第13話 びりびりきゅにゃ〜の正体
フーヨン(=例のふわふわ)が「物体の再生魔法」を使えることが判明したことで、
ぼくの中で契約獣たちの評価が一段階アップしてきた。
ということで、今日はもう一体の使役獣、ミョニルの観察に時間を使ってみることにした。
ミョニル=例の水でできたヘビ。
うねうねしてて、ちょっと綺麗。たまに食器を洗おうとする不思議な生物。
でも現時点では、見た目以外の情報がない。
本当にこいつ、何ができるんだろう。
というわけで、影から出して自由にさせてみる。
庭に放って、しばらく様子を見る。
……30分経過。変化なし。
……1時間経過。ぬるっと移動しているだけ。
……2時間。隅っこで丸くなってる。地味に癒される。
このまま何も起きずに今日が終わるかと思った、そのとき。
唐突に、事件は起きた。
どこからともなく飛んできた一羽のカラスが、
地面をうねうねしているミョニルに興味を持ったらしい。
しばらく周囲を旋回していたと思ったら、いきなり急降下。
「クワァァァ」って鳴きながら、ミョニルにちょっかいを出してきた。
くちばしでつつく。何度も。ぺちぺち。ちょっと容赦ない。
ミョニルはというと、無言。無反応。むしろいつも通り“きゅにゃ〜”とか言ってる。
いや、反撃しないのか?
ぼくは見守りながら、ちょっと不安になっていた――その瞬間。
バリバリバリィィィィッ!!!
爆音と共に、白い閃光が走った。
そしてカラスが、その場で一瞬にして焼き鳥化。
炭までいかず、絶妙なきつね色。どういうチューニングだ。
衝撃で、ぼくはしばらく固まっていた。
え?
今の……ミョニルの仕業……?
正解です。
ミョニルの能力、それは――
**「電撃魔法」**でした。
いや、嘘でしょ!? 水属性じゃなかったの!?
雷ってアンタ、見た目ぜんぜん電気っぽくなかったじゃん!
しかも雷撃の威力、下手な中級魔術師より上なんじゃ……?
これ、対モンスターでも普通に戦力になるやつでは?
ということで。
ぷもーん(=フーヨン)→ 再生魔法
きゅにゃ〜(=ミョニル)→ 電撃魔法
我が家の影の中が、なんかすごいことになってきた。
何もしてないのに着々と戦闘力が上がっていく不思議。
……でも、逆に言えば。
ぼく自身は何も成長していない。
ステータスは依然として「職業:???」のまま。
このまま影の中だけパーティが完成していくんじゃないかという若干の危機感がある。
いや、それもそれで面白いけど。
とりあえず今日は、カラスの魂に黙祷を捧げつつ、観察日記に新たな一ページを追加しておいた。
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[観察記録:ミョニル]
能力:電撃魔法(単発、広範囲)
反応:攻撃を受けると自動で発動?
好物:オケの水、たまに氷を舐める
その他:しばらくカラスが寄りつかないレベルで怖がられてる。地味に助かる。
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さあ、これで準備はまた一歩整った。
あとは、自分の職業を知るだけ。
……そう、行かねば。中央教会へ。
(※まだ行ってない)




