第17話 しゃべる剣と、賢者っぽい槍
武器屋で出会った意思を持ち、しゃべる剣。
……そう、「ブリューナク」。
本人(剣?)いわく、かつては「伝説の武具」として名を馳せたらしい。
今は木箱の中で「もってけ泥棒」って札貼られてたけどね。
そして、もう一本の武器。
これは槍……なんだけど、ただの槍じゃない。
胸の高さくらいまであるポールの先に、金色の十字架がドンと刺さってて、
その十字架を囲うように**30センチほどの円形刃**がぐるりとついている。
さらにその十字の先端から、上・左・右に**三本の刃(槍の穂)**が突き出てる。
いわゆる、三叉槍+チャクラム+聖具風のミックス。
なんかこう、神官戦士っぽい? クルセイダー武装? そんな感じのビジュアル。
しかも、中央には銀色の魔石まで埋め込まれてるという豪華仕様。
で、はい。予想通り。
こいつもしゃべった。
> 「お初にお目にかかる、新たな主よ」
「我の名は――グラン・デス・ワイゼン」
「魔槍であり、かつては魔導の杖としても用いられし者。
いかようにも、主の望むがままにお仕えしましょう」
……あの、すみません。
自己紹介がやたら物々しくて情報量が多いんですけど。
でもまあ、魔槍兼・魔導杖ってことは、攻撃も補助もいけるってことよね。
意外と万能? なんかすごいの買っちゃった?
ちなみに、ブリューナクとワイゼン両者に話を聞いてみたところ――
どちらも**古代魔法王国の時代に生まれた、知性ある武具(=意志を持つ魔器)**らしい。
しかも、世界のどこかに同じような「同胞」たちが眠っている可能性もあるとか。
> 「類は類を引き寄せるものです」
「いずれ、我らの仲間と再会する時が訪れるでしょう」
とか言ってた。
うーん、なにやら大きな物語が動き出しそうな気配もあるけど……。
とりあえず今は明日の準備が最優先。
明日はついに、パンケーキ退治の旅に出発予定なのだから。
よし、今夜は早めに休もう。
ブリューナクにも、グラン・デス・ワイゼンにも、ちゃんと声をかけておこう。
「おやすみ、相棒たち」
――この武器たちと出会ったのも、きっと何かの縁なんだと思う。
(ただし、ブリューナクの寝言がうるさいのだけは何とかしてほしい)・




