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オゼリアプルートの冒険日記  作者: 鳳 翔平
36/59

第36話 月の鏡に映る者

「……あなたは“人間”です。ですが同時に、“人ならざる者”でもあります」


静かながら、深く響く声だった。


3人の司祭たちは、ボクの前に立ち、まるで預言を告げるように言葉を紡いでいく。


「本来、あなたは人として生まれるはずのない運命のもとにありました。

 その血筋を辿っても、魂の系譜を見ても……“そうではない”と、明らかなのです」


(え……?)


「けれど、あなたは“人”として生まれてしまった。

 その影響により、あなたの魂の中には――一枚の『鏡』が生まれてしまったのです」


「……鏡?」


「その鏡は、あなたの瞳に映る“他者の技能”を写し取り、

 そして、自らの力として“昇華”してしまう……そんな性質を持ちます」


(……あっ)


「思い当たること、ありませんか?

 見よう見まねで出来てしまったことや、ちょっと教えられただけで出来るようになったこと」


(……ある。めっちゃある)


「それこそが、かつて古の時代――“感応者”と呼ばれた者たちが持っていた特性。

 あなたの“種族”なのです、オゼリア=プルート」


「……“感応者”……」


「純血の感応者は、すでに滅びた種族です。

 ですが、幾重にも重なった偶然が、再びその血を呼び戻したのです」


「感応者は、職業に制限がありません。

 なぜなら、どんな特殊技能でも“見る”だけで身に付けてしまうからです」


「現にあなたは、“魔法剣士”でもないのに、“魔法剣”の技を使っている」


「……あれって、やっぱりおかしかったんだ」


「ただし、それは強大な力であると同時に――制限でもあります。

 “見なければ”、身に付かない。目にすることのない技術は、永遠に習得できません」


「だからこそ、感応者のための“特別なクラス”が存在するのです。

 それは“職業”というより、“称号”に近い」


「古の人々は、水面に映る月の姿を“鏡”に例えました。

 そして、その能力を“月の鏡”と呼び――」


「それを持つ者たちをこう呼んだのです――“ルナリス”と」


(ルナリス……)


「それが、あなたのクラスです。

 そして“ルナリス”に、レベルは存在しません」


「どんな上級スキルでも、“見るだけで”会得してしまう者に、レベルなど意味を持たないからです」


(すごい……いや、すごすぎる。なんだこれ、チートすぎる)


「オゼリア=プルート……

 “魔剣”と“魔槍”を携え、

 “魔獣”と“神獣”と“精獣”、

 そして――“竜”を従える者よ」


(……え?)


(魔剣がブリューで、魔槍がグラン……

 魔獣はギギ? 神獣と精獣は……フーヨンとミョニルか?)


「……あの、すみません。“竜”って……何ですか?」


「あなたが連れている“雪狼”。

 あれこそ、白銀の王――フロストドラゴンの系譜を継ぐ“竜の子”です」


「えええええっっっ!!???」


(あのワンコ……いや、ブリード。

 まさか、狼だと思ってたのに、竜だったなんて……)


(……でも、よく考えたら竜の方がカッコイイな。うん、全然OK)


「それでは、あなたの“冒険者証”をお出しください。

 運命の記録を刻みましょう」


目の前で、冒険者証が光に包まれ――情報が書き換えられていく。



---


冒険者証 明細:


名前:オゼリア=プルート


性別:男


種族:人間・感応者ルナリス


職業:ルナリス


レベル:――


冒険者ランク:総合B(陸B・海C・空C)




---


「……あれ? “年齢”が“――”のままなんですけど?」


「それにつきましては……申し訳ありません。

 私たちの力をもってしても、あなたが“いつから存在していたのか”が判別できないのです」


「……ま、まあ、年齢なんてどうでもいいか。若く見えるし」


(どうやらボクは、本当に“ただ者”じゃなかったらしい……)


でも、なぜか――


心は、いつものように静かだった。


いよいよこれから、何が始まるのか。


ボクの“運命”が、ようやく姿を見せ始めた気がした。


お気づきの方もいらっしゃるだろうか?


最近登場してきたブリード。

実はこの元ネタになっているのは、『フォーチュンクエスト』の『シロちゃん』です。犬にしか見えないけどドラゴンって設定がそのままですよね。


でも大丈夫です。

言葉を話したり「わんでし」なんて鳴いたりしませんので(笑)


プロットなし。その場の思いつきで書き足して行っています。

どこまで行けるか分かりませんが、不定期更新していきますので

温かい目で見守った下さいませませ。

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