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オゼリアプルートの冒険日記  作者: 鳳 翔平
26/59

第26話 列車と死神とクリスタルローブ

魔導列車の旅もついに3日目。

予定では昼過ぎには北の国境の街「ニブルヘルム」に到着するはずだった。


――が。


『ご乗車のお客様の中に、国軍、騎士団、または冒険者の方がおりましたら…』


突如、車内に響いたアナウンス。

どうやら只事ではないらしい。


乗務員に話を聞いてみたところ…


「前方に魔物の群れが出まして。列車の武装が故障してるんです。で、皆さまのお力を…」


とのこと。

なるほど、つまりは「討伐よろしく」ってやつだ。


伝えると、僕の仲間たちは二つ返事で了承。

さらに一緒に行くのは――


・死神の異名を持つハンター「クロード」

・その相棒で謎めいた少女「エイミー」

・魔法王国の騎兵団長「風竜のロワーロ」

・列車の武装局員10名


…って、今日のパーティー、やたら豪華じゃないか!?


ライアンが解説してくれたところによると、クロードの鎌は「デスサイズ」って言うらしく、並みの魔物なら触れる前に両断されるそうだ。


「エイミーはエルフっぽいけど、武器はトンファーだってさ。変わってるなー」


と、リアさん。

うん、今日も君は自由だね。


(ヒャッハー、あの魔物たまにレアドロップあるからな! 拾い放題だぜ!)

ブリュー、こういうときは黙っててほしい。


列車を止めた魔物――それは、まるでマントのような姿の魔法生物「クリスタルローブ」。

100体は下らない数が、線路をふさいでいた。


(主、あれは強力な冷気を操る上級魔物です。お気をつけて)

グランが警告する。


「弱点は?」

(ガラスと同じよ。ただし、ガチガチに固いから魔力全開で叩け!)

了解、ブリュー!


雷を自らの身に落とし、それをブリューで受け止めて――


魔法剣サンダーボルト・ブレイカー!!」


電撃を纏った一撃で、最前列の一体を叩き割る。

「よし、まず一匹!」


振り返ると――


クロードが6体を一閃で両断し、

ロワーロが炎の槍で3体を焼き払っている。


空中を飛び込んだエイミーがトンファーを叩き込むと、衝撃点に魔力文字が浮かび上がり…爆炎!

5体が木っ端みじん。


「トンファーで爆発…」

「さすが死神の相棒」

「僕も欲しい…」

それぞれのつぶやきが妙にリアルだ。


次にライアンが二刀を構え、斬り抜けた敵は粉々に砕け、

後ろから追いついたクロードとエイミーが残りを瞬殺。


僕もギギとともに突撃し、隣の群れを片付ける。


が、次の群れは動かない。

何かに引き寄せられるように一か所に集中していく。


「リューディアさんの空間操作魔法か!」


そして現れた巨大な魔法陣。

「みなさん、危ないですよ~」

って、もっと緊迫感ください。


『目標補足。収束魔力砲撃を行います』

閃光。

その瞬間、残りの魔物がごっそり消滅。


「いやー、すごい」

「美しい火力」

「エグいなあの魔法陣」


列車の武装局員たちが駆け寄ってきて、戦利品回収の合図。


…と、その時。


ライアン「よっしゃ、クリスタルブレードゲットぉぉぉ!」

リアさん「これ錬金素材に使えるから全部拾いますね~」

…うちの仲間、切り替え早いな。


(主、あそこの下に強い魔力を感じます)

グランの声に導かれて探ってみると…


「これは…魔力石?」


5センチほどのクリスタルブルーの石を、グランの穂先のくぼみにカチッと装着すると…


(氷属性が追加されました。試す機会があればぜひ)

やった!グラン、パワーアップ!


ギギの方を見ると――

背中に…クリスタルの羽?

頭には…ニードルの角!?

(…また進化してるよコイツ…)


そして――


「まもなく列車発車しまーす!」

「やばっ!」


あわてて列車に飛び乗ると、ゆっくりと走り出す。


遠くの地平線の先に、山のふもとに広がる街の影が見えた。


「あれが、ニブルヘルム…か」


この旅も、そろそろ佳境に入りそうだ。

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