第45話 転移魔方陣と古代の影
早朝──といっても、もう日はすっかり昇っている。
寒さに負けて布団といちゃついていた僕を、突然リアさんとメルディが起こしにきた。
「ギルドからの緊急召集です」
……緊急? なにそれ怖い。
渋々身支度を整えてギルドに向かうと、すでに冒険者たちでごった返していた。
見たことない顔もちらほら。他ギルドの冒険者も混じっているようだ。
ざわつく空気の中、全員が揃ったところでマスターの説明が始まる。
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近くの遺跡に入った魔法学校の生徒たちが、二日前から行方不明になっているらしい。
その遺跡は“始まりの遺跡”と呼ばれ、この土地に最初に冒険者たちが拠点を築いた場所。
危険な罠や魔物はおらず、今では観光名所として整備されていて、半日もあれば全体を見て回れる規模だ。
すでに学校関係者と遺跡の管理組合が、昨日と一昨日で捜索を行ったらしい。
それでも手がかりはゼロ。
……で、ついにギルドへSOSというわけ。
場所が場所だけに、生徒たちも大した装備や食料を持っているはずがない。
捜索は一刻を争う。
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僕とリアさんとメルディは、説明を終えるとすぐに現場へ直行。
現地──始まりの遺跡に到着すると、ブリードがすぐに駆け回りながら匂いを追い始めた。
僕もブリューナクとグランから聞こえてくる小さな囁きを頼りに、片っ端から怪しい場所をチェック。
ジャニスは壁抜けで隠し部屋の探索を担当中。
……それでも、何の手がかりも見つからない。
気づけば半日が経過していた。
他の探索隊も似たような状況だったらしく、みんな一度ギルドに戻って昼食をとりながら今後の作戦会議をすることに。
学校側が探索用の装備と一週間分の食料を馬車で運んでくれるらしい。
……これは長丁場になりそうだ。
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午後からは後発の冒険者たちも合流して、再び探索再開。
けど、やっぱり収穫なし。
これだけ遺跡内を徹底的に洗って何も出てこないってことは──
隠し部屋も通路もない。
となると、残る可能性は誘拐か、あるいは強制転移系の魔法……
でもそんな罠、あればすでに発見されてるはずだ。
それに魔力量的にも維持が難しいし……
……ってところで、奥の小部屋でブリードが吠えた。
「この部屋で匂いが完全に途切れてるぞ!」
そう言っている気がする。
なら、この部屋の中に何かが……?
でも何度も調べたはずの場所なんだが。
少し腰を落ち着けようと床に手をついた瞬間、違和感。
……冷たい。しかも、かすかに濡れてる?
床に、薄い溝……?
よく見ると、長年の風化で目視では分かりづらいものの、床には何かしらの線が刻まれているような……
僕はすぐさま、フーヨンの力を使って部屋全体の修復を開始した。
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そして──現れたのは、床一面に広がる巨大な魔法陣。
「……これ、転移魔方陣?」
リアさんがすぐに駆け寄り、目を見張る。
「オゼリア君、お手柄ですよ!」
そのままギルドと先生方に報告。すぐに魔法学校の先生たちも到着して、遺跡は一気に臨戦態勢。
そこに、メルディがしれっとやってきて言う。
「この場所、知っている。ここは基地に入るための“エレベーター”の乗り場だ」
基地!? 何の!??
そういえばこの遺跡、古代魔法王国時代の遺構だったはず……
つまり、古代の魔術師たちが使っていた拠点──軍事基地ってことか?
「でも魔力は完全に失われてる」と先生方。
確かに、魔方陣の反応はほとんど感じられない。
そこへリアさんが小さく手を上げて発言。
「この魔方陣の起動方法、心当たりがあります。
そのための魔法薬を作りますので……一日だけ時間をください」
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こうして、明後日。
僕たちは転移魔方陣の起動に挑むことになった。
生徒たちが、無事でいてくれることを祈りながら──。




