第40話 久しぶりに平和な日常
昼過ぎに目が覚めたら、家の庭先でブリードとメルディーが遊んでいた。
なんだこの平和すぎる光景は……。
ついでに影の中も、なんか騒がしい。
「いいぞ、お前らも遊んでこい。ただし家の敷地から出るなよ」
そう言って、影の中からフーヨン、ミョニル、ギギの三匹を解放。
フーヨンは相変わらず「プモーン」とか意味不明な鳴き声をあげて、庭の中をふよふよと浮遊。
それにじゃれつこうと飛び跳ねるブリード。
そのブリードのしっぽが気になって仕方がないミョニル。
ギギはというと……庭の一角で日光浴中らしい。で、その前に正座でもしそうな勢いでじーっと見つめるメルディー。なにが楽しいんだ。
……いや、なんかもう平和すぎて逆に不安になってくるんだけど。
僕はそんな様子をぼーっと眺めながら、縁側で日の光に当たっていた。
……ぽかぽかしてきたな。なんか……眠い……
――ZZZZZZZZZZ……
気づいたら夕方になっていた。お、おう、実に充実した一日……だったのか?
「おーい三匹ども、そろそろ戻る時間だぞー」
影の中の三匹を順番に戻していく。
「メルディー、お前もそろそろ帰るんじゃ……」
と言いかけたところで、ふるふると首を横に振るメルディー。
そして、ブリードをひょいっと抱き上げたかと思うと、ひと言。
「泊まる。一緒に寝る」
……は?
おまっ……男の家に、子供とはいえ女の子がひと晩泊まるって、それ完全に教育委員会案件だぞ!?
「べつに……わたしに手を出したら、ブリード噛み付く」
ワンッ(即答)
……なあお前、誰の味方なんだよ?
まあ……いいか。今日だけな、今日だけ。
結局、僕は二人と一匹のために夕食を作り、食わせてやる羽目に。
そのあと暖炉の前でゴロゴロじゃれ合っていたら、いつの間にかそのまま寝落ちしていたらしい。
「……二人とも、見た目も中身も完全に子供だな」
でもまあ、こうして誰かと何も考えずに過ごす一日ってのも――悪くない。
ある意味、これが“平和”ってやつなのかもしれない。。




