やはり座標設定が狂っている」 と、メルディが苦々しげに呟いた。


そのとき。


カシャン、ガシャン、カタカタ…… どこからともなく響く耳障りな機械音。

直後に女の子の悲鳴が空間を切り裂いた。


「今の声……生徒たちだ!」


クリスさんがポーチから巻物を取り出し、解き放つ。

「我が召喚に応え、闇を退けよ――出でよ、光の精霊ウィルオー・ウィスプ!」


召喚された精霊の灯りが天井を照らし、空間全体が明るくなった。

そこに浮かび上がるのは、おびただしい数のスケルトンたち。


「ここです! 助けてください!」


奥から聞こえる声。生徒たちは健在だ。

だが、それに気づいたスケルトンもこちらへと向きを変えてきた。


「ジャニス、来い!」


僕は即座に使い魔ジャニスを召喚。

女の子の幽霊とイチャついていた彼女の表情が一瞬で戦士のものへと変わる。


「わかりました! アンちゃん、またねっ!」


氷槍を放ちながらスケルトンを飛び越えていく。


「これで生徒たちは守られる。次はスケルトンの掃討だ」


グランを掲げて魔法剣を叫ぶ――「サンダーボルト・ブレイカー!!」 ……静寂。


「うそ……なんで?」


「アハハハハ! マジでやったよ、死霊使いくん!」 クリスさんが腹を抱えて笑う。


「……勉強不足」 メルディの冷たい一言が突き刺さる。


『ヒャッハー! 雷は空から落ちるもんだ! 地下で使えるわけねぇだろ!

だから見てみろ、後ろで無能が寝たふりしてるじゃねえか!』


そして後ろで寝たふりしていたライトロッドが、ひっそりと立ち上がる。


「無能トハ聞キ捨テナリマセンネ……雷撃極メシ者ノ力、トクトゴ覧アレ……」


地電流の領域(エレクトロ・レイヤー)!!」


青緑の閃光が空間を包み込む――が、効果は……サビた武器が何本か壊れただけ。


「……バカなの? 骨だよ? 電気通すわけないじゃん」


冷徹な現実に撃沈するライトロッド。


『あいつ、戦えるくせに手を抜いてやがる、楽に生きるためだな』

ブリューの呟きは、妙に納得がいった。


「仕方ない。私たちでやるよ」 クリスさんが動く。


スケルトンは自然発生型。動きは鈍い。


メルディは大戦斧で横薙ぎに薙ぎ払い、粉々に破壊していく。

クリスさんは聖水球をスケルトンの群れに放り込み、霧に触れた瞬間、骸骨たちは崩壊。


僕はグランに魔力を集中させ、重力でスケルトンたちを薙ぎ払い、グラビティフォールで範囲ごと押し潰す。


だが――


「ッ!?」


赤い閃光が飛来。 僕はブリューで受け止める。

そこにいたのは――深紅の魔剣と伝説級の鎧に身を包んだスケルトン。


『よう、リシェーラ。久しぶりだな……』


それはブリューがかつての戦友と呼んだ相手だった。


「炎の魔剣レヴァンティン……魔炎将リシェーラ。あいつは……」

メルディの表情が強ばる。


『仲間とはいえ別部隊だった。構うな、倒せ』


「……わかった」


だが、リシェーラは副官を連れていた。


黒衣をまとい、杖を掲げるスケルトンが空中に浮かぶ。


『ゴーレムマスター・ルーベン。厄介な奴が来やがった……』


その詠唱の後、骸骨の破片が寄り集まり、巨大なゴーレムへと変貌。


――スケルトル・ジャイアント、現る。


その巨体は5~6メートル、巨大メイスを振り上げ、こちらへと睨みを据えた――

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